東京株式相場は下落し、日経平均株 価は1カ月ぶりに投資家の短期売買コストを示す25日移動平均線を下回 った。米国の財政・経済動向への警戒に加え、国内面では来春の消費税 率引き上げと経済対策の発動が決まり、目先の材料一巡感が広がった。 非鉄金属など素材関連、金融株中心に幅広い業種が安い。

TOPIXの終値は前日比18.28ポイント(1.5%)安の1175.16、 日経平均株価は314円23銭(2.2%)安の1万4170円49銭。為替が円高方 向に振れたほか、チャート分析面で目先の上昇トレンドの崩れも確認し た午後に入り、先物主導で下げ足を速めた。

しんきんアセットマネジメント投信の藤本洋主任ファンドマネジャ ーは、消費税増税が正式に決まり、「来年度の景気落ち込みがあらため て警戒されたのかもしれない」と指摘。市場での注目度が高い法人実効 税率の引き下げをめぐる不透明感にも着目した「海外投資家による売り が、午後に強まった可能性もある」と言う。

米政府機関の一部閉鎖を受け、海外経済の先行き不透明感が相場の 重しとなった。米国では1日、最大80万人の連邦職員が自宅待機とな り、国立公園など一部の政府サービスが停止。同日の米国株は反発した ものの、米議会は暫定予算案をめぐるこう着状態を打開できておらず、 米国初のデフォルト(債務不履行)の回避に必要な債務上限引き上げ問 題への懸念も、期限の17日を前に高まりつつある。

海外要因に加え、東洋証券投資情報部の檜和田浩昭シニアストラテ ジストは、TOPIXや日経平均が年初来高値を付けた5月に信用取引 で買った向きの絶対期日到来に伴う決済売りが出やすくなってきた点に 言及。「需給的な側面からも、目先は上値を試しづらい」としている。

一方、安倍晋三首相は1日、消費税率(現行5%)を来年4月から 8%に引き上げると表明。同時に、5兆円規模の新たな経済対策を12月 上旬に策定する方針も示した。

一時370円安、25日線割り込む

国内政策の進展を受け、きょうの日経平均は小高く始まり、朝方に 一時84円高まで上げ幅を広げた。ただ、買いの勢いは続かず、午前終盤 にかけてじり安展開。午後に入ると下げを加速し、一時370円安まで崩 れる場面があった。

立花証券顧問の平野憲一氏は、日経平均が9月17日に付けた終値で の直近安値(1万4311円)を割り込んできたことで、同月10日からの高 値もみ合い時に買いを入れた投資家の持ち高がしこりになってしまっ た、と指摘。「25日線を割り込み『気崩れ』が起き、売りが売りを呼ん だ。チャートの崩れを警戒したヘッジファンドや個人投資家からの売り が主因」と見る。日経平均が終値で25日線(1万4218円)を下回ったの は、先月2日以来だ。

東証1部33業種は非鉄やその他金融、精密機器、繊維製品、証券・ 商品先物取引、倉庫・運輸、鉄鋼、不動産など31業種が下落。下落率1 位の非鉄は、前日のニューヨーク金先物が3.1%安と3カ月ぶりの下落 率となるなど、市況安も響いた。上昇したのは情報・通信、電気・ガス のわずか2業種。

売買代金上位では東京電力、ファーストリテイリング、野村ホール ディングス、みずほフィナンシャルグループ、マツダ、ホンダ、新日鉄 住金、ファナック、日東電工、コマツなどが下落。ソフトバンクや KDDI、アキレスのほか、SMBC日興証券が新規に投資判断を「ア ウトパフォーム」としたジーエス・ユアサコーポレーションは高い。

東証1部の売買高は概算で29億154万株、売買代金は2兆4059億 円、上昇銘柄数は205、下落は1502。

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