緩和縮小に近づくFRB、政策協調求める国際的要請を一蹴

米連邦準備制度理事会(FRB)の 当局者は、金融刺激策を縮小する際に新興国への副次的影響に考慮する よう求める国際的な要請を一蹴した。

24日閉幕した米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれていたカ ンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでは、FRBの債券購入策 の縮小がトルコやインドなどの途上国からの資金の大量流出と借り入れ コストの上昇を招いて新興国経済に打撃を与えるリスクが主要な議題と なった。新興国株の指標は先週2.7%下落し、2カ月で最大の下げを演 じた一方、米S&P500種株価指数は0.5%上昇した。

しかし、こうした新興国の株安をFRB当局者は問題視していな い。当局者は月間850億ドルの資産購入策の縮小開始時期の検討に当た って注目するのは米経済だけだと述べている。当局者は新興国に自衛を 勧めたものの、国際通貨基金(IMF)やメキシコ中央銀行のカルステ ンス総裁からは世界の経済成長を守るためにFRBの意図をより詳しく 説明するよう圧力をかけられている。

アトランタ連銀のロックハート総裁はブルームバーグテレビジョン とのインタビューで、「FRBは議会に支配される法的組織であり、米 国の利益を念頭に置いた責務だけを負うことを忘れてはいけない」と述 べ、「他国は自国経済に重要なことであれば、それを現実と受け止めて 調整する必要がある」と語った。

セントルイス連銀のブラード総裁はブルームバーグラジオとのイン タビューで、政策の主目的は国内経済だと述べ、「新興市場のボラティ リティ(変動性)だけに基づいて政策を策定することはない」と指摘し た。

バーナンキ議長欠席

今回のシンポジウムにはバーナンキFRB議長は欠席した。「非伝 統的金融政策の世界的側面」をテーマにした参加者の議論は、国際的問 題に焦点が絞られた。景気減速に見舞われる新興市場はFRBによる緩 和策縮小のシグナルを受けた投資マネーの逆流で苦しい状況にあるだけ に、テーマは時宜を得たものだった。

スタンフォード大学のジョン・テーラー教授は、FRBをめぐる 「懸念が強まっている」と指摘。「世界35の中銀がこの会合に代表を送 った。彼らの多くはFRBの出口戦略による自国への影響を心配してい る」と述べた。

ブルームバーグの集計データによると、バーナンキFRB議長が債 券購入の縮小の可能性を示唆した5月以降、新興国の株式時価総額は1 兆ドル余り減少した。MSCI新興市場指数は今年、約12%下落した一 方、MSCIが算出する先進国株の指標は13%上昇している。新興国の 通貨で売買が活発な20通貨は過去3カ月に約4%下落しており、これら の国の当局者は経済への影響を回避する行動に乗り出している。

FRBに金融政策の透明性拡大を求めているメキシコ中銀のカルス テンス総裁は、「今最もインパクトがあるのは、緩和策縮小をより良 く、より明確に実行することだろう」と指摘。緩和策縮小の議論が浮上 して世界の金融市場が動揺したことに言及し、先進国の出口戦略に対応 することは「新興国にとって喫緊の課題だ」と述べた。

同総裁はさらに、「金融政策の協調が望ましい。先進各国の中銀が 異なる方向に進めば、不安定の源泉になりかねない」と付け加えた。

原題:Fed Officials Rebuff Coordination Calls as Stimulus Taper Looms(抜粋)

--取材協力:Michael McKee、Sara Eisen、Vonnie Quinn、Kathleen Hays、Sandrine Rastello. Editors: Brendan Murray, Kevin Costelloe

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