斉藤公明税調会長:法人減税も1つの方法-消費増税時の景気対策で

公明党の斉藤鉄夫税制調査会長(幹 事長代行)は、消費税率(現行5%)を予定通り来年4月から8%に引 き上げる場合、景気の腰折れを防ぐための下支え策として法人税の実効 税率引き下げも検討課題になり得るとの認識を明らかにした。28日のブ ルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

斉藤氏は、消費増税に伴う景気への懸念について「補正予算を組む とかいう形で手を打って消費税上げ、財政再建に向けての国の姿勢を示 すということも大切」と指摘。岩田一政元日銀副総裁ら民間のエコノミ ストが税制面での下支え策として提唱している所得税や法人税の減税に ついては「1つの方法だと思うが、どちらを取るかと言われたら法人実 効税率の引き下げを取りたい」と語った。

補正予算については消費増税で影響を受ける低所得者への「簡素な 給付措置」を含む「財政出動による景気対策」を念頭に置いているもの の、具体策は安倍晋三首相による消費増税に関する最終決断を待って検 討に入るという。

政府は26日から31日までの日程で消費増税に関する有識者からの意 見聴取を実施している。岩田元日銀副総裁は仮に予定通り増税する場合 の景気下支え策として14年度までとなっている復興特別法人税終了の1 年前倒しによる法人減税、所得税の一時的な減税などを提案。熊谷亮丸 大和総研チーフエコノミストも法人減税を主張した。

ただ、法人実効税率の引き下げについては麻生太郎副総理兼財務相 らが慎重な姿勢を崩していない。

3党合意

斉藤氏は1952年2月生まれの61歳。これまで党政調会長、環境相な どを歴任。昨年の民主、自民、公明3党による社会保障・税一体改革を めぐる税制分野の協議には公明党側の責任者として関わっており、イン タビューでは消費増税は予定通り実施すべきだとの考えを示した。

政府は消費税率を14年4月に3%、15年10月に2%引き上げて10% とする計画。岩田元日銀副総裁は同計画をそのまま実行するよりも、来 年度から毎年1%引き上げて5年間かけて10%にする方が個人消費に与 えるマイナス効果は小さいと主張。浜田宏一内閣官房参与は現在の政府 方針である2段階引き上げの時期をそれぞれ1年延期するか、1年に 1%ずつ増税する案を示した。

斉藤氏は、消費税を毎年1%ずつ5年間で5%引き上げる案につい ては「国民生活や中小零細企業に混乱をもたらすのではないか」と否定 的な考えを示した。税率を10%に引き上げる際の食料品などへの軽減税 率導入については今年末に策定する与党税制改正大綱に盛り込みたい考 えを強調した。

補正予算案提出の時期については「低所得者対策で8%段階では簡 素な給付措置を行うことが決まっており、いずれにしろ補正予算はつく る。通常国会冒頭は補正予算の審議になると思う」と述べ、来年1月召 集の通常国会になるとの見通しを示した。

実効税率

復興増税の上乗せ分と合わせると約38%と国際的に高い水準にある 法人実効税率については経済界が引き下げを求めているほか、経済産業 省も14度税制改正要望で「重要な課題」と明記している。ただ、復興増 税は15年3月までの時限措置のため、法人実効税率は同年4月からは 約35.6%に下がる予定。

斉藤氏は法人実効税率引き下げの必要性については「いずれはやら なければいけないことだから、前もってやるというようなことも方法と してあるのかもしれない」と指摘した。

望ましい税率については「いずれは韓国や台湾やシンガポール並み のレベルにしないと日本の企業も競争していけないという思いはある が、財政再建もあるのでそれとの兼ね合いだ」と述べるにとどめた。経 産省が自民党に26日提出した資料によると、韓国の実効税率 は24.20%、シンガポールが17.00%。

一方、斉藤氏は消費増税に伴い、段階的に廃止される自動車取得税 に代わる地方財源として総務省が検討している軽自動車税の増税につい ては「自動車取得に関わる税と保有に関わる税を簡素化していこうとい う大きな流れの中で増税ということは考えられない」と反対する意向を 示した。

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