【日本株週間展望】軟調、米緩和縮小に懸念続く-割安感支え

8月4週(26-30日)の日本株相場 は、引き続き米国の量的緩和策の縮小懸念を背景としたリスク資産圧縮 の動きを受け、軟調な展開が予想される。国内政策に対する期待感は継 続するほか、一部テクニカル指標が日本株の割安感を示唆し、下値は限 定的となりそうだ。

アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャー は、一部新興国市場でリスクオフの動きが見られるなど「警戒感は強ま っており、投資家としては大きく下げない限り、買う状況ではない」と 言う。政府の成長戦略による日本株再浮上の期待も根強く、「大きな方 向感は出ないだろう」と予想した。

第3週のTOPIXは、前の週末に比べ0.09%安と小幅に反落。イ ンドネシアなどアジア新興国市場の急落を受けて市場心理が悪化し、週 の半ばまでは売り優勢が続いたものの、23日には欧州の景況感指数など 強い欧米経済指標や円安を支援材料に上昇し、それまでの下げを埋め た。

第4週は、米国で27日にS&P/ケース・シラー住宅価格指数と消 費者信頼感指数、28日に中古住宅販売件数、29日に4-6月期の国内総 生産(GDP)改定値などが公表される予定。実際の統計数値とエコノ ミスト予想との差異を示すシティグループ経済サプライズ指数は8月に 入り急上昇しており、1月以来の高水準で推移している。

日本株軟調の背景にあるのは、米国の量的緩和縮小を見据えたリス クオフの動きだ。強い経済指標の発表が相次げば、9月の米連邦公開市 場委員会(FOMC)での緩和縮小の見方が強まり、リスク回避の動き が加速する可能性がある。ブルームバーグが9-13日にかけて行った調 査によれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に債券購入規模を 縮小する、とエコノミストの6割以上が予想している。

トリプル安に見舞われたインドネシア

市場におけるリスク資産圧縮、資金引き揚げの流れがアジアなど新 興国市場で出ている。MSCIアジア太平洋指数(日本除く)は22日ま で6営業日続落し、4-6月期の経常赤字が過去最大だったインドネシ アでは株式市場のほか、通貨と国債市場も急落するトリプル安に見舞わ れた。

インドでも通貨ルピーが対ドルで過去最安値を記録するなど波乱含 みの様相を呈し、新興国市場が荒れれば、日本株にも悪影響が及びそう だ。第4週のアジアでは、タイで26、27日に7月の貿易収支、フィリピ ンで29日に4-6月期GDP、中国で27日に7月の工業利益、韓国で29 日に7月の国際収支、30日に鉱工業生産などが発表される予定で、これ ら統計後の市場動向は注視される。

みずほ証券投資情報部の倉持靖彦副部長は、一部新興国は「QE3 (米量的緩和第3弾)後に大きく上げていただけに、逆の動きになって いる」と指摘。不良債権などファンダメンタルズの問題にも目が向きや すくなっており、「経済指標などで悪い数字が出ると、マーケットが荒 れる展開がしばらく続きそう」と警戒姿勢を崩さない。

一方、T&Dアセットマネジメントの温泉裕一チーフ・ストラテジ ストは、「米国は内外需ともに見通しは明るい」とした上で、量的緩和 の縮小は「いつかはやらなければいけないことで、ペースがゆっくりと したものなら、市場も過度にネガティブに反応しないだろう」と読む。

米比較でPER低い、大証銘柄が指数編入

PERなど投資指標から見た割安感、チャート分析、一部テクニカ ル指標が目先の買いゾーン入りしている状況から、相場全体の下値は限 定的となりそうだ。ブルームバーグ・データによると、東証1部銘柄の 予想PERは14.2倍と、米S&P500種株価指数の15倍を下回る。ま た、東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは22日時点 で77%と、2カ月ぶりの低水準だ。

このほかの注目材料は、7月16日に東証と大証の現物市場が統合し たことに伴い、大証単独上場だった銘柄を中心に新しく38銘柄が8月末 からTOPIXに組み入れられる。TOPIXに連動するインデックス 投信やETF(指数連動型上場投資信託)からの買い需要が見込まれ、 こうした銘柄は堅調に推移する可能性がありそうだ。

みずほ証券の永吉勇人チーフクオンツアナリストの試算によると、 TOPIX組み入れ時の需給インパクトが大きいのはワキタ、山陽電気 鉄道、王将フードサービス、名村造船所、西尾レントオール、遠藤照 明、近鉄百貨店など。

このほか国内では、30日に7月の完全実業率、消費者物価指数 (CPI)、鉱工業生産指数が発表される。26日からは消費税率引き上 げの影響を識者に聞く「今後の経済財政動向等についての集中点検会 合」が開かれる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE