米ネバダ州「合法売春宿」が風前の灯、インターネットに押され

ストリップショーのポールを囲むよ うに赤いベルベットのソファが並んだ薄暗い店内で、ブルック・テーラ ーさん(32)は「バーゲンセール」に励んでいる。

テーラーさんはネバダ州カーソンシティ郊外の「ムーンライト・バ ニー・ランチ」で働く売春婦だ。「たくさんのお客さんに来てもらいた くて、スペシャルサービスや割引をたくさん用意している」と、緑色の ミニのワンピースを着たテーラーさんは話した。

19世紀半ばの銀鉱山ブーム時に根付いたネバダ州の合法売春産業 に、当時の活気は見られない。業界ロビイストのジョージ・フリント氏 によれば、現在は約19の公認店が営業。1985年には36店前後が営業して いた。

景気の悪さと、ガソリン高騰によるトラック運転手の来店減少、イ ンターネット上の出会い系サイトの利用拡大が合法売春宿の衰退につな がっている。

リノから約24キロのスパークスにある「ムスタング・ランチ」のマ ダム、スーザン・オースティン氏(63)は「顧客が自由に使えるお金が 5、6年前より減っている。店に来ても、以前のような使い方はしな い」と話した。ムーンライト・バニー・ランチの経営者、デニス・ホフ 氏によれば、顧客は1回の来店で平均200-600ドル(約1万9500-5 万8600円)を使う。

業界の衰退を歓迎する向きもある。売春撲滅を目指す団体、プロス ティテューション・リサーチ・アンド・エデュケーションのエグゼクテ ィブディレクター、メリッサ・ファーリー氏は「合法的売春は売春に寛 容な空気を作り出す」と批判。「売春が深刻な害悪であることは証明さ れている」と断じた。

開拓時代からの伝統

しかし、売春宿が消えることは賭博の街ラスベガスに代表される罪 人たちの天国、ネバダ州の象徴的産業が失われることでもある。同州の 売春宿は開拓時代の米西部を織り成す一糸だと、ネバダ大学ラスベガス 校の社会学教授、バーブ・ブレンツ氏は述べた。

売春宿が下り坂にあるのは現実だが、売春そのものが衰退している わけではない。コロラド大学ボルダー校で法学を講じ、テクノロジーと 市場に関する著書があるスコット・ポペット氏によれば、売春はインタ ーネット上に場を移しつつある。「売春宿というのは仲介業者だが、そ の役割を今はインターネットが担いつつある」と同氏は述べた。

原題:Brothels in Nevada Suffering as Internet Disrupts Oldest Trade(抜粋)

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