債券は反落、高値警戒感強まり午後に売り-朝方は月末需要で買い先行

債券相場は反落。月末にあたり、投 資家による保有債券の年限長期化需要を背景にした買いが先行したもの の、午後にかけては高値警戒感から売りが優勢となった。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は この日の相場について、「朝方は買いが先行し、足元で相場が強かった ので、やや調整の売りも出ている」と指摘。「もっとも海外債券市場に 比べて円債は底堅い印象。国内は需給環境が良く、ネガティブな材料が 出ない限り、あまり売りが出ない状況」と話していた。

現物債市場で、長期金利の指標となる新発10年物の329回債利回り は前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.705%と5月10日以来の低水 準で取引を開始。その後は、徐々に水準を切り上げ、一時1.5bp高 い0.725%まで上昇した。午後3時過ぎは0.72%で推移している。

大和証券債券調査グループの山本徹チーフストラテジストは、「10 年債は高値警戒感が出てくる水準で、金融機関のコスト構造を考える と、どんどん買い進むのも苦しくなってきた」と述べた。

新発30年物39回債は、1.5bp低い1.73%と、6月3日以来の低水準 で取引を開始した。その後は徐々に水準を切り上げ、午後3時過ぎは 1bp高い1.755%で推移している。新発20年物145回債利回りも1bp低 い1.625%と6月10日以来の低水準で始まった後、水準を切り上 げ、0.5bp高い1.64%に上昇している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは、「超長期中心の好需給で債券は堅調スタート。月末最終日にあた って年限長期化の買いが見込まれることが、債券相場全体をサポートし ている」と指摘。もっとも、「シリア情勢を背景としたリスクオフの動 きが一服し、買いの勢いがやや弱まった印象」とも語った。

東京先物市場で中心限月の9月物は5営業日ぶりに反落。前日比6 銭高の144円47銭で始まった後、すぐに144円48銭と5月9日以来の高値 を付けた。その後は伸び悩み、いったん144円34銭まで下げた。結局は 6銭安の144円35銭で引けた。

総務省が発表した7月の全国コア消費者物価指数(CPI)は前年 同月比0.7%上昇した。上昇は2カ月連続で、市場予想の中央値(0.6% 上昇)を上回った。一方、経済産業省が発表した7月の鉱工業生産指数 は前月比3.2%上昇と2カ月ぶりに上昇したものの、市場予想(3.6%上 昇)を下回った。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは「今朝発表されたCPI 統計、生産統計は、いずれも強弱が入り混じり、債券にニュートラル」 と分析した。

--取材協力:赤間信行. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

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