米国のデフォルト(債務不履行)を 回避するための期限が近付くにつれ、投資家はリスクに備え始めた。ポ ートフォリオ内の米国債を短期から中長期に入れ替えたり、株・債券相 場急落に備えるオプションを購入したりと、方法は様々だ。

JPモルガン・チェースのプライベートバンク顧客の一部は現金保 有を増やしている。債務上限引き上げ期限である17日より後に満期にな る財務省証券を売って、中長期期国債に乗り換えている顧客もある。ス チュアート・キャピタル・アドバイザーズは現在バリュエーションが低 めの保険、ハイテク、医療関連株を購入。米国の銀行株に連動する上場 投資信託(ETF)からは資金が流出し、外国株のETFに流入してい る。

大半の投資家はデフォルトが回避されると考えているものの、取り あえず備えをしておこうという戦略だ。ルーミス・セイレスの債券ポー トフォリオマネジャー、ケビン・カーンズ氏は「まず資本を守らなけれ ばならない」と話した。

投資家は2011年8月を先例に、今回も債務上限問題が土壇場で解決 されると考えている。それでも、万が一のデフォルトへの懸念は米国の 短期の借り入れコストに表れ始めている。オバマ大統領が8日に米憲法 修正第14条を適用して議会の承認なしで債券発行に踏み切るべきだとの 呼び掛けを拒否した後、財務省短期証券(TB)のレートは上昇。17日 償還のTBのレートは9日には20ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇、8日は14bp上昇した。

スイスの銀行UBSの資産運用部門、UBSグローバル・アセッ ト・マネジメント(運用資産6440億ドル=約63兆円)は、ヘッジのため 米国債のオプションを購入したことを明らかにした。シカゴ在勤の米マ ルチセクター・フィクスト・インカム共同責任者、ブライアン・フェー レンバッハ氏によれば、同社は米国債とドイツ国債に関連したデリバテ ィブ(金融派生商品)を使ってリスクヘッジを図っている。

同氏はロンドンでインタビューに応じ、「これは当社の防衛戦略の 一部だが、その効果を試さずに済めばよいと思っている」と語った。 「ワシントンの不透明性は信頼感にマイナスだ。解決を先送りすればす るほど、最後の瞬間に過ちが起こるリスクが高まる」と苦言を呈した。

原題:JPMorgan Clients in Cash as Schwab Sees Options Hedging Default(抜粋)

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