8月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが上昇、シリア情勢で安全性高い資産へ逃避

28日のニューヨーク外国為替市場ではドルが1週間ぶり大幅高とな った。米国によるシリアへの軍事介入の可能性が高まってきたことから リスクを取った取引が敬遠され、投資家は安全性の高い資産を選好して いる。

オーストラリア・ドルは主要16通貨の大半に対して下げた。中東で の紛争が拡大するとの懸念から新興市場国通貨への需要が後退。トル コ・リラは最安値を更新した。29日には米実質国内総生産(GDP)が 発表されるが、市場予想では速報値からの上方修正が見込まれている。

三井住友信託銀行ニューヨーク・マーケットビジネスユニット・ト レジャリーチーム調査役、藤田善嗣氏(ニューヨーク在勤)は、地政学 的リスク要因の影響で地合いは非常に悪いと指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ米ドル指数 は0.4%高の1028.68。一時は0.5%高と、日中ベースでは21日以来で最 大の上げとなった。ドルは対円で0.6%上昇して1ドル=97円64銭。ド ルはユーロに対して0.4%高の1ユーロ=1.3339ドル。円はユーロに対 して0.2%安の1ユーロ=130円25銭。

トルコ・リラは最安値を更新。対シリア軍事行動によってトルコも 影響を受けるとの懸念が背景。国営TRTテレビによると、化学兵器に よる攻撃を恐れて、過去5日間でシリアから約4000人の難民がトルコに 避難した。トルコ・リラは対ドルで0.1%安の1ドル=2.0386リラ。一 時は2.0730リラと、ブルームバーグがデータを取り始めた1981年以降で 最安値となった。

JPモルガン・チェースのG7ボラティリティ指数は10.43に上昇 した。

ポンドが上昇

ポンドは対ユーロで一時の下げから上昇に転じた。イングランド銀 行(英中央銀行)のカーニー総裁が7月の就任後初めて政策について講 演し、フォワードガイダンス(時間軸政策)が景気回復の一助となると 述べたことに反応した。同総裁はまた、「不透明感を減らし、将来にお ける不可避の衝撃にもかかわらず成長が持続するよう、反発力を養うた めに可能な措置に力を入れている」と語った。

ポンドは対ユーロで0.3%高。一時は0.4%安まで下げていた。ドル に対しては0.1%安。

化学兵器を使用したとしてシリアを非難する国連安保理決議案にロ シアが反対すると、米国と英国は国連の承認がなくともシリアに対して 行動を取る用意があると述べた。これに反応してドルは上昇した。シリ ア政府は化学兵器の使用を否定している。

第2四半期の米GDP予想

ブルームバーグがまとめた調査によると、29日発表される第2四半 期の米GDPでは前期比年率2.2%増と、速報値1.7%増からの上方修正 が予想されている。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング (DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによ ると、外為オプションの店頭取引は合計250億ドル。前日は230億ドルだ った。対ユーロでのドルのオプション出来高は65億ドルで、シェア は26%と最大だった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初来で5.1%上昇。ユーロは6.4%上昇。一方、ドル は7.9%下げた。

原題:Dollar Up Most in Week as Syria Tensions Drive Flight to Safety(抜粋)

◎米国株:反発、エネルギー株に買い-シリア情勢に注目

米株式相場は反発。シリア情勢に注目が集まる中、エネルギー株に 買いが入った。

シェブロンとエクソンモービルが上昇。デジタル映像録画サービス のティーボは大幅高。損益が黒字になったことが好感された。一方、採 鉱機メーカーのジョイ・グローバルは下落。新機器への需要が減少して いることを明らかにした。7月の中古住宅販売成約指数が低下したこと を背景に、パルトグループとD.R.ホートンは下げた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1634.96と、100日移動平均 近辺で終えた。前日には6月以来で初めて同移動平均を下回っていた。 ダウ工業株30種平均はこの日、48.38ドル(0.3%)上げて14824.51ド ル。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド 最高投資責任者(CIO)は「前日の売り浴びせに対する小さな反動に すぎない」と指摘。「大きく売られた結果、一部の分野では投資の機会 が出始めていると考えられる。投資家は賢明にも、この機会を利用でき るかどうか見極めようとしている」と語った。

米英はこの日、国連安全保障理事会の承認なしにシリアへの軍事攻 撃に踏み切る用意があることを表明した。

米国は国連の承認がなくともシリアに対して「適切な」行動をとる と、国務省報道官が言明した。化学兵器を使用したとしてシリアを非難 する決議案にロシアは反対した。

「絶好の買い場」

フェデレーテッド・インベスターズのファンドマネジャー、ローレ ンス・クリアチュラ氏は電話インタビューで、「一つの材料に注目が集 まり、他の全てがそれに左右される環境下にあり、この日はそれがシリ アだった」と発言。「突然の予期せぬ紛争を嫌気した売りがその反応 だ。一時的な出来事に起因する株価の軟調は絶好の買い場になるケース がよくある」と述べた。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売成約 指数(季節調整後)は前月比1.3%低下と、今年に入って最も大きく下 げた。前月は0.4%の低下だった。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト調査の予想中央値では7月は前月比変わらずと見込まれていた。

S&P500種の全10セクターのうち、エネルギー株(1.8%高)を筆 頭に7種が上げた。シェブロンは2.5%、エクソンは2.3%それぞれ上昇 した。

ティーボ、ジョイ・グローバル

ティーボは5.6%上昇した。第2四半期は和解関連を含む2億6890 万ドルの純利益を上げた。前年同期は2700万ドルの損失だった。

ジョイ・グローバルは4.7%下落。同社の最高経営責任者 (CEO)は顧客のキャッシュフロー縮小により、設備投資が大幅に減 り、状況はますます厳しくなっているとの見解を示した。

原題:U.S. Stocks Advance as Energy Shares Gain Amid Syria Concern(抜粋)

◎米国債:下落、5年債入札で応札倍率が09年7月以来の低水準

米国債相場は5営業日ぶり反落。この日の5年債入札(発行額350 億ドル)で需要が4年ぶり低水準となったことを嫌気した。

5年債入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率が2.38倍 と、2009年7月以来の低水準だった。過去10回の入札の平均は2.74倍。 財務省はこの5年債について銘柄統合方式とし、表面利率1.5%で2011 年8月に発行した7年債と同一の債券として追加発行する。10年債利回 りはほぼ2週間ぶり低水準から上昇。29日発表される4-6月(第2四 半期)の米国内総生産(GDP)改定値は、速報値からの上方修正が予 想されており、金融当局が緩和策縮小を始めるとの観測が強まってい る。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「入札はあまり良くなかった」と指 摘、「市場参加者は金融当局からのより明確な情報を待っているところ だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、既発5年債利回りは前日比6ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の1.58%。過去3日間では16bp下げてい た。同年債(表面利率1.375%、2018年7月償還)価格は1/4下げて99 2/32。

10年債利回りは6bp上げて2.77%。

5年債入札

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の出来高は2920億ドルと、前日の3250億ドルから10%減少。年初来 の最高は5月22日に付けた6620億ドル。年初来の平均は3127億ドル。

5年債入札では、最高落札利回りは1.624%。直前の市場予想 は1.618%だった。

米財務省は発行する5年債について、11年8月発行の7年債(表面 利率1.5%)と同一の統一証券識別番号になると説明した。

モルガン・スタンレーのエコノミスト、テッド・ウィーズマン氏は 「予定外の銘柄統合は非常にまれであり、混乱要因ともなり得る。だが 今回の場合は大きな問題にはならないだろう」と指摘した。

5年債入札では、海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占 める比率は40.3%だった。過去10回の入札の平均は44.2%。

プライマリーディーラー以外の直接入札者の落札全体に占める比率 は12.7%。過去10回の平均は15.9%。

リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 5年債の年初来リターンはマイナス2.6%。米国債全体ではマイナ ス3.1%となっている。2012年は5年債のリターンはプラス2.3%、米国 債全体ではプラス2.2%だった。

米財務省はあす29日に7年債入札(発行額290億ドル)を実施す る。

ブルームバーグ世界債券指数によると、米国債の年初来リターンは マイナス3.1%。今月は前日までの段階でマイナス0.5%となっている。

原題:Treasuries Fall as 5-Year Note Auction Demand Lowest Since 2009(抜粋)

◎NY金:小反落、ドル上昇で3カ月ぶり高値から下げに転じる

ニューヨーク金先物相場は小幅反落。一時は3カ月ぶり高値をつけ たものの、ドルの上昇を背景に代替投資としての買いが後退し、下げに 転じた。

主要10通貨に対するブルームバーグ米ドル指数は一時0.5%高。米 国主導でシリア攻撃が行われるとの観測が高まる中、安全逃避資産の買 いが強まり、金は一時5月以来の高値に上昇した。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「ドルの 強さが金にはマイナスに働いている」と指摘。「市場は急上昇した後の 一服に入っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.1%安の1オンス=1418.80ドルで終了。一時は1434ドル と、5月14日以来の高値となった。

原題:Gold Futures Decline From Three-Month High on Stronger Dollar(抜粋)

◎NY原油:約2年ぶり高値、対シリア攻撃観測で供給不安

ニューヨーク原油先物相場は続伸。シリアの情勢緊迫化の影響が 広がれば、中東産原油の供給が脅かされるとの見方から、2011年 5月以来の高値を付けた。

ロンドンで取引される北海ブレント原油は6カ月ぶり高値に上昇。 ニューヨークではガソリン先物も買われた。シリアで化学兵器が使われ たとする問題で、米仏英は軍事行動に踏み切るための調整を進めてい る。ソシエテ・ジェネラルによると、供給に障害が生じた場合にブレン ト原油は1バレル当たり150ドルに達することもあり得る。リビアは生 産量が日量20万バレルを割り込んだ可能性があるとした。2011年にカダ フィ政権に対する反政府運動が激化して以来で最低の水準となる。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)で天然資源関 連の債券ポートフォリオを運用するマネジングディレクター、アダム・ ワイズ氏は「中東に対する不安感が今の市場に反映されている」と指 摘。「中東で、特にシリアとイランで緊張が高まれば、原油価格は上昇 すると考えられる。情勢の展開次第で価格が上振れすることはこの先多 いだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日 比1.09ドル(1.00%)高の1バレル=110.10ドルで終了。終値として は2011年5月3日以来の高値。年初からは20%値上がりしている。

原題:WTI Crude Surges to Two-Year High as Syrian Tension Escalates(抜粋)

◎欧州株:6週ぶり安値、シリア情勢で-アコーと航空株安い

28日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は6 週間ぶり安値を付けた。米国がシリアに対し軍事行動を起こすとの懸念 が高まった。

フランスのホテル運営会社、アコーは約1年2カ月ぶりの大幅安。 上期利益がアナリスト予想に届かなかった。英蘭系エールフランス・ KLMグループと独ルフトハンザ航空を中心に航空・娯楽関連銘柄が下 げた。一方、仏建設会社ブイグは6カ月ぶりの大幅高。第2四半期 の10%増益が好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%安の297.89で終了。これは先 月17日以来の安値。一時は1.1%下げた。欧州中央銀行(ECB)が示 した長期にわたり低金利を維持する方針を好感し、6月24日の年初来安 値からは8.1%上げている。

クーツ(チューリヒ)のノーマン・ビラミン最高投資責任者 (CIO、欧州担当)は電話インタビューで、「シリアやエジプトに関 する懸念で大事なのは原油相場の大幅上昇であり、特に新興市場、ひい ては西側諸国にも一段と大きな問題となる可能性がある点だ」と発言。 「この調整局面は、新規の買いを入れたい投資家に好機をもたらすだろ う」とも語った。

28日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が下落。仏 CAC40指数は0.2%、独DAX指数は1%それぞれ下げ、英 FTSE100指数は0.2%安となった。

原題:Europe Stocks Fall to Six-Week Low on Syria Concern; Accor Drops (抜粋)

◎欧州債:イタリア債反発、連立崩壊回避との楽観で-英独債下落

28日の欧州債市場ではイタリア10年債が4営業日ぶりに上昇 した。ベルルスコーニ元首相の盟友であるレナート・ブルネッタ氏 の発言で、連立政権の崩壊を回避できるとの楽観が高まった。

イタリア10年債利回りは6週間ぶりの高水準から低下した。 元首相率いる自由国民の幹部、ブルネット氏が同国で不評の不動産 税の一部は撤廃されると発言したため、自由国民が連立を離脱する との懸念が和らいだ。一方、ドイツ国債は米国債とともに下げた。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の欧州金利戦略責任 者、ルカ・イェリネック氏はイタリア国債相場について、「ベルル スコーニ陣営と与党が何らかの合意に至ることを示唆する発言内容 だったので、安心感で反発したようだ」と述べた上で、「政治的不 安を和らげる可能性はあるものの、取り除かれてはいない」と続け た。

ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年債利回りは前日比 4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.41%。一 時は4.48%と、7月18日以来の高水準に達した。同国債(表面 利率4.5%、2023年5月償還)価格はこの日、0.32上げ

101.055となった。

ドイツ10年債利回りは3bp上昇し1.88%。前日までの2 営業日で9bp下げていた。

英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニ ー総裁が就任後初めて政策について講演。この中で、リスク加重資 産の7%に相当する資本を保持する英銀を対象に、国債など売却が 容易で利回りが比較的低い証券の保有規模縮小を認めると述べたこ とが手掛かり。

英2年債利回りは前日比4bp上昇の0.46%。同国債(表面 利率4.75%、2015年償還)価格は0.085下げ108.64。この 日から指標となった10年債(表面利率2.25%、2023年9月償 還)の利回りは3bp上げ2.81%。

原題:Italian Bonds Rise as Tax-Deal Comments Calm Political Tension(抜粋) Pound Advances From 3-Week Low Versus Euro as Carney Sees Growth(抜粋)

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