円続落、リスク選好で対ドル99円台-対ユーロ1カ月ぶり安値

東京外国為替市場では円が続落。前 日発表された米欧中の経済指標の改善を背景に世界的に株価が反発した ため、リスク選好的な円売りの動きが優勢となった。

1ドル=98円台後半で東京市場を迎えたドル・円相場はじりじりと 値を切り上げ、一時99円14銭と今月5日以来の円安値を付けた。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「中国、欧米 とも景況指数が良かったし、アジアも含めて株式市場が反発している。 為替市場でもドルに対して直近売られていた新興・資源国通貨に買い戻 しが見られており、雰囲気はかなりリスクオンに傾いている」と話し た。

ユーロ・円相場は7月25日以来となる1ユーロ=132円台を回復。 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのノボトニーオーストリア 中銀総裁の、最近の「一連の良いニュース」が利下げの必要性を取り除 くとの発言が伝わった午前10時半すぎには一時132円34銭までユーロ買 い・円売りが進んだ。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 ノボトニー氏の発言に反応してユーロ買い・円売りとなり、ドル・円を サポートしたと説明した。

株反発でリスク選好

23日の東京株式相場は反発し、日経平均株価の上げ幅は一時400円 を超えた。前日の欧米株式相場も上昇。中国の製造業購買担当者指数 (PMI)やユーロ圏の景気指数、米国の6月の住宅価格指数と7月の 景気先行指標総合指数(LEI)が市場予想を上回ったことが好感され た。

ブルームバーグ・データによると、円は前日に続き、主要16通貨に ほぼ全てに対して前日終値比で下落。三井住友信託銀行ニューヨークマ ーケットビジネスユニットトレジャリーチーム調査役、藤田善嗣氏(ニ ューヨーク在勤)は、「投資家のリスク志向が全般的に改善して、全般 的に円が弱い展開が推移している」と説明していた。

ドル・円は今週、97円を割り込む場面も見られたが、21日以降ほぼ 一本調子で水準を切り上げてきた。同日公表された米連邦公開市場委員 会(FOMC)議事録を受け、米量的緩和の早期縮小の可能性があらた めて意識され、米長期金利の上昇を背景にドル買いの流れが強まった。

みずほ証の鈴木氏は、ドル・円相場について、日銀が異次元緩和に 踏み切った4月以降のレンジの中心にあたる98円後半を越えて、99円ち ょうど抜けるかどうかはテクニカル的に重要だと指摘。「ここをしっか り上抜けると、9月の米量的緩和縮小観測や日本の消費増税などの材料 が付いてくることで、100円を再び回復していく流れが現実的になって くる」と話した。

ノボトニー発言

ノボトニー総裁は22日遅く、米ワイオミング州ジャクソンホールで ブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「現在、利下げを 支持する議論は多くないだろう」と発言した。ただ「最近の展開が ECBの政策に直ちに影響を及ぼすことはない」とも述べ、早期金融引 き締めの可能性を否定した。

クレディ・アグリコル銀の斎藤氏は、「2月にユーロが上昇した時 はECBからけん制発言が出ていたため、警戒感が出ていたが、今回は 景況感が良くなっているので、こうした発言が出ると素直にユーロ買い になる」と解説した。もっとも、ユーロ・ドル相場については、「1ユ ーロ=1.34ドル台の滞空時間がこれまで短いこと、米金利が高いこと、 週末ということもあり、1.34ドル台は難しそうだ」と話した。

ユーロは対ドルで1.33ドル台後半からじり安。ノボトニー発言を受 け、一時小反発する場面も見られたが、午後には1.3335ドルまで値を下 げた。

ジャクソンホールでは22日からカンザスシティー連銀主催の年次シ ンポジウムが行われている。24日のパネル討論会には日本銀行の黒田東 彦総裁が出席する予定。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議 長は今回の会合に出席していない。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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