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快走日本株が10月失速、先進24市場で最悪に-円高や消費増税

ことしに入り快走していた日本株の パフォーマンスが、10月は一転、先進国で最悪となった。来年4月から の消費税増税への不安に加え、米国の量的金融緩和策の縮小が先送りさ れるとの見方から、為替市場で円高が進むことへの警戒がある。

TOPIXは10月に前月比0.01%高の1194.26ポイントとなり、ブ ルームバーグ・データで見ると、24の先進国株市場の上昇率でワースト だった。年初来のパフォーマンスは39%と依然トップの座を維持する が、直近6カ月間のうち、4カ月で下げている。安倍晋三首相は10月1 日、来年4月から消費税率を8%へ引き上げることを決定。円は対ドル で8月以来の一時96円台まで買われる場面があり、10月の円の下落幅は 前月末比0.1%にとどまった。

東京海上アセットマネジメント投信の久保健一シニアファンドマネ ジャーは、10月の日本株減速の要因について「一番大きいのは米国の量 的緩和縮小が先送りになり、円安への見方がかなり後退したというとこ ろ」と述べた。残る2割程度は国内要因とし、「増税ということで、来 年の反動を意識するようなトーンになった」と振り返る。

日本の景気回復を持続可能にするため、大胆な金融緩和、機動的な 財政出動に続く安倍首相の「第3の矢」である成長戦略に関し、その実 行可否を投資家らは見極めている。政府は10月18日、成長戦略の目玉で ある国家戦略特区での規制改革検討方針を策定。容積率など土地利用規 制の見直しなどを盛り込む一方、有識者が提案していた解雇ルールの明 確化などは見送った。政府は、11月上旬の法案提出を目指している。

アナリストの試算によると、トヨタ自動車をはじめとする輸出関連 企業の利益改善予想は為替の円安に大きく依存している。輸送用機器や ゴム製品などが主導し、TOPIXベースの向こう12カ月の1株利益予 想は前年比35%増と、米S&P500種株価指数の3倍以上の成長になる 見込みだ。

アジアも停滞、日本株先行きに強弱観

円は10月に対ドルで上昇・下落した。先月実施したブルームバーグ のエコノミスト調査によると、米金融当局による月間850億ドルの債券 購入策の縮小は、来年3月まで先送りされるとみられている。米景気刺 激策の継続はグローバルのリスク資産に対する需要増加を通じて日本株 にもプラスに働く半面、ドル安・円高につながれば、日本の輸出関連企 業の利益押し下げ要因にもなる。

日本株に加え、他のアジア諸国も10月は停滞した。中国人民銀行が リバースレポを手控え、同国短期金利が上昇したことなどが響き、香港 ハンセン指数は前月末比1.5%高にとどまり、24の先進国市場でワース ト3位。シンガポールST指数の上昇率は1.4%と、1年2カ月ぶりの 上昇率だった9月の4.6%高から鈍化し、ワースト2位だった。

TOPIXは9月まで4四半期連続で上昇し、4四半期では1973年 以来で最大の62%の上昇。野村証券の山口正章エクイティ・マーケッ ト・ストラテジストは、企業業績の改善や安倍首相が発表した5兆円の 経済対策パッケージへの評価から、年末に向けて日本株の上昇は再開す ると予想する。

政策パッケージで、「2014年度の実質国内総生産(GDP)での消 費税による効果はかなりの部分相殺される。企業業績では、復興特別法 人税の廃止による実行税率の低下が上積みになってくる」と山口氏。さ らにパッケージの詳細が決定されれば、関連銘柄に買いが入るとし、 TOPIXは年末に1500ポイントを目指すと読む。ブルームバーグ調査 による年末値で、同水準は最も高い。

もっとも、足元で発表が本格化している日本企業の4-9月期業績 について、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニ アインベストメントマネジャーは、「第2四半期決算は株式市場が期待 しているレベルにある」指摘。保守的な会社計画は上方修正されるもの の、「市場コンセンサスである今期経常3割増益見通しからはサプライ ズがなく、あらためて株価を押し上げる力はない」と分析。年内は一進 一退が続く、と予想している。

1日の日本株は、TOPIXが前日比0.9%安の1183.03と続落。対 ユーロを中心とした為替の円高推移が警戒される中、今期業績計画を下 方修正したソニーが11%安と急落し、通期利益計画を減額した三井化学 やナブテスコ、4-9月営業利益が計画から下振れたリコーなど業績失 望銘柄がそろって売り込まれた。

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