NY外為:ドルが上昇、シリア情勢で安全性高い資産へ逃避

28日のニューヨーク外国為替市場で はドルが1週間ぶり大幅高となった。米国によるシリアへの軍事介入の 可能性が高まってきたことからリスクを取った取引が敬遠され、投資家 は安全性の高い資産を選好している。

オーストラリア・ドルは主要16通貨の大半に対して下げた。中東で の紛争が拡大するとの懸念から新興市場国通貨への需要が後退。トル コ・リラは最安値を更新した。29日には米実質国内総生産(GDP)が 発表されるが、市場予想では速報値からの上方修正が見込まれている。

三井住友信託銀行ニューヨーク・マーケットビジネスユニット・ト レジャリーチーム調査役、藤田善嗣氏(ニューヨーク在勤)は、地政学 的リスク要因の影響で地合いは非常に悪いと指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ米ドル指数 は0.4%高の1028.68。一時は0.5%高と、日中ベースでは21日以来で最 大の上げとなった。ドルは対円で0.6%上昇して1ドル=97円64銭。ド ルはユーロに対して0.4%高の1ユーロ=1.3339ドル。円はユーロに対 して0.2%安の1ユーロ=130円25銭。

トルコ・リラは最安値を更新。対シリア軍事行動によってトルコも 影響を受けるとの懸念が背景。国営TRTテレビによると、化学兵器に よる攻撃を恐れて、過去5日間でシリアから約4000人の難民がトルコに 避難した。トルコ・リラは対ドルで0.1%安の1ドル=2.0386リラ。一 時は2.0730リラと、ブルームバーグがデータを取り始めた1981年以降で 最安値となった。

JPモルガン・チェースのG7ボラティリティ指数は10.43に上昇 した。

ポンドが上昇

ポンドは対ユーロで一時の下げから上昇に転じた。イングランド銀 行(英中央銀行)のカーニー総裁が7月の就任後初めて政策について講 演し、フォワードガイダンス(時間軸政策)が景気回復の一助となると 述べたことに反応した。同総裁はまた、「不透明感を減らし、将来にお ける不可避の衝撃にもかかわらず成長が持続するよう、反発力を養うた めに可能な措置に力を入れている」と語った。

ポンドは対ユーロで0.3%高。一時は0.4%安まで下げていた。ドル に対しては0.1%安。

化学兵器を使用したとしてシリアを非難する国連安保理決議案にロ シアが反対すると、米国と英国は国連の承認がなくともシリアに対して 行動を取る用意があると述べた。これに反応してドルは上昇した。シリ ア政府は化学兵器の使用を否定している。

第2四半期の米GDP予想

ブルームバーグがまとめた調査によると、29日発表される第2四半 期の米GDPでは前期比年率2.2%増と、速報値1.7%増からの上方修正 が予想されている。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング (DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによ ると、外為オプションの店頭取引は合計250億ドル。前日は230億ドルだ った。対ユーロでのドルのオプション出来高は65億ドルで、シェア は26%と最大だった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初来で5.1%上昇。ユーロは6.4%上昇。一方、ドル は7.9%下げた。

原題:Dollar Up Most in Week as Syria Tensions Drive Flight to Safety(抜粋)

--取材協力:Cordell Eddings、Lucy Meakin、Lukanyo Mnyanda. Editors: Kenneth Pringle, Greg Storey

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