8月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、根強い9月緩和縮小観測-トルコ・リラ下落

26日のニューヨーク外国為替市場でドルが主要16通貨の過半数に対 して上昇した。朝方発表された米耐久財受注が予想より悪かったもの の、市場参加者の間では引き続き米金融当局が来月の会合で債券購入の 縮小を決定するとの見方が維持された。

ブルームバーグ米ドル指数は上げ幅を縮小。ケリー米国務長官はオ バマ大統領が国民への化学兵器の使用という「倫理に反する卑劣な行 為」についてシリア政府に責任を取らせると述べた。トルコ・リラは最 安値を更新。同国中銀は6日ぶりにレポを再開した。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の 調査責任者、ダン・ドロー氏は、「明らかに弱い経済統計だった。市場 の直後の反応は正しかった」と述べ、「しかしこれは9月の緩和策縮小 という大筋の見方を変えるほど十分な材料なのだろうか。ドルが上げを 取り戻したことからも分かるように、この統計は緩和縮小見送りに至る 決定的な材料ではない」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ米ドル指数 は0.1%上昇して1027.53。ドルは対円で0.2%下げて1ドル=98円51 銭。一時は0.6%まで下げた場面もあった。ドルは対ユーロで0.1%上昇 して1ユーロ=1.3368ドル。ユーロは対円で0.3%安の1ユーロ=131 円69銭。ロンドン金融市場は祝日で休場。

米国のシリア介入の可能性

ケリー長官はワシントンで記者団に対し、オバマ大統領は「世界で 最も不安定な状況に置かれている人々に対して、最も凶悪な武器を使用 する勢力がいるのであれば、彼らはその責任を負うべきであると確信し ている」と述べた。

匿名を条件に内部事情を語った米政権当局者によると、大統領はシ リアに軍事行動を起こすかどうかは決定していない。

トルコ・リラはドルに対して0.5%安の1ドル=1.9967リラ。一 時1.9995リラの最安値まで下げた。

イスタンブールのING銀行で通貨トレーディングの責任者を務め るバーチン・メチン氏は「中銀が流動性を供給した。これはネガティブ な材料だ」と述べ、「今のところリラについて前向きになれる理由は何 もない」と続けた。

米耐久財受注統計

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング (DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによ ると、外為オプションの店頭取引は合計160億ドル。前営業日は170億ド ルだった。この日の総額のうち対円でのドルのオプション出来高は46億 ドルで、シェアは29%と最大。

ドルは一時、耐久財受注統計を手がかりに売られていた。米商務省 の発表によると、製造業耐久財受注額は7月に前月比で7.3%減少 と、2012年8月以来で最大の減少率となった。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想中央値は4%減だった。前月は3.9%の増加だっ た。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は、統計内容が「第3四半期は全体的な企業設備投資が一部の予想 よりもある程度軟調なペースになる可能性があることを示している」と 述べ、「必ずしもドルがこれ以上大きく下落するとはみていないが、こ の日はこれ以外に材料がないので、短期的にはドル売りの材料にはな る」と指摘した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初から4.9%上昇、ユーロは6.4%上昇、円は9%下げ ている。

原題:Dollar Advances With September Taper Seen Intact; Lira Slumps(抜粋)

◎米国株:反落、米国務長官のシリア政府非難で不安心理高まる

米株式相場は3営業日ぶりに下落。オバマ米大統領は化学兵器使用 についてシリア政府に責任を負わせる意向だとのケリー米国務長官発言 を受け、下げに転じた。

タイソン・フーズは大幅安。バンク・オブ・アメリカ(BOA)の アナリストが同社の投資判断を引き下げた。トウモロコシ加工最大手の アーチャー・ダニエル・ミッドランド(ADM)も安い。中西部の高 温・乾燥気候で収穫が減少するとの懸念が背景にある。一方、バイオテ クノロジー企業のアムジェンは大幅高。同社はがん治療薬メーカーのオ ニキス・ファーマシューティカルズを104億ドルで買収すると発表し た。

S&P500種株価指数は前営業日比0.4%安の1656.78で終了。ダウ 工業株30種平均は64.05ドル(0.4%)下げて14946.46ドルで終えた。

ノースコースト・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 フランク・インガーラ氏は電話インタビューで、「混乱が生じて報復が 起こり、米資産に影響が出るようなら、市場はやや不安になるだろう」 と発言。「状況はやや後退しており、リスクを外す動きとなっている」 と述べた。

オバマ大統領は同盟国や米議員と協議しており、「世界で最も危険 な武器を使用した責任の所在を明らかにするべきだと信じている」とケ リー国務長官は述べた。

同長官はワシントンで記者団に対し、「どのような基準でも許され 難いことだ」と発言。1300人以上が死亡したとシリアの反政府勢力が非 難した先週の攻撃について、アサド政権の責任を「否定しようがない」 証拠があると指摘した。

耐久財受注

7月の耐久財受注額の減少を受け、金融緩和の規模縮小時期が遅れ るとの思惑から株式相場は堅調に推移していたが、ケリー長官の発言で 一気に下げに転じた。

商務省の発表によると、製造業耐久財受注額は7月に前月比 で7.3%減少と、2012年8月以来で最大の減少率となった。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト予想中央値は4%減だった。前月は3.9% の増加だった。航空機のほか、コンピューターや電子機器などの資本財 の受注が減少した。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティール 最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「緩慢な回復を示す 指標が増えた」と指摘。「米金融当局の姿勢がデータ次第であることを 考えると、引き締めの度合いが強まるよりは、むしろ弱まる可能性の方 が高そうだ」と述べた。

緩和縮小観測

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内に緩和縮小 を始める可能性を最初に示唆した5月以降、緩和をめぐる思惑に株価は 左右されている。ブルームバーグが9-13日に実施したエコノミスト調 査によると、緩和縮小の開始が9月17-18日の連邦公開市場委員会 (FOMC)になるとの回答は65%だった。

ブルームバーグのまとめによると、今月の米証券取引所の出来高は このままいけば少なくとも過去5年で2番目の低水準となる。今月は1 日当たり平均で約55億株。この日は約47億株と、3カ月平均を24%下回 った。

S&P500種のセクター別では全10業種のうち9業種が下落。通信 サービスや生活必需品株が特に下げた。プロクター・アンド・ギャンブ ル(P&G)は1.8%安と、ダウ平均の構成銘柄の中で下げが最もきつ い。AT&Tやベライゾン・コミュニケーションズも下げた。

タイソン・フーズは7.3%安。BOAのメリルリンチ部門はタイソ ンの投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。株価は今年に入 り62%上昇している。

アーチャー・ダニエルは4.9%下落。クラフト・フーズ・グループ は5月以来の安値。

原題:U.S. Stocks Fall as Kerry Says Syria to Be Held Accountable(抜粋)

◎米国債:10年債利回りが2年ぶり高水準付近から低下-シリア情勢

米国債市場では10年債利回りが2年ぶり高水準付近から低下。シリ ア情勢をめぐるケリー米国務長官の発言に反応した。ケリー長官はオバ マ大統領が、国民への化学兵器の使用という「倫理に反する卑劣な行 為」についてシリア政府に責任を取らせると述べた。

利回りは3営業日連続での低下となった。7月の米製造業耐久財受 注が予想以上に減少し、金融当局が債券購入プログラムを縮小させると の観測が後退したことも手掛かり。米財務省は今週、2年、5年、7年 債の入札(発行総額980億ドル)を実施する。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「中東情勢がエスカレートす るとの懸念が広がっている」とした上で、「ケリー国務長官の発言を受 けて米国債相場はさらに堅調となった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)低下の2.79%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償 還)価格は1/4上げて97 17/32。

利回りは一時2.78%と、16日以来の低水準を付けた。22日に は2.93%と、2011年7月以来の高水準を付けていた。

シリア情勢

ケリー長官は、先週ダマスカス郊外で住民に対して化学兵器が使用 された証拠に「疑いの余地はない」と言明。アサド政権は毒ガス兵器を 所持しており、使用する能力があると述べた。化学兵器による攻撃が行 われたとの報道は捏造(ねつぞう)だとする意見には根拠がないと指摘 した。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の出来高は1860億ドルと、23日の3350億ドルから44.5%減少。年初 来の平均は3140億ドル。

ブルームバーグ米国債指数によれば、米国債の年初来リターンはマ イナス3.6%。8月だけではマイナス1.1%となっている。

国債入札

米財務省は27日に2年債(発行額340億ドル)、28日に5年債 (同350億ドル)、29日に7年債(同290億ドル)の入札を実施する。

同省は今回、2年債入札の規模を10億ドル縮小する。2010年10月以 降は毎月350億ドル発行していた。5年債と7年債については、発行額 は2010年以降変わっていない。

財務省は7月31日、財政状況が改善するのに伴い固定利付債入札の 規模を段階的に縮小するとの見通しを示した。7月の財政赤字は976億 ドルで、今年度7月までの累計は6074億ドルとなった。7月までの累計 としては2008年以来の低水準。

米商務省の発表によると、製造業耐久財受注額は7月に前月比 で7.3%減少と、2012年8月以来で最大の減少率となった。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト予想中央値は4%減だった。前月は3.9% の増加だった。

原題:Treasury Yields Drop From Almost 2-Year High on Syria, Fed Plans(抜粋)

◎NY金:反落、ドル上昇で代替投資が減退-2カ月ぶり高値から下落

ニューヨーク金先物相場は反落。一時は2カ月ぶり高値をつけたも のの、ドルの上昇を背景に代替投資としての金買いが後退した。

主要10通貨に対するブルームバーグ米ドル指数は一時0.3%高。金 は今年に入って17%値下がりしている。ドルが同期間に4.2%上昇して いることや、米金融当局が緩和策を縮小するとの懸念が背景にある。

T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポート セントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「ド ルが上昇しているため、金は軟調に推移している」と指摘。「米緩和縮 小のタイミングについて、明確な意思表示が求められている」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前週末比0.2%安の1オンス=1393.10ドル。一時は1407ドルと、 6月7日以来の高値をつけた。

原題:Gold Drops From Two-Month High as Stronger Dollar Crimps Demand(抜粋)

◎NY原油:反落、米経済統計の悪化で-リビアの港再開も圧迫

ニューヨーク原油先物相場は反落。米製造業耐久財受注が予想以上 に減少したことを受け、3営業日ぶりに下落した。リビアで閉鎖されて いた港が操業を再開したことも、売りを誘った。

米商務省の発表によると、製造業耐久財受注額は7月に前月比 で7.3%減少と、2012年8月以来で最大の減少率となった。18日に不可 抗力条項の適用を宣言していたリビアのブレガ港では、石油積み出しが 再開された。

タイチ・キャピタル・アドバイザーズの商品ファンドマネジャー、 タリク・ザヒル氏は「需給ファンダメンタルズからみれば、相場は下落 して然るべきだ」と指摘。「経済統計の中には芳しくないものもある。 リビアからの石油積み出しが多少持ち直しており、市場を圧迫してい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前週末 比50セント(0.47%)安の1バレル=105.92ドルで終了。年初から は15%の値上がり。

原題:Crude Falls for First Time in Three Days on Durable Goods Orders(抜粋)

◎欧州株:小幅反落、イタリアの政局不安でウニクレディトが安い

26日の欧州株式相場は3営業日ぶりに下落。イタリアの政局不透 明感が嫌気されたほか、米耐久財受注額が市場予想以上に落ち込んだ ことも重しになった。

イタリア最大の銀行ウニクレディトは3.5%安。ベルルスコーニ元 首相率いる自由国民の議員らは連立政権離脱の可能性を警告した。オラ ンダの電話会社ロイヤルKPNは3%高。同社はドイツの携帯電話事業 を売却する計画について、少数株主であるメキシコのアメリカ・モビル の支持を確保した。

ストックス欧州600指数は前週末比0.23ポイント(0.1%未満)安 の304.48で終了。騰落比率は1対2。英国市場がバンクホリデーの祝日 で休場だったため、出来高は過去30日平均を57%下回った。

フランクフルト・トラスト・インベストメントのファンドマネジャ ー、ライムント・ザクシンガー氏は電話インタビューで、「イタリア政 局をめぐる新たな不透明感が心配されている」と指摘。「リスク選好、 あるいはリスク回避という単純な反応だ。銀行株は常にその影響を受け やすい」と述べた。

26日の西欧市場では、取引が行われた17カ国中13カ国で主要株価指 数が下落した。

原題:European Stocks Decline as UniCredit Falls Amid Italy Wrangling(抜粋)

◎欧州債:イタリア債が続落、入札を警戒-米統計でドイツ国債は上昇

欧州債市場ではイタリア国債が2営業日連続で下落。今週入札を 予定していることから、売りが出た。

イタリア10年債利回りは3週間ぶり高水準に接近。ベルルスコーニ 元首相の政治生命をめぐる緊張が背景にある。同国は27日にインフレ連 動、ゼロクーポン債40億ユーロの入札を予定。翌日には短期証券85億ユ ーロ、29日にも規模未定の国債入札がある。27日にはスペインも入札を 行う。

米製造業耐久財受注の減少を受けた安全への逃避で、ドイツ国債が 上昇。オーストリアとオランダの債券も買われた。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ダハ イム氏(ミュンヘン在勤)は「スペインとイタリアの国債相場を動かし ているのは発行再開の見通しだ」と指摘。「この数週間は入札が無かっ たため、スプレッドはかなり縮小した。入札を控えて利益確定の売りが 出され、スプレッドは拡大するかもしれない」と述べた。

イタリア10年債利回りはロンドン時間午後4時18分現在、前週末比 6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.39%。同国債(表 面利率4.5%、2023年5月償還)価格は0.475下げて101.235。スペイ ン10年債利回りは1bp上昇して4.47%。

ドイツ10年債は4営業日ぶりに上昇。米製造業耐久財受注額は7月 に前月比で7.3%減少と、2012年8月以来で最大の減少率となった。ド イツ10年債利回りは4bp下げて1.90%。23日には1.98%に上昇 し、2012年3月以来の高水準を付けていた。

英国債市場はバンクホリデーの祝日で休場。取引は27日に再開され る。

原題:Italian Bonds Drop Second Day Before Auctions; German Bunds Rise(抜粋)

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