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ソニー下方修正、パナソニック上向き改定-改革進ちょくで明暗

ソニー、パナソニック、シャープの 電機メーカー3社の上期決算が出そろい、1日の株式市場は決算結果を 反映して明暗が分かれた。

ソニー株は前日終値比11%安の1668円で終了、リーマンショック直 後の2008年10月以来の下落率を記録した。一方、今期の純利益予想を2 倍に引き上げたパナソニックは、一時同6.9%高まで上昇したあ と、6.2%高の1046円で終了。太陽光発電が好調だったシャープは一時 同5.9%高まで買われた後、1%高の292円で引けた。

ソニーは今期(14年3月期)の純利益予想を8月時点の500億円か ら300億円に下方修正した。デジタルカメラや液晶テレビ市場の落ち込 みが響いた。ブルームバーグ・データによるアナリスト20人の事前予想 平均は505億円だった。

スマートフォン(多機能携帯電話)のカメラ機能の向上やタブレッ ト端末の普及により、デジタルカメラ市場やパソコン市場が侵食されて いる。ソニーのカメラ「サイバーショット」、パソコン「VAIO(バ イオ)」も苦戦を強いられている。

厳しい競争

こうした中で同社は今期のデジタルカメラの販売目標を1200万台に 設定、従来の1250万台から下方修正した。また、液晶テレビの販売目標 は1400万台とし、従来の1500万台から引き下げた。パソコンも従来 の620万台から580万台に下方修正。スマホについては4200万台の目標を 維持した。

加藤優代表執行役・最高財務責任者(CFO)は決算会見で、「市 場環境はなかなか厳しい状況が続いている」とし、特にパソコン、デジ カメ、テレビなどが厳しい競争にさらされていると述べた。

テレビ事業について加藤CFOは、コスト削減を続けるとともに、 年末に高精細の4Kテレビの拡販を進めることで黒字化を目指すとし た。パソコン事業は抜本改革が急務で、PC事業の改革プランを策定中 だと語った。

大和証券の綾田純也アナリストは「第1、2四半期と続けてのテレ ビ販売台数下方修正で、3カ月先が読めない状況」と述べ、10-12月期 にも「さらに下振れるリスクがある」との見方を示した。

ゴールドマン・サックス証券の渡辺崇アナリストは1日付のリポー トで「旧来ハードウェア事業の利益底打ちが見えない限り、スマホやゲ ームの業績成長があったとしても、エレキ事業全体としての業績成長を 描くことは難しい」とし、「抜本策」が必要との考えを示した。

パナソニックは上方修正

一方、パナソニックは今期の純利益予想を従来の500億円から1000 億円に引き上げた。自動車や住宅分野がけん引役になった。ブルームバ ーグ・データによるアナリスト15人の事前の予想平均689億円も上回っ た。

津賀一宏社長の構造改革で事業の合理化が進み、ヘルスケア事業の 株式の過半数が売却された。売却の特別収益に伴い同社のキャッシュポ ジションは著しく改善する見込みだ。円安効果で車載関連デバイスの販 売が好調に推移している。国内は来年の消費税引き上げを前に住宅需要 が旺盛で、住宅機器関連も業績に貢献している。

SMBC日興証券の白石幸毅アナリストは決算前の取材で「市場環 境が厳しい中、パナソニックは売り上げをむやみに追わず、事業のテコ 入れを進めている」と述べた。その上で同氏は「会社の成長と縮小、整 理を一緒にやらなければいけない」とし、ソニーの平井社長が成長を重 視しているのに対し、パナソニックの津賀社長は成長よりも整理重視の 経営を続けていると語った。

ソニーがテレビ事業の黒字化を目指しているのに対し、パナソニッ クはこの日、これまで赤字の大きな要因となっていたプラズマディスプ レーの生産を12月に終了することを明らかにした。

シャープ液晶部門が黒字化

またシャープの7-9月期の連結業績は四半期ベースで2年ぶりの 黒字になった。スマホやタブレット向けの需要が増え、稼ぎ頭の液晶部 門が黒字に転じた。増資を経て自己資本を充実させ、今後も経営立て直 しを急ぐ。

高橋興三社長は記者会見で、サムスン電子や鴻海精密工業とビジネ ス優先で交渉を継続していると明らかにした。自己資本比率について は、増資後に9月末の6.4%から12%まで回復すると明らかにした。一 方で、会計基準の変更で同社は期首時点で1200億円以上あった年金債務 を今期中に貸借対照表に反映しなければならず、自己資本の改善は一時 的になる見込みだ。

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