さらばバカンス-金融危機が欧州首脳らから奪った長い夏休み

世界金融危機の最初の兆候が表れた 6年前の真夏、欧州で一つの常識が姿を消した。国家元首らが長い夏休 みを享受するという、公然の取り決めが過去のものになって久しい。

今年の夏、景気回復の足場がなかなか固まらない中で、フランスの オランド大統領は1週間の休みをパリから車で20分の政府保有の施設で 過ごし、閣僚らにもパリから通勤圏内にとどまることを命じた。イタリ アではレッタ首相か副首相のいずれかが8月中はローマにいるよう、首 相自らが段取りを整えた。債務危機の震源地であるギリシャではサマラ ス首相がわずか4日の夏休みの間にも、国有資産売却基金のトップ更迭 という仕事をこなした。

6年前、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ前総裁の夏休みをフラ ンクフルトからの1本の電話が台無しにした。BNPパリバのヘッジフ ァンド3本の苦境が短期金融市場を凍結させたというこの電話は、その 後に続く世界金融危機の幕開けだった。

16年の在任期間中の大半を通じて4週間の夏休みをオーストリアな どで過ごしたコール元独首相や、2週間で1万1000人以上の死者を出し た猛暑を避けて2003年の夏をカナダで過ごしたシラク元仏大統領らが享 受した優雅な時代は過去のものになった。

トリシェ前総裁は07年8月に休暇先からファクスで関係者に指示を 送り、危機との闘いの火ぶたを切った。翌年08年8月、世界の当局者ら はリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻前の数週間を携帯端末 をにらみながら過ごした。11年夏には、7月末の欧州の首脳会議を受け た相場急落でスペインのサパテロ首相(当時)は休暇を途中で切り上げ た。12年8月にはドラギ総裁が約束した債券購入の計画をまとめよう と、ECB当局者らが各地を行き来し調整に余念がなかった。

45日の年次休暇

欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のフレドリク・エリクソン 所長は電話インタビューで、「危機が欧州首脳らの休暇短縮のトレンド を作った」と話した。

ただ、首脳らが休暇を短縮しても他の政治家や官僚らが追随すると は限らない。議会の夏季休会には変わりはなく、公務員もそれぞれ休暇 を取る。フランス財務省の年次休暇日数は45日、ベルリンのドイツ公務 員は30日だ。

原題:Hollande Bids Adieu to EU Vacation Culture as Crisis Lingers(抜粋)

--取材協力:Maria Petrakis、Georgios Georgiou、Eleni Chrepa、Angeline Benoit、Rainer Buergin、Tony Czuczka、Brian Parkin、Leon Mangasarian、Rebecca Christie、Robert Hutton、Kati Pohjanpalo、Kasper Viita. Editors: Leon Mangasarian, John Fraher

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