森本日銀委員:財政への信認が低下すれば長期金利上昇の可能性

日本銀行の森本宜久審議委員は29日 午前、盛岡市内で講演し、「わが国の財政は厳しい状況にあり、財政に 対する信認が低下するような場合には、長期金利が景気・物価と整合的 でない形で上昇する可能性がある」と述べた。

同委員は「金融緩和の効果を十分に発揮していく上で、財政の健全 化に対する市場の信認を確保していくことも重要な課題だ」と指摘。政 府において「今後も財政健全化に向けた努力が続けられるものと認識し ている」と語った。

予定されている2度の消費税率引き上げが日本経済に与える影響に ついては「駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、生産・所得・ 支出の好循環が維持される下で、基調的には潜在成長率を上回る成長を 続けると予想している」と述べた。

政府は今週、有識者を招いて来年度からの消費税率引き上げの是非 について、意見を聴取している。甘利明経済再生担当相は25日、NHK 番組「日曜討論」で、安倍晋三首相が消費税増税について10月上旬まで に判断するとの見通しを示した。

森本委員は米国で連邦準備制度理事会(FRB)の資産買い入れ減 額が議論されていることについては「背景には、米国経済が緩やかなが らも着実に回復していることがあり、そのこと自体は世界経済にとって プラス材料だ」と指摘。「FRBは雇用情勢の改善が継続することが実 際に資産買入れペースを調整していく前提であると繰り返し指摘してい る」と述べた。

その上で、「市場にもそうしたFRBの考え方は徐々に浸透しつつ あるが、市場参加者が資産買い入れ縮小を意識する中で、これまで投資 していた新興国・資源国市場などから資金を引き揚げる動きがみられ、 今後もそうしたリスクがある」と指摘。「世界経済の回復力はなおぜい 弱であり、急激な資金流出がみられた場合の金融資本市場や実体経済へ の影響にかかる不確実性は大きい」と述べた。

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