コンテンツにスキップする

来年4-6月の日銀追加緩和予想が増加、「物価2%信じない」圧倒的

日本銀行は31日開く金融政策決定会 合で半年に1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を策定す る。エコノミスト34人を対象に行った調査では、足元で物価上昇率が高 まっていることを受けて、来年1-3月の追加緩和予想は減少したが、 消費税率引き上げ後の4-6月に追加緩和が行われるとの見方が引き続 き優勢だ。

今月3、4日に開かれた前回会合前に行った調査では、1-3月に 追加緩和が行われるとの回答が36人中10人(28%)だったが、今回調査 では5人(15%)に減少した。一方、4-6月に追加緩和が行われると の回答は前回の17人(47%)に対し、今回調査では20人(59%)に増加 した。

9月の消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は前年同月 比0.7%上昇と4カ月連続でプラスとなった。上昇幅は前月(0.8%)か ら若干縮小したが、「食料(酒類を除く)とエネルギー」を除いた、い わゆる米国型コアCPIが前年同月比横ばいとなり、2009年1月以来続 いていたマイナスから脱した。

日銀は展望リポートで、2013-15の各年度の実質国内総生産 (GDP)成長率とコアCPI前年比の見通し(消費税率引き上げの影 響を除く)を示す。中曽宏副総裁は9日の講演で「14年度後半から15年 度にかけて、コアCPI前年比は物価安定の目標である2%程度に達す る可能性が高い」と述べた。

しかし、今回の調査で「そう思うか」との問いに対し、32人が「い いえ」と回答した。今月21日にSMBC日興証券からSMBCフレンド 証券に移籍した岩下真理シニアマーケットエコノミストは「展望リポー トの物価見通しの数字はスローガンだ」と指摘する。

岩下氏は「国内経済の正念場は、来年4月の消費増税後の消費の落 ち込み度合い、来年後半には円安効果がはく落する物価動向」と指 摘。①海外要因による円高、株安進行が止まらない②来年4月の消費増税 後の景気の落ち込みが大きくなる(14年度の成長率が予想より下振れ る、物価上昇率も頭打ち)-場合に、日銀は「追加緩和を検討するこ とになるだろう」としている。

===============================================================================
社名/氏名                追加緩和            緩和の手段              量的・質的
                         予想時期                                金融緩和の出口
===============================================================================
メリルリンチ証券        来年4-6月       リスク資産の買い増し、       2016年下期
吉川雅幸                                    量的質的緩和の延長
バークレイズ証券        来年4-6月         長期国債、リスク資産       2017年上期
森田京平                                  の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
BNPパリバ証券           来年7-9月           長期国債の買い増し         見通せず
河野龍太郎           
キャピタル・エコノミクス        来年9月以降         長期国債、リスク資産         見通せず
Marcel Thieliant                          の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
シティグループ証券           来年7-9月         長期国債、リスク資産       枠組み修正
村嶋帰一                                  の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
クレディ・アグリコル証券        来年4-6月       資金供給オペの期限延長       2018年以降
尾形和彦                                    オペ金利の0.1%から
                                             0.05%への引き下げ
クレディ・スイス証券           来年1-3月       長期国債、リスク資産の       枠組み修正
白川浩道                              買い増し、量的質的緩和の
                                          延長、外債購入の検討
第一生命経済研究所   追加緩和なし                     該当なし         見通せず
熊野英生             
大和総研                来年4-6月       長期国債、リスク資産、         見通せず
熊谷亮丸                                    短期国債の買い増し
大和証券                来年4-6月         リスク資産の買い増し         見通せず
野口麻衣子           
ゴールドマン・サックス証券       来年4-6月         リスク資産の買い増し       枠組み修正
馬場直彦                                  フォワードガイダンス
伊藤忠経済研究所        来年4-6月       リスク資産の買い増し、       枠組み修正
丸山義正                                    量的質的緩和の延長
ジャパンマクロアドバイザーズ    来年1-3月           量的質的緩和の延長       枠組み修正
大久保琢史           
日本総合研究所          来年4-6月         リスク資産の買い増し       2016年上期
枩村秀樹             
JPモルガン証券          来年4-6月         リスク資産の買い増し       2018年以降
菅野雅明             
明治安田生命保険        来年1-3月       長期国債、リスク資産の       枠組み修正
小玉祐一                                              買い増し
三菱UFJモルガンスタンレー証券 今年10-12月     12月に財投債等を買入対象       2015年上期
景気循環研 嶋中雄二     来年4-6月     に、4月にETF買い増し   

みずほ総合研究所        来年1-3月         長期国債、リスク資産       枠組み修正
高田創                                    の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
みずほ証券            来年9月以降         長期国債、リスク資産       枠組み修正
上野泰也                                  の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
マネックス証券          来年4-6月         長期国債、リスク資産       2016年以降
村上尚己                                  の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
三井住友アセットマネジメント     来年4-6月         長期国債、リスク資産       2018年以降
武藤弘明                                  の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
モルガン・スタンレーMUFG証券     来年7-9月       長期国債、リスク資産の   2016年下期以降
山口毅                                買い増し、量的質的緩和の
                                    延長、フォワードガイダンス
ニッセイ基礎研究所      来年1-3月         長期国債、リスク資産       2018年以降
矢嶋康次                                  の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
野村証券                来年7-9月       リスク資産の買い増し、      2016年4-6月
松沢中                                      量的質的緩和の延長
農林中金総合研究所      来年7-9月     長期国債、リスク資産の買       2017年下期
南武志                                い増し、付利の引き下げ、
                                            量的質的緩和の延長
岡三証券                来年4-6月         長期国債、リスク資産       2016年下期
鈴木誠                                    の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
信州大学                来年4-6月         長期国債、リスク資産       2016年上期
真壁昭夫                                  の買い増し、量的質的
                                          緩和の延長、共通担保
                                            オペの貸出期限延長
SMBCフレンド証券        来年4-6月       長期国債、リスク資産の       枠組み修正
岩下真理                                              買い増し
SMBC日興証券            来年4-6月       長期国債、リスク資産の         見通せず
森田長太郎                                            買い増し
ソシエテジェネラル証券          来年4-6月         長期国債、リスク資産       2017年上期
会田卓司                                  の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
東短リサーチ            来年4-6月         長期国債、リスク資産         見通せず
加藤出                                    の買い増し、量的質的
                                                    緩和の延長
東海東京証券            来年7-9月         長期国債、リスク資産       見通せず・
佐野一彦                                  の買い増し、量的質的       枠組み修正
                                                    緩和の延長
RBS証券                 来年4-6月       リスク資産の買い増し、       2015年下期
西岡純子                                    量的質的緩和の延長
UBS証券                 来年4-6月         長期国債、リスク資産       2018年以降
青木大樹                                            の買い増し
===============================================================================

注:2H=年下期、2Q=第2四半期、FY=年度

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE