【コラム】シリアへのミサイル攻撃が最善策でない理由

シリアへのミサイル攻撃は一体何を 達成しようと意図したものなのだろうのか。

ホワイトハウスで現在検討中の攻撃には、シリアの政権交代を早め ようとする意図がないのは明らかだ。反体制派によれば、先週の攻撃で シリア政府は化学兵器を使用、1300人以上の国民が死亡した。オバマ政 権がシリアの政権交代を目標にしている兆候は見られないし、限定的攻 撃では恐らくその目標は実現できないだろう。

あるいは、化学兵器を使って自国の子供たちを殺害するという衝動 は何とか抑えてもらい、その代わり銃弾や爆弾で子供たちを殺すだけに とどめるべきだとのシグナルを残忍なアサド大統領に送ることを意味し ているのだろうか。もちろんそんな卑劣なことは意図していないだろ う。アサド政権は銃や爆弾を効果的に使って2年以上も外国からの干渉 を受けなかった。ただ、限定的攻撃の帰結として、そうしたことになる かもしれない。

今週になってアサド大統領のやるべき計画は4倍に増えた。身をか がめ、間近に迫ったいかなる攻撃も乗り切り、地下避難所から姿を現し て対米勝利を宣言し、米国の攻撃の教訓をひそかに学ぶということだ。

レッドライン

オバマ大統領は化学兵器の使用を「越えてはならない一線(レッド ライン)」と呼んだ。事態の流れやそれに伴う国際社会の不安のレベル 次第では、オバマ政権が「オペレーション・レッドライン」に労力を費 やしてしまい、さらなる攻撃を近く行うことはないとアサド大統領は判 断するかもしれない。

ミサイル攻撃が最善策ではないかもしれないのはこうした理由から だ。まだましな案があるとすれば、それは米国がアサド政権の排除に向 けて全力を尽くすことだ。それには米国による直接の軍事行動は必要な い。同盟諸国と協力しながらイスラム聖戦士集団を隅に追いやり、シリ アの反体制派に非聖戦士集団の派閥を構築するという課題に取り組む長 期的で複雑なプログラムが必要だ。この課題は最初からやるべきだっ た。

これを良い案だと見なせるだろうか。2011年なら名案だっただろ う。今は有益ではあっても危険なアイデアだ。それでも1回限りのミサ イル攻撃ほどの危険性はない。そうした攻撃は死者が果てしなく増える ことにつながるからだ。

(ジェフリー・ゴールドバーグ氏はブルームバーグ・ビューのコラ ムニストです。同氏のツイッターはここをクリックして下さい)

原題:Why a Missile Strike on Syria Could Make Things Worse(抜 粋)

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