8月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル4週ぶり高値、米経済統計改善で緩和の縮小見込む

29日のニューヨーク外国為替市場ではドルが4週間ぶりの高値に上 昇。米経済成長の加速や週間新規失業保険申請件数の減少を手がかり に、投資家は米金融当局が早ければ来月に緩和策を縮小するとの観測を 強めた。

ドルは対円で続伸。米国債利回りは2年ぶり高水準に迫った。ユー ロは主要16通貨の過半数に対して下落した。

ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替スト ラテジスト、エリック・ビロリア氏は「金融当局は来月にも緩和策を縮 小する可能性がある。失業保険申請件数は引き続き漸進的な改善を示し ている」と述べ、「シリアをめぐる懸念が緩和したことから、ドルは主 要10カ国の通貨と比べても強い」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ米ドル指数 は0.5%高の1033.48。一時は1034.03と、2日以来の高水準に上昇し た。ドルは対円で0.7%上昇して1ドル=98円35銭。ドルは対ユーロ で0.7%上昇して1ユーロ=1.3241ドル。円はユーロに対してほぼ変わ らず1ユーロ=130円22銭。

英ポンドは今月に入って対ドルで2%上昇。主要通貨の中で最も上 昇率が高い。一方、南アフリカ・ランドは4.7%安と、最も下げがきつ かった。

トルコ・リラが反発

トルコ・リラとイスラエル・シェケルは反発。英国とフランスがシ リアの化学兵器使用の疑いをめぐる国連調査団の報告を待ってから、軍 事行動の是非を決定する意向を示したため、米国主導の有志連合による シリア攻撃が差し迫っているとの観測は後退した。

ABNアムロ・グループのストラテジスト、ジョーゼット・ボエル 氏とピーター・デブルイン氏は29日付のリポートで、「シリアへの軍事 行動の脅威は典型的なリスクオフの動きにつながった」と指摘、「しか しその脅威もすでに緩和されつつあるようで、短期的なものに終わる可 能性が高い」と続けた。

トルコ・リラは対ドルで0.1%高。前日はブルームバーグがまとめ た1981年以降のデータで最安値をつけた。イスラエル・シェケルはこの 日、0.8%上昇。

米商務省が発表した第2四半期の実質国内総生産(GDP)(季節 調整済み、年率)改定値は前期比2.5%増。速報値は1.7%増だった。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は2.2% 増。発表後にドルは上値を伸ばした。

米労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は33万1000件に減少した。前週は33万7000件だった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は33万2000件だっ た。

FOMC

ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査 によると、65%が9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会 合で月間850億ドルの債券購入の縮小が決定されると予想した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初来で5.7%上昇。ユーロは6.1%上昇。一方、円は 8%下げた。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング (DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによ ると、外為オプションの店頭取引は合計150億ドル。前日は240億ドルだ った。対ユーロでのドルのオプション出来高は22億ドルで、シェア は15%と最大だった。

原題:Dollar Gains to 4-Week High as Economy Expands, Claims Decline(抜粋)

◎米国株:続伸、GDP上方修正を好感-シリアの緊張緩和も材料

米株式相場は小幅続伸。4-6月期の米実質国内総生産(GDP) 伸び率が上方修正されたことを好感した。シリア情勢の緊張緩和も買い 材料。

ベライゾン・コミュニケーションズは上昇。英ボーダフォン・グル ープはベライゾンとの携帯合弁会社ベライゾン・ワイヤレスをめぐり交 渉を進めていると発表した。第2四半期の利益がアナリスト予想を上回 ったアパレルのゲスは13%急伸。一方、原油先物相場の反落を背景にエ クソン・モービルは安い。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の1638.17で終了。一時 は0.7%上昇した。ダウ工業株30種平均は16.44ドル(0.1%)上げ て14840.95ドル。

JPモルガン・ファンズのグローバル・マーケット・ストラテジス トのアナスタシア・アモローゾ氏は「データが引き続き正しい方向に向 かっていることを示す新たな裏付けだ」と指摘した。

第2四半期の実質GDP(季節調整済み、年率)改定値は前期 比2.5%増。速報値は1.7%増だった。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想の中央値は2.2%増。

先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は33万1000件に減少 した。前週は33万7000件だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト予想の中央値は33万2000件だった。

シリア情勢

英国とフランスがシリアの化学兵器使用の疑いをめぐる国連調査団 の報告を待ってから、軍事行動の是非を決定する意向を示したため、米 国主導の有志連合によるシリア攻撃が差し迫っているとの観測は後退し た。米国はシリア政府に責任があることを示す証拠を得ているとしてい るが、ヘーゲル米国防長官は同盟国の参加なしに行動は起こさない考え を示した。

クロスブリッジ・キャピタルの投資責任者、マニシュ・シン氏(ロ ンドン在勤)は「シリアをめぐる紛争は結局のところ、短期的なリスク にすぎないとの見方に市場は落ち着き、特に欧米の経済指標と米金融当 局による緩和縮小に再び注目が集まっている」と述べた。「私はデータ にかかわらず、9月に緩和縮小があるとみている」と続けた。

S&P500種の10セクターのうち、通信サービス株の1.2%高を筆頭 に8セクターが上昇した。

ベライゾン

ベライゾンは2.7%高。ボーダフォンはベライゾン・ワイヤレスの 持ち分45%をベライゾンに売却する交渉を進めていると発表した。匿名 で発言した関係者によれば、売却額は約1300億ドル(約12兆7650億 円)。ボーダフォンは同日の発表資料で、「合意がまとまるかどうかは 確実ではない」と説明した。

ソフトウエアのマイクロソフトは1.6%上昇。事情に詳しい複数の 関係者によると、同社はソーシャルメディア企業、フォースクエアへの 出資について協議している。

エクソンは1.8%、シェブロンは1.2%それぞれ下落した。前日 に2011年5月以来の高値を付けた原油先物相場はこの日、1.2%下げ た。

原題:U.S. Stocks Advance as Economy Expands, Syria Concerns Ease(抜粋)

◎米国債:30年債が上昇-シリアへの軍事行動めぐる不透明感で逃避

米国債市場では30年債が上昇。利回りは2週間ぶり低水準付近とな った。米国によるシリアへの軍事行動の可能性をめぐる不透明感から、 米国債への逃避需要が高まった。

この日は7年債入札(発行額290億ドル)を受けて米国債相場は下 げを埋める展開となっていた。入札での最高落札利回りは2.221%。入 札直前の市場予想は2.232%だった。ホワイトハウスのアーネスト報道 官は、オバマ政権がシリアでの化学兵器使用疑惑をめぐる情報機関の分 析評価を機密扱いではない報告として、「週末までに」公表する予定だ と述べた。10年債利回りは一時上昇した。4-6月(第2四半期)の実 質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正されたことが手掛 かり。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「シリア情勢は最終的には米国債 のプラス材料だ」としたほか、「供給も終わった」と加えた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の3.71%。同年債(表面利率3.625%、2043年8月償 還)価格は3/8上げて98 3/8。

10年債利回りは2.75%。一時6bp上げる場面があった。既発7年 債の利回りはほぼ変わらずの2.19%。

7年債入札

この日は、保有国債のデュレーション(平均残存期間)をバークレ イズ米国債指数などベンチマーク(基準)に合わせようとする月末特有 の買いも相場を支えた。

バークレイズの指数は9月1日に0.11年延びる見通し。8月1日時 点での延びは0.10年だった。

ブルームバーグ米国債指数によれば、米国債の年初来リターンはマ イナス3.3%。8月だけではマイナス0.8%となっている。

7年債入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.43倍 と、2009年5月以来の低水準。過去10回の平均は2.65倍。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率は40.8% だった。過去10回の入札の平均は39.9%。

プライマリーディーラー以外の直接入札者の落札全体に占める比率 は22.4%。過去10回の平均は19.1%。

リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 7年債の年初来リターンはマイナス4.8%。米国債全体ではマイナ ス3.4%となっている。2012年のリターンは7年債がプラス3.9%、米国 債全体ではプラス2.2%だった。

この日の7年債入札を含め、今週は発行総額980億ドルの国債入札 が実施された。

米国債は今週初からシリアのアサド政権による自国民への化学兵器 使用疑惑を受け、米国、フランス、英国が軍事行動に出るとの観測から 上昇していた。

BNYメロン・キャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責 任者、ダン・マルホランド氏は「週末に攻撃があるかもしれないとの観 測が広がっている」と述べた。

原題:U.S. 30-Year Bonds Rise as Investors Seek Clarity on Syria Plans(抜粋)

◎NY金:続落、2週間ぶり大幅安-好調な経済指標で緩和縮小懸念

ニューヨーク金先物相場は続落。約2週間ぶりの大幅安となった。 米経済指標が市場予想を上回ったことを背景に、緩和縮小の正当性が裏 付けられたとの見方が強まった。

米商務省が発表した第2四半期の実質国内総生産(GDP、季節調 整済み、年率)改定値は前期比2.5%増。速報値は1.7%増だった。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は2.2% 増。米労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は33万1000件に減少した。前週は33万7000件だった。前日はシリ アの化学兵器使用に対する報復措置として米国と同盟国が軍事行動に踏 み切るとの懸念が高まり、金は一時、3カ月ぶり高値をつけていた。

エバーバンク・ウェルス・マネジメントのシニアマーケットストラ テジスト、クリス・ギャフニー氏は「GDPの数字は非常に好調で、9 月の緩和縮小シナリオが再び注目されている」と指摘。「シリア攻撃が 近いとの観測がきょうは後退しており、プレミアムが低下している」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.4%安の1オンス=1412.90ドルで終了。13日以来の大幅 下落となった。

原題:Gold Futures Drop Most in Two Weeks on Stimulus Tapering Concern(抜粋)

◎NY原油:反落、シリア攻撃目前との見方後退-緩和縮小観測

ニューヨーク原油先物相場は反落。シリア攻撃が差し迫っている との観測が後退し、前日の2年ぶり高値から下げた。米経済統計が予 想を上回ったことから、金融当局が刺激策を縮小するとの見方が強ま ったことも、売りを誘った。

英国とフランスはシリアの化学兵器使用の疑いをめぐる国連調査団 の報告を待ってから、軍事行動の是非を決定する意向を示した。4-6 月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から上 方修正された。先週の新規失業保険申請件数は予想以上に減少した。こ れらの統計を受けて、毎月850億ドル規模の債券購入プログラムが9月 に減額されるとの見方があらためて強まった。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「差し迫った攻撃リスクによる価格 プレミアムは縮小した」と指摘。「攻撃に踏み切るタイミングを見極め ようと、市場は再調整に入った。米経済は改善しつつあり、これで9月 の緩和縮小の確率は高まった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日 比1.30ドル(1.18%)安の1バレル=108.80ドルで終了。月間で は3.6%の値上がり。

原題:Crude Falls From Two-Year High as Syria Attack Concern Eases(抜粋)

◎欧州株:4日ぶり上昇、ボーダフォンが高い-米経済指標も好感

29日の欧州株式相場は4日ぶりに上昇。英携帯電話サービス会社ボ ーダフォン・グループが11年ぶり高値を付けたことを手掛かりに、指標 のストックス欧州600指数は月初来の下げを解消した。4-6月(第2 四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正さ れたほか、先週の米新規失業保険申請件数が予想を下回ったことも相場 の上昇要因となった。

ボーダフォンは8.2%の大幅高。同社は米携帯合弁会社ベライゾ ン・ワイヤレスの持ち分の売却をめぐり、合弁パートナーのベライゾ ン・コミュニケーションズと協議中であることを明らかにした。フラン スの小売り大手カルフールは7か月ぶりの大幅上昇。上期の増益が買い 材料。一方、スイスの保険会社チューリッヒ・インシュアランス・グル ープは2.5%安。ヨゼフ・アッカーマン会長の辞任が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%高の300.13で終了。過去3営 業日で2.2%下げ、前日終値は6週間ぶり安値となっていた。米国がシ リアに対し軍事行動を起こすとの懸念が背景にある。

メリテン・インベストメント・マネジメント(デュッセルドルフ) の欧州株アセットマネジャー、トビアス・ブリッチュ氏は電話インタビ ューで、「シリア危機が長期的に相場にそれほど大きい影響を及ぼすと は思わない」とし、「向こう6カ月から12カ月の株式相場については、 かなり楽観している。危機を脱してはいないが、以前よりも状況は良 い」と語った。

この日の西欧市場では、アイスランドとスイスを除く16カ国で主要 株価指数が上昇。英FTSE100指数は0.8%、仏CAC40指数 は0.7%、独DAX指数は0.5%それぞれ上げた。

原題:European Stocks Advance as Vodafone Surges on Talks With Verizon(抜粋)

◎欧州債:イタリア債続伸、入札と政治的緊張の緩和で-英独債も上昇

29日の欧州債市場ではイタリア国債が続伸。同国の政治的緊張が緩 和する中、この日の入札で5年債と10年債を計60億ユーロ発行したこと が手掛かり。

イタリア10年債利回りは前日付けたほぼ6週間ぶりの高水準から低 下。レッタ首相が不動産税の制度改正を了承したことを受け、ベルルス コーニ元首相率いる政党との関係が修復するとの観測が高まった。ドイ ツ国債も上昇。インデックス改定に伴う月末のポジション調整で、投資 需要が増えたことが手掛かり。英銀HSBCホールディングスは、域内 経済の改善を理由に、イタリアとスペイン国債の買いを推奨した。

ウニクレディトのシニア債券ストラテジスト、ルカ・カツラー二氏 は「全般に入札は順調だった」と発言。「前日の合意が政権内に一定の 協力関係があることを示した。これで政治的不安が若干取り除かれた。 こうした展開はまた、入札の環境改善にわずかながら貢献した」と続け た。

ロンドン時間午後4時36分現在、イタリア10年債利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.38%。前日 は4.48%と、7月18日以来の高水準となった。同国債(表面利 率4.5%、2023年5月償還)価格はこの日、0.285上げ101.34。

ドイツ10年債利回りは2bp下げて1.86%。この日は1.85-1.90% の間を行き来する展開だった。

英国債相場は上昇。10年債利回りは前日比2bp低下し2.78%。同 国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.185上げ95.375とな った。

原題:Italian Bonds Rise as Nation Sells Debt, Political Tensions Ease(抜粋) Pound Rises Most in 3 Weeks Versus Euro as Data Points to Growth(抜粋)

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