ドルは97円前半、シリア懸念でリスク回避-一時2週ぶり円高値

東京外国為替市場では、ドル・円相 場は1ドル=97円台前半を中心に取引された。シリア情勢の緊迫化を背 景とした世界的な株価下落を受けてリスク回避の動きが強まり、朝方に 約2週間ぶりの水準まで円高が進行。午後に入ってからは国内株価の下 げ幅縮小につれて、やや値を戻した。

ドル・円は午後に97円42銭まで戻す場面が見られ、3時15分現在 は97円30銭前後。シリアへの軍事介入懸念から安全資産として円が買わ れた前日の流れを引き継ぎ、朝方には一時96円82銭と12日以来の水準ま でドル売り・円買いが進んでいた。

JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFXストラテジスト は、「朝方はシリア情勢の緊迫化を受けて株価が軟調に始まり、円買い の動きとなり、ドル・円は下値を試した。その後は、株価が下げ渋り、 ドル・円相場ももみ合う展開」と説明。今後の展開については、「株価 次第か。シリア情勢で軍事行動が行われれば短期的にはリスクオフ(回 避)で、円ショート(売り建て)の巻き戻しから円が上昇しやすい。た だ、持続的なリスクオフの動きにつながるかは微妙」と語った。

この日の国内株式相場は続落。TOPIXは一時前日比2.7%安ま で下げ、終値は1.8%安の1114.03.日経平均株価は1.5%安の1万3338 円46銭で引けた。27日の米国市場では、株価が続落し、長期金利が低 下。ドル・円相場は、5営業日ぶりに97円台を割り込んだ。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長によると、「ドル・円は一 時99円台まで進み、ドル・ロング(買い建て)があるので、その解消の 動きもあって、円高進行が速かった」という。

シリア情勢

米英仏の3カ国では、シリアに対する軍事行動の正当化に向けた法 的な地ならしや軍隊の移動が進められている。オバマ米大統領は軍事行 動に向けた準備の一環として、21日のダマスカス近郊での化学兵器攻撃 疑惑に関する情報当局の評価報告書を週内に公表する計画。オバマ政権 は米議会指導部との協議も始めている。キャメロン英首相はシリア問題 を審議するため、夏休み中の議会を予定より早く招集すると発表した。

野村証券国際政治アナリストのアラステア・ニュートン氏は27日付 リポートで、「アサド政権に対する警告として、何らかの1回限りの攻 撃が行われる可能性が最も高い」と予想する。また、限定的な攻撃であ れば、「金融市場への直接的な影響は限られよう」とも指摘した。

同時刻現在のユーロ・円相場は1ユーロ=130円18銭前後。朝方に は一時129円66銭と20日以来の水準まで円が買われた。ユーロ・ドル相 場は1ユーロ=1.33ドル台後半で推移した。今晩の海外市場では、カー ニー英中央銀行総裁が講演するほか、7月の米中古住宅販売成約指数が 発表される。

市場では、米量的緩和(QE)の行方が引き続き焦点となる中、住 宅関連指標の発表が注目されている。ブルームバーグ予測調査による と、7月の米中古住宅販売成約指数は前年比7.9%増加が見込まれてい る。6月は同9.1%増加だった。

上田ハーロー外貨保証金事業部の吉松武志氏は、7月の米中古住宅 販売に関して、「前回の結果や市場予想を下回る可能性があるとみてお り、その場合、量的緩和縮小観測は後退し、米長期金利の低下が予想さ れることからドルは一段安となる可能性がある」と見込んでいる。

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