債券は上昇、シリア懸念受けた米債高・株安で-先物は3カ月ぶり高値

債券相場は上昇。シリア情勢の緊迫 化で前日の米国債相場が続伸したことに加えて、国内株安や債券需給の 良好さを背景に買いが優勢となった。先物は約3カ月ぶり高値を更新 し、長期金利は約1週間ぶり低水準を付けた。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比24銭高の144円23銭で開 始し、午前は144円25銭前後でもみ合いが続いた。午後に入ると、株安 加速を背景に水準を切り上げ、一時は144円36銭と中心限月で5月10日 以来の高値を記録。結局は30銭高の144円29銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の329回債利回 りは同2ベーシスポイント(bp)低い0.72%と21日以来の低水準で開始。 一時0.73%に低下幅を縮めたが、午後に入ると再び0.72%に下げた。5 年物の113回債利回りは1.5bp低い0.275%。20年物の145回債利回り は2.5bp低い1.655%。30年物の39回債利回りは3bp低い1.765%と13日 以来の低水準を付けた。

メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは、世界的に リスク回避の動きが強まる中、もともと需給環境が良好な国内債相場を 押し上げていると指摘。現物債市場について、「超長期ゾーン中心に需 給は良好。きのう20年債入札を無難に通過したほか、月末接近に伴い保 有債券の年限長期化の買いの期待がある」とも話した。

27日の米国債相場は続伸。米10年国債利回りは前日比8bp低下 の2.71%程度。シリアへの軍事攻撃の可能性が高まったことや2年債入 札(発行額340億ドル)が順調だったことが手掛かり。一方、米国株相 場は続落。この日の東京株式相場は続落し、TOPIXは前日比1.8% 安の1114.03で引けた。一時は2.7%安となる場面もあった。

リスク回避は継続との見方

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、29日にシリア攻撃の可 能性が取り沙汰されていると指摘。「攻撃決定が先延ばしされたり、攻 撃された場合はその後の収拾の図り方を見極める必要があることも踏ま えれば、今週中はリスクオフ(回避)の流れを変えるのは難しい」との 見方を示した。「地政学問題が長引くと原油高を通じて、企業・消費者 のセンチメントを悪化させるという直接的な弊害もある」とも言う。

財務省は29日午前、2年利付国債(9月発行)の価格競争入札を実 施する。新発2年債利回りは0.11%付近で推移しており、表面利率(ク ーポン)は前回債と同水準の0.1%が見込まれている。発行額は2 兆9000億円程度。

2年債入札について、ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア 円債ストラテジストは、2年債利回りは直近では0.11%で安定的に推移 しているとし、「余剰資金の受け皿としての需要は強く、無難な結果と なりそうだ」と指摘した。

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