三菱商事はフィリピンで現地企業と 組んで中間所得層向けの大規模マンションの分譲事業に乗り出す。マニ ラ市内に総戸数千数百戸の超高層マンションを建設する計画で、総事業 費は約400億円。人口増加や経済成長の続くアジア地域での不動産需要 は高まると判断。ベトナムやインドネシア、ミャンマーを加えた4カ国 を重点国として分譲事業や商業施設の開発を展開する方針だ。

開発建設本部の長岡昌宏・建設事業部長がブルームバーグ・ニュー スとのインタビューで明らかにした。フィリピンを代表する財閥アヤラ の中核企業アヤラ・ランドの完全子会社とマンション建設事業で合意し た。同子会社が6割、三菱商事が4割を出資する合弁会社を10月に設 立。来年初頭にも着工し、複数のマンションを段階的に建設する。

長岡部長は「人口が多く、成長性のあるフィリピン、ベトナム、イ ンドネシア、ミャンマーの4カ国に絞って不動産開発事業の調査を進め ている」と述べた。シンガポールやタイ、マレーシアなどではすでに競 合企業が多数進出していることから対象国から外したという。分譲事業 のほかオフィスや商業施設などの賃貸事業、物流倉庫などの事業を展開 する。

フィリピンの首都マニラ市内のオルティガス地区3.6ヘクタールの 土地にマンションを建設する。年間300万-500万円の所得世帯を購買層 に想定している。同国では幅広い価格帯でマンション販売は好調。た だ、利益率の高い高額物件は投資目的による購入も多く、景気が下振れ た際の落ち込みも大きい。安定利益を狙うため実需に基づいた中間所得 層向けを対象とする。

三菱商事の海外での不動産事業は、かつては米国のみで展開してい たが、2008年のリーマンショックで打撃を受けた。その後、事業の立て 直しを進め、米景気の回復とともに復調。11年には中国瀋陽市での大規 模分譲住宅開発事業への参加も決めた。事業ポートフォリオを広げるた め東南アジア諸国連合(ASEAN)を米、中国に次ぐ海外の第3の軸 と位置付けて同地域での事業に参入する。

資源価格が下落する中、商社各社は非資源事業を強化している。三 菱商事は非資源分野の連結純利益について、20年ごろをめどに13年3月 期の約1800億円からの倍増を目指す方針。三菱商はアヤラに10.52%出 資しており、1970年代以来の取引関係にある。

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