米議会が16兆7000億ドル(約1626兆 円)の連邦債務上限を引き上げることができない場合でも、財務省には デフォルト(債務不履行)を回避する手段がある。厄介なのはリセッシ ョン(景気後退)を避けられないことだ。

ゴールドマン・サックス・グループやIHSなどのエコノミストら は、財務省が米国債の元利金の支払いを確実に履行できるよう税収をう まくやりくりすると予想。政府職員の給与や防衛産業への支払いなどそ の他の債務については大きく削減するとみている。その結果、政府の支 出は11月だけで1750億ドル減少すると、ゴールドマンのアレック・フィ リップス氏は試算する。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの会長だったジ ム・オニール氏は「非常に大幅な歳出カットとなるため、米経済は再び リセッションに陥る」と懸念する。

ルー米財務長官は債務上限突破を回避するための「緊急措置」が遅 くとも10月17日までには尽きるとの見通しを示している。同長官による と、緊急措置が尽きた段階で財務省の手元に残るのは約300億ドルで、 純支出額は数日で最大600億ドルに上る可能性があるという。

そうなれば、政府は全ての支払いを行うことは不可能な状態とな る。米議会予算局(CBO)の9月25日の報告によると、財務省は通 常、所得税や給与税で1日当たり約70億ドルの税収があるが、日によっ て税収は大きく変動し得る。

不測の事態

オバマ大統領は10月8日の記者会見で政府による債務の履行を確実 にするために支払いに優先順位を付ける可能性について質問された際、 「われわれは全ての不測の事態に備えている」と言明した。

IHSのチーフエコノミスト、ナリマン・ベーラベシュ氏は17日ま でに債務上限が引き上げられない確率は「非常に低い」と述べ、引き上 げずデフォルトに陥ることの代償は大き過ぎると指摘。金融への悪影響 は恐ろしく、2008年のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス経営破 綻後の状況より大きいだろうと予想した。米株式市場はリーマン破綻後 5カ月でほぼ半値に下落し、米経済は大恐慌後で最悪のリセッションに 陥った。

金融市場の投資家も期限の接近を意識し始めている。S&P500種 株価指数は8日、前日比1.2%安の1655.45で終了。8月以来最大の下げ を記録した。

原題:Recession Looms If Treasury Uses Tools to Prevent a Debt Default(抜粋)

--取材協力:Simon Kennedy、Carlos Torres、Phil Mattingly. Editors: Mark Rohner, Brendan Murray

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE