肥料王のウラルカリーCEO拘束、露・ベラルーシ関係に波紋

ベラルーシのテレビ番組で世界最大 の炭酸カリウムメーカー、ロシアのウラルカリーのウラディスラフ・バ ウムガートナー最高経営責任者(CEO)の姿が映し出された時、所在 地が明らかにされない刑務所の中庭を見て、アナトリー・レベコ氏 (52)はそれがどこであるかがはっきりと分かった。「アメリカンカ」 だ。

アメリカンカとは米国人女性を意味し、ベラルーシの首都ミンスク にある旧ソ連国家保安委員会(KGB)の刑務所の別名だ。ベラルーシ のルカシェンコ大統領は2010年の4選後、レベコ氏をはじめとする反対 勢力の指導者たちをここに収監した。ドイツのメルケル首相は昨年ベラ ルーシについて、ルカシェンコ大統領の下で「独裁と抑圧」に苦しめら れているとの見解を示した。ルカシェンコ氏は1994年からベラルーシの 大統領を務めている。

野党の一つを率いるレベコ氏は27日、ミンスクからの電話インタビ ューでKGB本部にある18の監房からなるこの施設について「ルカシェ ンコ大統領に反対する政治家や企業幹部が閉じ込められている」と指 摘。「夕食は塩漬けニシンかミルクスープだ」と振り返った。同氏は抗 議行動を主導したとしてアメリカンカに108日収監された。

ベラルーシ政府は26日、バウムガートナーCEOをミンスク空港で 拘束。政府は、同CEOが職権を乱用した疑いがあるとしている。同 CEOはウラルカリーと国営ベラルーシカリーの合弁会社であるベラル ーシ・ポタシュの会長も務めている。同CEOは7月30日、ルカシェン コ大統領が、ベラルーシカリーがベラルーシ・ポタシュの制約を受けず に肥料の一部を輸出することを認めた合意に「違反した」として合弁を 解消する方針を示していた。

この合弁会社はベラルーシ政府の歳入の約20%を占めていた。世界 銀行によれば、同国の1人当たり国内総生産(GDP)はロシアの約半 分。金利は30%、インフレ率は18%と、欧州でも最高水準の国の一つ だ。

11年にはロシアが中心となってベラルーシに30億ドル(現在のレー トで約2900億円)の救済融資を行っている。バウムガートナー氏には禁 錮10年が科される可能性がある。ロシアは、同氏の拘束とそれに伴うプ ロパガンダは両国の関係を損なう恐れがあるとして釈放を求めている。

原題:Potash King Becomes Hostage as Belarus Pokes Putin: Commodities(抜粋)

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