8月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円が主要通貨に対して上昇、新興市場を懸念

30日のニューヨーク外国為替市場では円が主要16通貨の過半数に対 して上昇。今月、新興市場の資産に圧力をかけている金融市場の混乱が まだ続くとの見方が広がり、安全資産として円が買われた。

週間ベースでの円は1通貨を除くすべての主要通貨に対して上昇し た。米国主導による対シリア軍事行動への脅威が背景にある。ユーロは 対ドルで1カ月ぶりの安値に下落した。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は、「シリア情勢を背景に、多くの投資家が様子 見姿勢をとっている」と指摘しながらも、「対円でのドルをより強気に 見る向きもある。円に対するドルのポジションが盛り返している」と続 けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ユーロで0.3%上昇して1 ユーロ=129円80銭。週間ベースでは1.8%上昇した。円は対ドルで前日 比0.2%上昇して1ドル=98円17銭。ドルは対ユーロで0.1%高の1ユー ロ=1.3222ドル。一時は1.3174ドルと、7月25日以来の高値をつける場 面もあった。ブルームバーグ米ドル指数は0.1%上昇して1034.28。

2日の米金融市場はレーバーデーの祝日で休場となる。

インドやメキシコ、トルコの通貨はいずれも週間ベースでドルに対 して下落した。米金融当局が緩和策を縮小するとの観測で高利回り資産 に対する需要が減少したほか、中東での紛争が拡大するとの懸念でリス クを取る動きが敬遠された。

カリー氏の見解

ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査 によると、65%が9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会 合で月間850億ドルの債券購入の縮小が決定されると予想した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのテクニカルスト ラテジスト、マクニール・カリー氏が30日付のリポートで指摘したとこ ろによると、ユーロは対ドルで9カ月ぶり安値に下げる可能性がある。

同氏は「ドルにはまだ強気だが、対ドルでのユーロにはまだ弱気に なっていない」と指摘し、「それが変わりつつある」と続けた。

1ユーロ=1.3206ドルを下回って取引が終了した場合、その後数週 間で1.2760-1.2680ドルを模索する展開になるとみている。これは昨 年11月以来の安値水準となる。

カリー氏はまた、ドルが円に対して109円80銭まで上昇する可能性 があるとの見方を示した。

シリア情勢

ケリー米国務長官がワシントンで記者団に対し述べたところによる と、オバマ政権が公表した分析評価には、諜報機関はシリアのアサド大 統領の軍が21日の攻撃で化学兵器を使用したと「強く確信」していると 記述された。同長官は21日の攻撃では少なくとも1429人が死亡したと説 明した。

フランスはシリアに対する軍事攻撃に米国の主要な同盟国として参 加する可能性があると示唆した。英国は武力行使を見送る見通しだ。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円が週間ベースで1.7%上昇、ドルは1%上昇、ユーロは0.3% 下げた。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング (DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによ ると、外為オプションの店頭取引は合計150億ドル。前日は170億ドルだ った。

原題:Yen Gains Versus Majors on Emerging-Market Concern; Krone Slides(抜粋)

◎米国株:反落、米国のシリア対応を注視-経済統計に失望

米株式相場は反落。米国がシリア攻撃に踏み切る可能性が材料視 されたほか、個人消費支出の統計も失望を誘った。S&P500種株価 指数は月間ベースでの下落率が昨年5月以来の最大となった。

パルトグループなど住宅建設株が下落。個人消費支出の伸びが市場 予想を下回ったことが手掛かり。クリスピー・クリーム・ドーナツは第 2四半期の利益がアナリスト予想に届かなかったことをきっかけに大幅 安。一方、オンライン顧客管理ソフトウエアのセールスフォース・ドッ ト・コムは急伸。同社が示した業績見通しは市場予想を上回った。

S&P500種株価指数は前日比5.20ポイント(0.3%)安の1632.97 で終了。月間では3.1%下落。ダウ工業株30種平均は30.64ドル (0.2%)下げて14810.31ドル。9月2日はレーバーデーの祝日で休場 となる。

ギャベリ・ファンズのポートフォリオマネジャー、べス・リリー氏 は電話インタビューで、「週末に向けていずれの方向にも持ち高を大き く傾けておきたくない。シリアをめぐる不安が市場を覆っている現状で はなおさらだ」と指摘。「米国が爆撃に踏み切った場合に、軍事介入が どれくらい長期化するのかなど多くの懸念材料がある。市場は不透明感 を好まないが、シリアに関する不透明要素は多い」と述べた。

オバマ米大統領はホワイトハウスで、シリア問題への米国の対応は まだ最終的に決断していないとした上で、「いかなる場合においても」 米地上軍を展開することはないと言明した。

「強く確信」

これより先、S&P500種は一時0.6%下げる場面もあった。オバマ 政権が公表した分析評価では、諜報機関はシリアのアサド大統領の軍 が21日の攻撃で化学兵器を使用したと「強く確信」していると記述され た。

ケリー米国務長官は、米国は「外交的なプロセス」に全力で取り組 むとし、シリアの化学兵器使用へのいかなる対応も「限定的で調整され たものになる」との考えを示した。

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジス ト、ジム・ラッセル氏は「米政権が限られた軍事攻撃への準備を進め、 正当性を確立しようとしているのは明白だ」と指摘。「ケリー長官の発 言で鍵となる文言は、攻撃が限定的で小規模にとどまるということだ」 と話した。

米商務省が発表した7月の個人消費支出(PCE)は前月比0.1% 増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.3%の増 加だった。

8月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は82.1と、前月の85.1から低下し、4カ月ぶりの低水準とな った。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値 は80.5だった。速報値は80。

クリスピー・クリームが安い

この日はS&P500種の業種別10指数中、8指数が下落。テクノロ ジーや消費関連株の下げが目立った。

S&Pの住宅建設株指数は2.1%下げ、月間ベースでの下落率 は8.8%となった。金利上昇の影響で住宅回復が減速するとの懸念が強 まっている。パルトグループは3%安、DRホートンも3%下落。

クリスピー・クリームは15%安。第2四半期の利益は一部項目を除 いたベースで1株当たり14セント。ブルームバーグがまとめたアナリス ト予想平均は16セントだった。

セールスフォースは13%高。第3四半期の売上高と利益の見通しは いずれもアナリスト予想を上回った。同社は通期見通しも引き上げた。

原題:S&P 500 Caps Worst Month Since May 2012 Amid Tension Over Syria(抜粋)

◎米国債:月間で4カ月続落、緩和縮小観測-雇用統計に注目

米国債相場は月間ベースで4カ月続落となった。これはここ2年 余りで最長の連続安。景気回復の兆候を受け、金融緩和策が縮小され るとの観測が広がっている。

10年債利回りは今週低下。米国がシリアに対し軍事行動に出る可能 性があるとの見方から、逃避需要が強まる可能性がある。オバマ大統領 は、シリアによる化学兵器使用は米国および世界の安全保障への直接の 脅威だと言明。大統領は、シリアへの対応について最終的な決断はまだ していないとする一方、「いかなる場合も」シリアに米軍の地上部隊を 送ることはないと述べた。9月6日に発表される8月の米雇用統計で は、非農業部門雇用者数18万人(ブルームバーグのエコノミスト調査の 中央値)の増加が見込まれている。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「シリアへの攻撃や報復をめぐる不透明感から、方 向感に欠ける展開となっている」とし、「8月の雇用統計次第という面 が強い。雇用者数の増加幅が20万人強となれば、金融当局は緩和縮小に 動く可能性がある」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の2.78%。今月は21bp上げた。同年債(表面利 率2.5%、2023年8月償還)価格はこの日6/32下げて97 17/32。

30年債利回りは2bp下げて3.7%。

9月2日の米国市場はレーバーデーの祝日で休場となる。

緩和縮小見通し

ブルームバーグ米国債指数によれば、米国債のリターンは今月、前 日までの段階でマイナス0.7%。7月までの3カ月間ではマイナス3.5% だった。4カ月連続のマイナスは、2011年3月までの連続マイナス以降 では最長。

21日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録によれ ば、会合のほぼ全参加者は景気が予想通り改善された場合、債券購入の ペースを年内に減速させるというバーナンキ議長の計画を「おおむね支 持」していることが分かった。一方で2、3人は「近いうち」に縮小開 始が必要になる可能性を指摘した。

CRTキャピタル(コネティカット州スタンフォード)のストラテ ジスト、イアン・リンジェン氏は「非農業部門雇用者数の増加幅が若干 改善すると仮定すれば、緩和縮小の発表が予想される」とし、「単に規 模と構成の問題になる」と続けた。

ブルームバーグが今月実施したエコノミスト調査では65%が、 FOMCが9月の会合で緩和縮小を決定すると予想している。

インフレ動向

米商務省が発表した7月の個人消費支出(PCE)は前月比0.1% 増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は0.3%の増 加だった。前月は0.6%増と、速報値の0.5%増から上方修正された。個 人所得は前月比0.1%増加と、前月の0.3%増から伸びが減速した。

価格指数は前年同月比1.4%上昇、食品とエネルギーを除くコア指 数は1.2%の上昇だった。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「インフレ圧力が強まっている兆候は全くない」と し、「前年比でのデフレーターは2%を大きく下回っている」と続け た。

原題:Treasuries Drop in Longest Stretch of Losses in 2 Years on Fed(抜粋)

◎NY金:続落、米緩和縮小の観測で-月間では2カ月連続上昇

ニューヨーク金先物相場は続落。米経済の改善を背景に緩和縮小 の正当性が裏付けられるとの見方が強まった。月間ベースでは2カ月 連続の上昇。

前日発表された第2四半期の米実質国内総生産(GDP、季節調整 済み、年率)改定値は前期比2.5%増加した。速報値は1.7%増だった。 英議会がシリアへの軍事行動を求めた動議を否決したことも、逃避資産 としての金買いが後退する要因となった。

貴金属関連の調査などを手掛けるキトコの世界取引担当ディレクタ ー、ピーター・ハグ氏はリポートで、「米当局は9月に現行緩和政策の 修正を発表するだろうと大部分の市場参加者が信じている」と指摘。 「米国によるシリアへの軍事攻撃が差し迫っているとの見方は過去2日 間に著しく後退しており、金を圧迫している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比1.2%安の1オンス=1396.10ドルで終了した。

原題:Gold Pares Monthly Advance on Speculation Fed Will Slow Stimulus(抜粋)

◎NY原油:続落、早期のシリア攻撃観測が後退ー月間では上昇

ニューヨーク原油先物相場は続落。シリア攻撃が差し迫っている との観測が後退し、供給障害が発生するとの懸念が弱まった。

英下院は29日夜、シリアへの軍事行動の原則承認を求めてキャメロ ン首相が提出した動議を否決した。オバマ政権が公表した分析評価を受 けて原油相場はもみ合った。分析には、諜報機関はシリアのアサド大統 領の軍が21日の攻撃で化学兵器を使用したと「強く確信」していると記 述された。国際エネルギー機関(IEA)は、世界の原油市場の供給は 十分にあり、備蓄の緊急放出は必要ないとの見解を示した。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の 市場調査ディレクター、アディソン・アームストロング氏は「英議会が シリアへの軍事介入承認を求める首相の動議を否決したことで、近い将 来の攻撃観測が後退した。供給障害が発生するとの懸念も弱まった」と 指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日 比1.15ドル(1.1%)安の1バレル=107.65ドルで終了。週間で は1.2%、月間では2.5%それぞれ上昇した。9月2日はレーバーデーの 祝日で、通常取引はない。

原題:WTI Falls a Second Day on Speculation Syria Action Not Imminent(抜粋)

◎欧州株:下落、エネルギー株安い-週ベースは2週続落

30日の欧州株式相場は下落。ユーロ圏で景況感が予想以上に改善し たものの、石油・ガス銘柄が売られたことで相場全体が下げた。指標の ストックス欧州600指数は週間ベースでの下げ幅を拡大した。

英BPと英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが安い。英下院がシリア に対する軍事行動の動議を否決し、これを手掛かりに原油相場が下落し たことが背景。オランダの電話会社ロイヤルKPNは3.4%安。同社を 買収する案にKPNの独立基金が反対ならば、同案を撤回するとの方針 をメキシコのアメリカ・モビルが示した。

ストックス欧州600指数は前日比0.9%安の297.32と、7月17日以来 の安値で終了。前週末比では2.4%下げ、2週続落となった。月初来で は0.8%下落。

インベステック・アセット・マネジメントの投資ストラテジスト、 マックス・キング氏は「短期的に、欧州株はやや上げ過ぎていた」と し、「ユーロ圏経済が横ばいからプラス成長に転じるとの見方に投資家 が浮かれていることが懸念材料だ」と語った。

欧州連合(EU)の欧州委員会がこの日発表した8月のユーロ圏景 況感指数は95.2と、先月の92.5を上回り、4カ月連続で改善した。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト26人の予想中央値は93.8 だった。

30日の西欧市場ではギリシャを除く17カ国全てで主要株価指数が下 落した。

原題:European Stocks Fall as Stoxx 600 Extends Weekly Loss; KPN Slips(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債下落、財政懸念で-英独債ほぼ変わらず

30日の欧州債市場ではポルトガル国債が下落し、10年債利回りはほ ぼ6週間ぶりの高水準となった。同国の憲法裁判所が29日遅くに一部公 務員の雇用を破棄する計画は違憲だとの判断を下したことを受け、ポル トガルが財政赤字の削減目標達成で苦戦するとの懸念が強まった。

アイルランド10年債利回りは約10週間ぶりの大幅上昇。8月の消費 者信頼感を示す指標が2カ月連続で低下したことが背景にある。イタリ アとスペインの国債は週間ベースで2週続落。この日発表された経済統 計で、7月のユーロ圏失業率が過去最悪にとどまったほか、8月のイン フレ率がエコノミスト予想以上に低下したことが手掛かり。ドイツ国債 はこの日ほぼ変わらず。週間ベースでは1カ月ぶりのプラスとなった。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の欧州金利戦略責任者、 ルカ・イェリネック氏は「ポルトガルの債権者にとって、このニュース はあまり朗報ではないだろう」と指摘。「裁判所が緊縮策に反対する判 断を下したのはこれで3回目だが、ポルトガルが進めている措置が最終 的に脱線するとは思えない。政府をスリム化する効率が落ち、難しくな るだけだろう」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ポルトガル10年債利回りは前日比16ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の6.73%。一時は6.79% と、7月22日以来の高水準となった。同国債(表面利率4.95%、2023 年10月償還)価格はこの日、1.04下げ87.18。

アイルランド10年債利回りは7bp上昇の4.18%、6月24日以来の 大きな上げとなった。前週末比では19bp上昇。

ドイツ10年債利回りは1.86%と、前日からほぼ変わらず。今週は8 bp低下した。

英国債相場もほぼ変わらずで、10年債利回りは2.78%となった。前 日には2.84%と、2011年8月1日以来の最高に達した。同国債(表面利 率2.25%、2023年9月償還)価格は95.42。

原題:Portugal’s Bonds Slide on Deficit Concern; Irish Securities Drop(抜粋) Pound Heads for Biggest Monthly Gain in a Year Against Euro (抜粋)

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