サマーズ氏、ハーバードの失敗が問う金利感覚-スワップで損失

米連邦準備制度理事会(FRB)の 次期議長の有力候補であるサマーズ元米財務長官は、革新的な金融戦略 をハーバード大学が立案した2004年当時、世界で最も資金が潤沢な同大 学の学長を務めていた。この金融戦略は最終的に欠陥が露呈した。

ハーバード大は手狭になったマサチューセッツ州ケンブリッジの本 キャンパスを補完するため、チャールズ川を挟んで反対側に位置するボ ストンに最新設備を備えた新キャンパスの建設を計画し、サマーズ学長 は同プロジェクトのために23億ドル(現在の為替レートで約2257億円) を調達する金融手法を承認した。

このデリバティブ(金融派生商品)契約は、サマーズ氏退任後の08 年に失敗が明らかになり、ハーバード大は解約のために9億ドル余りの 損失を被った。

FRBの元銀行検査官で、現在はボストン大学経営大学院で教壇に 立つマーク・ウィリアムズ氏は「この人物のリスク許容度を示す出来事 だ。ウォール街では結構だが、FRB議長としてそれでうまく事が運ぶ だろうか」と指摘する。

377年の歴史を誇るハーバード大の学長を務めれば、名声に磨きが かかるのが普通だろうが、サマーズ氏の騒々しい5年間は、傷心と物議 を醸す決定という負の遺産を残した。バーナンキFRB議長の後任に就 く可能性がオバマ大統領によって検討されている現在、そのような問題 が蒸し返されようとしている。

サマーズ氏は、女性の能力を問題視する05年のスピーチでの発言が 教授陣の反発を買い、翌年退任を余儀なくされた。同氏が去った後、金 利スワップを用いて大学の拡張資金を低利で確保しようとしたデリバテ ィブ契約の問題が発覚。08年の金融危機で流動性が逼迫(ひっぱく)し たハーバード大は、予定していた科学複合施設の建設中止に追い込まれ た。

サマーズ氏の広報を担当するケリー・フレンドリー氏は、サマーズ 氏がハーバードに残したスワップ契約を含む遺産についてコメントを控 えている。

原題:Summers Schooled by Rates at Harvard Now Wants Job Setting Them(抜粋)

--取材協力:John Lauerman. Editors: Mark McQuillan, Robin Meszoly

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