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日産ゴーン氏:役員体制を若返り-決算前倒し今期予想減額

決算発表を前倒す異例の対応に出た 日産自動車は1日、役員体制変更を発表した。カルロス・ゴーン最高経 営責任者(CEO)は予定を変更して会見し、体制変更は若返りの一環 と指摘、中期経営計画達成に向けて自信に揺らぎはないと強調した。

日産は1日、同日付の役員体制の変更を発表した。最高執行責任者 (COO)ポストを廃止し、チーフ・コンペティティブ・オフィサーな ど3つの役職を新設。グループ全体の事業運営の効率化を促進する。

新たなチーフ・コンペティティブ・オフィサーには西川廣人副社長 が就任し、購買、生産、研究開発などを統括する。電気自動車や電池事 業など担当のチーフ・プランニング・オフィサーにはアンディ・パーマ ー副社長、商用車やダットサン事業などにかかわるチーフ・パフォーマ ンス・オフィサーにトレバー・マン副社長が就任。COOポストの廃止 により、志賀俊之氏は代表取締役副会長として渉外などを担当する。

ゴーン氏は、中期経営計画に掲げる売上高営業利益率8%の達成に 向けて経営スピードを上げ、体制の若返り図ると説明。また、「後進に 道を譲る準備というわけではない」と述べた上で、「若い世代により大 きな仕事を任せることで、彼らも経験を積み成長するチャンスになる」 と語り、人材育成の一環でもあるとの考えを示した。

日産と資本・業務提携関係にある仏ルノーでは、COOだったカル ロス・タバレス氏が8月に退社した後、COO職を廃止していた。ゴー ン氏は今回の体制変更について、ナンバー2が3人になるのは会社が成 熟しているということと指摘。若返りをさらに進める考えを示し、来年 4月1日にも発表すると述べた。

今回の体制変更では、世界3地域体制を、来年1月1日から6地域 の事業運営にする。アジア地域に含まれていた中国は独立市場として強 化する。

今期純利益を15%下方修正

また、日産は同日の決算発表で、今期(2014年3月期)純利益予想 を従来計画の4200億円から15%下方修正して3550億円とした。ロシアな ど新興国販売の減速、リコール費用、新興国の通貨変動などが響いた。 ブルームバーグ・データが集計したアナリスト18人の予想平均は4403億 円だった。

市場予想を大きく下回る今期業績は当初、5日にCOOの志賀氏が 発表予定だった。だが、10月30日に急きょ、1日に変更。ゴーン氏は、 業績下方修正と体制変更を自ら説明すべきだと思ったと話した。

新興国が減速する今期の世界販売(小売り)計画は、従来の530万 台から前期比5.8%増の520万台に下方修正。このうち日本は5.1%増、 米国が13%増、全体の約4分の1を占める中国は7%増の一方で、ロシ アは6.8%減などとした。今期の為替前提は対ドルで97.9円(従来95 円)、対ユーロで130円(同122円)に見直した。

SMBC日興証券の野口正太郎アナリストは10月9日付のリポート で、日産の中国を除く今期の世界販売計画9%増に対し、4-8月まで の累計では3%増にとどまっていると指摘。10-12月以降の「日本の市 場回復や米国での新車効果などに期待したい一方、アジアなどの減少に は注意が必要となる」としていた。

大規模リコールも痛手

今期は大規模なリコールが相次いだのも痛手だった。5月には、か じ取り装置の不具合で「マーチ」など2車種、約26万4000台のリコール を国土交通省に届け出ており、対象車は世界で約84万1000台となった。 9月には、加速装置の不具合で「セレナ」など計5車種、約76万5000台 のリコールを届け出ており、対象車は世界で約91万台に達した。

ゴーン氏は新興国について、通貨やブラジルの新たな輸入制限が問 題と指摘し、戦略を見直すのでなく、行動を迅速化することで切り返す 考えを示した。また、研究開発費や設備投資についてはピークを迎え、 来年以降はコストが減少していくと話した。

同時に発表した7-9月決算では、純利益が前年同期比2%増 の1078億円だった。売上高は同16%増の2兆5233億円、営業利益が 同19%減の1138億円となった。

国内自動車大手では、ホンダが10月30日に決算を発表、販売拡大や 円安を背景に7-9月の純利益が前年同期比46%増の1204億円となっ た。トヨタ自動車は6日に決算発表を予定。日産の1日の株価終値は前 日比2.1%安の961円で、年初来では18.5%の上昇となっている。

--取材協力:堀江政嗣、向井安奈. Editors: 浅井秀樹, 中川寛之

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