【今週の債券】長期金利0.8%乗せも、株高や米金利高に連動との見方

今週の債券市場で長期金利は約3週 間ぶり高水準の0.8%台乗せを試す開が予想されている。国内株高に加 えて、米国市場では量的緩和縮小観測を背景に10年国債利回りが2年ぶ り高水準で推移していることから金利に上昇圧力が掛かりやすい。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが23日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.70%-0.82%となった。0.8%台に乗せれば2日以来となる。 前週末終値は0.765%だった。

前週の長期金利は21日に約3カ月ぶり低水準となる0.72%まで低下 した。日本銀行による長期国債買い入れオペで需給が改善する中、株安 などが買い手掛かりとなった。しかし、その後は株高や米10年債利回り が2年ぶり高水準を付けたことなどを受けて水準を切り上げ、一時 は0.77%まで上昇した。中期ゾーンも売りが優勢となり、新発5年債利 回りは0.305%と2日以来の0.3%台乗せとなった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、中国を含め主要国の景 気指標は企業部門を中心に景気の再加速を示唆しているとし、「米量的 緩和縮小観測に伴う金利上昇は一部のリスク資産で調整を引き起こした ものの、逆資産効果で景気を腰折れさせるほどではない」と言う。「リ スクオフ(回避)による円高・株安の動きは一巡し、米欧の金利上昇に 日本が追随しない理由の一つが失われていく」とも指摘した。

20年債と2年債入札

27日に20年利付国債(8月発行)の入札が実施される。前回の145 回債と銘柄統合するリオープン発行で、表面利率(クーポン)は1.7% となる見込み。発行額は1兆2000億円程度。

29日には2年利付国債(9月発行)の入札が実施される。新発2年 債利回りは0.11%付近で推移しており、クーポンは前回債と同水準 の0.1%が見込まれている。発行額は2兆9000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は9月物、10年国債利回りは329回債。

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

先物9月物143円10銭-144円10銭

10年国債利回り=0.73%-0.82%

「米長期金利の上昇を無視して買われてきたが、円安や株高に振れ てくると、さすがに連動せざるを得なくなる。20年債入札もあり、上値 は重く、これまでの反動で売られやすくなるだろう。20年債は需給は悪 くないが、超長期の中では発行額は大きく、日銀の国債買い入れを考慮 しても不安が残る。相場は一本調子の下落にはならないが、潮目が変わ ってきた感じもあり、慎重にみていた方が良いだろう」

◎ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジスト

先物9月物143円30銭-143円80銭

10年国債利回り=0.75%-0.80%

「0.7%台後半を中心とした推移。米金利の先高観測が強まり外部 環境はネガティブ。米国では9月に雇用統計など注目イベントが続くた め、米長期金利が3%を上抜ける可能性がある。先進国の景況感が総じ て改善傾向にあり、グローバルに金利は上昇しやすいことが、国内債に も金利上昇要因となるリスクがある。一方、国内は資金余剰の構図に変 化はなく、月末で長期や超長期ゾーンには買いが入りやすい。20年債入 札は利回り曲線上で割高感は乏しい。無難に通過か」

◎三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジスト

先物9月物143円50銭-144円25銭

10年国債利回り=0.70%-0.78%

「今週実施される20年債、2年債の入札が注目される。足元で債券 相場のボラティリティが低下し、大手銀行などがポジションを落として いる中、9月決算期末の接近で買いを入れる投資家も多いと思う。年度 初めから比べると利回りが上昇しており、益出し余力はないのではない か。消費税は大方の予想で増税が見込まれている。ただ景気にはマイナ ス要因で対応措置の内容と規模が焦点になる」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山 中英典

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