米英仏が対シリア軍事行動に近づく、中国は反論

米英仏の3カ国はシリアに対する軍 事攻撃に近づいた。行動を正当化するための法的な地ならしや軍隊の移 動が進められている。

米英当局者によると、いかなる武力攻撃もシリアの兵器能力に的を 絞るものであり、シリアのアサド大統領の退陣を目指すものではないと いう。

キャメロン英首相はロンドンで、行動指針はまだ何も決まっていな いと述べた上で、合法的かつ適切なものになると説明。「これは中東戦 争でないと同時にシリア紛争でもない」とし、「化学兵器の使用への対 応であり、国際社会としてこの使用を抑止するものだ」と強調した。

反体制派によると、ダマスカス近郊での先週の化学兵器攻撃で は1300人以上が死亡。この事件を機に国際社会に対し、2年半にわたる シリアの内戦への一段の介入を求める声が高まっている。

オバマ米大統領は地ならしの一環として、今月21日のダマスカス近 郊での化学兵器攻撃疑惑に関する情報当局の評価報告書を週内に公表す る計画。オバマ政権は米議会指導部との協議も始めている。キャメロン 首相はシリア問題を審議するため、夏休み中の議会を予定より早く招集 すると発表した。

アジアを訪問中のヘーゲル米国防長官は英BBC放送に対し、米軍 部隊の「準備は整っている」と語った。キュビット英首相報道官はロン ドンで記者団に対し、英国軍が緊急事態計画を策定していることを明ら かにした。米当局者が匿名を条件に語ったところによると、シリア上空 での飛行禁止区域の設定や地上部隊の投入は検討されていない。

バイデン米副大統領は27日、「罪のない男女や子供がシリアで化学 兵器の犠牲になったことを疑う者はいない」と述べ、「化学兵器の許し 難い使用について誰に責任があるのかも疑念の余地はない。シリア政府 にある」と言明した。

G20

シリアへの対応は、ロシアのサンクトペテルブルクで9月5、6両 日開催される20カ国・地域(G20)首脳会議で焦点となりそうだ。主催 国ロシアのプーチン大統領は国連安全保障理事会でシリアに対する国連 の行動に拒否権を発動し阻止した経緯があり、化学兵器による攻撃が実 施されたとの主張に疑問を呈している。

米当局者1人が匿名を条件に語ったところによると、いかなる決定 や軍事対応の時期についても首脳会議の日程とは関係がないという。

こうした欧米の姿勢に中国は反対の構えを示唆している。共産党機 関紙、人民日報は28日の論説で、全ての事実が判明する前に一部の大国 がシリア政府に対して「裁断」を下したと指摘。どんな行動も化学兵器 使用疑惑に関する信頼できる調査結果に照らしてのみ取られるべきだと 論じた。

国連調査団

軍事攻撃は化学兵器使用の証拠を探している国連の調査団が域外に 出るまで先延ばしされる公算が大きい。調査団は国連当局者に対し作業 完了にはあと4日が必要だと伝えている。アサド政権は政府軍が化学兵 器を使用したとの疑惑を否定している。

ロシア非常事態省が27日に発表したところによると、同国は自国民 約80人をシリアから空路で避難させており、さらに航空機を現地に派遣 する可能性がある。

シリアのムアレム外相は27日、ダマスカスでの記者会見で「戦争の ドラム音がわれわれの周辺で広がるのを耳にしている」と述べた上で、 「われわれには防衛する手段があり、それを使って意表を突くだろう。 勝利を信じなければならない」と強調した。

オバマ大統領はここ数日間、キャメロン首相やオランド仏大統領、 カナダのハーパー首相、オーストラリアのラッド首相と電話で協議し た。政権当局者によると、米政府はアサド政権が化学兵器を使用したと 1週間以内に正式に宣言する公算が大きい。

オランド大統領は27日、シリアの部隊による化学兵器の使用が「報 復を受けないことはあり得ない」と発言。アラブ連盟はカイロでの会合 後、シリア政府が「この残忍な犯罪について全面的な責任を負う」との 見解を示した。

原題:U.S. Moving With Allies Closer to Military Strike on Syria (1)(抜粋)

--取材協力:Dana El Baltaji、Margaret Talev、Indira A.R. Lakshmanan、Tony Capaccio、Nicole Gaouette、Thomas Penny. Editors: Joe Sobczyk, Larry Liebert

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