オバマ政権に外交上最大のジレンマ-シリアの化学兵器使用で

オバマ米大統領は政権発足後で最も 困難な外交上のジレンマに直面している。シリアのアサド政権が罪のな い市民に化学兵器を使用したとの結論にオバマ大統領はどう対応するか 判断を迫られている。

ケリー米国務長官は26日、「世界で最も凶悪な兵器を世界で最も弱 い人々に使用する者に責任がある」とオバマ大統領が確信していると述 べた。カーニー大統領報道官の記者団への説明によると、オバマ大統領 はどんな行動を取るべきかについて決断をまだ下していない。

米国と英仏などの関係国はシリアの部隊が先週、ダマスカス近郊で 化学兵器による攻撃を行ったと断定。一部の反体制派は先週の攻撃 で1300人が死亡したと主張している。オバマ大統領は以前に、こうした 行動は「越えてはならない一線だ」と警告していた。

外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース会長はCFRのウ ェブサイト上のブログで「オバマ政権はほとんど自ら招いた重大な窮地 に陥っている」と指摘。「米国の大統領は何かが一線を越えたと発言し た後、業務を通常通り継続することはできない」と述べた。

化学兵器の使用を「越えてはならない一線」と呼びながら強力な対 応を講じなければ、残虐行為への対応が鈍いと米国は激しい非難を受け るリスクがある上、シリアのアサド政権の部隊や支持勢力による残虐行 為の継続を促すことになる。

大統領が巡航ミサイル攻撃などの軍事行動を命じれば、米国は国民 の支持がほとんどない中で、新たな中東での戦争に巻き込まれる可能性 がある。軍事行動によって、アサド政権と戦うアルカイダ系のイスラム 過激派を意図せぬ形で支援することにもなりかねない。そうなればアサ ド政権が支援するレバノンのイスラム武装組織ヒズボラなどの報復テロ 攻撃の引き金となり、不安定なイスラム社会でさらに反発が生じる恐れ がある。

米上院外交委員会に所属する共和党のボブ・コーカー筆頭理事は26 日にMSNBCに対し、ホワイトハウス当局者との協議の踏まえて米国 の軍事行動が「差し迫っている」との見通しに至ったと語った。

原題:Obama’s Syria Response Poses Toughest Foreign Policy Challenge(抜粋)

--取材協力:Robert Hutton、John Walcott、Terry Atlas. Editors: John Walcott, Larry Liebert

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