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キリンHD:サンミゲル完全子会社化を検討、東南アジア強化

国内飲料最大手のキリンホールディ ングスが、現在約48%出資しているフィリピンのサンミゲル・ビールの 完全子会社化を検討していることが分かった。事情に詳しい関係者が明 らかにした。

キリンHDは選択肢の1つとして、比ビール業界をほぼ独占するサ ンミゲルの完全子会社化を検討しており、関係者によると親会社のフィ リピン複合企業サンミゲル・コーポレーションが保有する51%の買い取 りの打診があれば協議に応じる。サンミゲル・コーポは先月、同社の保 有株について複数の企業から買い取りの打診を受けていることを明らか にしている。

サンミゲル・コーポのラモン・アン社長は1日、ブルームバーグ・ ニュースの取材に対し、企業価値がEBITDA(利払い・税金・減価 償却・償却控除前利益)の「約20倍」という算定が、業界では現在「標 準だ」と述べた。サンミゲル・ビールの昨年のEBITDA実績を基に 算出すると、同社の51%分の価値は59億ドル(約5800億円)となる。

ジャパンインベストの大和樹彦副調査部長はアン氏の狙いについて 「キリンに対するメッセージだ。キリンへの売却の値段を上げたいのだ と思う」と述べた。「サンミゲルはフィリピン市場をほぼ独占しており 競合がいない。アンハイザー・ブッシュ(AB)インベブやSABミラ ーなども手を挙げてくるだろう。値段が高くなりすぎる可能性がある」 という。

世界最大のビールメーカー、ベルギーのABインベブの広報、同2 位の英SABミラーの広報はともに勤務時間外でコンタクトが取れてい ない。

東南アジア戦略

キリンHDは今年前半、シンガポールの飲料会社フレイザー・アン ド・ニーブの争奪戦に敗れ、買収を断念。15%出資していた同社の保有 株を売却しており、サンミゲルの完全子会社化はキリンHDが目指す東 南アジアでの基盤固めに向けた重要な一歩となる。キリンHDは09年、 サンミゲル・ビール株の約48%をコーポなどから1316億円で取得してい た。

関係者によると、キリンHDからは買い取りを申し出ないという。 キリンHDの広報担当山本冠氏はブルームバーグの取材に対し、コメン トを控えた。今日の取引で同社の株価は午後から下落に転じ、一時前日 比1.1%安まで下げたあと、0.5%安の1425円で終了した。

サンミゲル・コーポのアン社長は10月、「数社」がサンミゲル・ビ ール株の売却について打診してきたことを明らかにしている。サンミゲ ル・コーポはインフラ事業や航空事業などに今後約3兆4000億円を投じ る計画で、9月には保有しているマニラ電力株をJGサミット・ホール ディングスに売却することを決定している。

サンミゲル・ビールは今年5月、フィリピンの証券取引所から上場 を取り下げた。市場で売買可能な株を発行済み全体の10%とする同取引 所のルールを満たせなかったため。最終的にサンミゲル・ビールが浮動 株0.61%を買い取り、上場廃止となった。

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