8月22日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対円で上昇、米経済指標の堅調で緩和縮小観測

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で上昇。2週間ぶりの高 値を付けた。米新規失業保険申請件数の4週間移動平均が約5年ぶりの 低水準となったため、金融緩和の縮小観測が強まった。

住宅価格や景気先行指数の上昇もドル買い材料。インド・ルピーは 最安値を更新、マレーシア・リンギットは3年ぶりの安値となった。ス ウェーデンの失業率が低下し、同国通貨クローナは主要通貨に対して上 昇した。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は「前日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は メンバーのほぼ全員がバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の 緩和縮小計画を支持していることを示唆した。それが現在の状況で、そ の話は進んでいる。それがドルの支援材料になっている」と語った。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対し前日比1.1%高い 1ドル=98円72銭。一時は98円81銭と、5日以来の高値を付けた。対ユ ーロではほぼ変わらずの1ユーロ=1.3356ドル。0.4%上げる場面もあ った。ユーロは対円で1.1%高の1ユーロ=131円84銭。一時は2日以来 の高値となる131円89銭まで上昇した。

主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数 は0.2%高の1028.31。一時は1031.37と、2日以来の高水準を付けた。

インド資産売り

バーナンキ議長が5月22日に初めて金融緩和縮小の可能性を示唆し て以来、世界的にインド債券の保有を縮小する動きが進み、インド・ル ピーは経常赤字を背景に売られやすくなっている。

ルピーは0.9%安の1ドル=64.6300ルピー。一時は65.56ルピーま で下げ、最安値を更新した。ウエストパック銀行はルピーが来週まで に68ルピー、あるいは70ルピーまで下落する可能性さえあるとの見通し を示している。

マレーシア・リンギットは一時、1ドル=3.3228リンギット と、2010年6月以来の安値まで下げた。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「市場は極めて神経質で、新興 市場でストレスが高まっている」と指摘。「リスク管理の荒波を経てボ ラティリティが高まり、新興市場は強く圧迫されている」と続けた。

欧米経済指標

英マークイット・エコノミクスが発表した8月のユーロ圏サービス 景気指数(速報値)が51.0と、前月の49.8から上昇すると、ユーロは対 円で上げ幅を拡大した。製造業とサービス業を合わせた総合景気指数 は51.7と、7月の50.5から上昇した。両指数は50が活動拡大・縮小の分 かれ目。

米労働省の発表によると、新規失業保険申請件数の4週移動平均は 先週までに33万500件と、2007年11月以来で最低だった。先週の新規失 業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万3000件増の33万6000件。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値33万件 だった。

米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した6月の住宅価格指数(季 節調整済み)は前月比で0.7%上昇した。前月は0.8%上昇に改定され た。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の平均は0.6%上昇だ った。米民間調査機関コンファレンス・ボードが22日発表した7月の米 景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.6%上昇した。

ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替スト ラテジスト、エリック・ビロリア氏は電話インタビューで、「緩和縮小 に向かっていると当社は考えている。景気は悪化していない」と発言。 「ユーロは下落しているが、ドルをめぐる要因や緩和縮小期待の方が材 料になっている」と語った。

ブルームバーグが9-13日にエコノミストを対象に実施した調査に よると、9月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で資産購 入規模の縮小が決定されるとの予想は65%だった。月850億ドルの購入 規模については、750億ドルへの縮小が予想中央値となっている。

原題:Dollar Advances Against Yen on Economic Growth; Rupee Plunges(抜粋)

◎米国株:上昇、失業保険申請など好感-ナスダックは取引一時停止

米株式相場は上昇。経済指標で世界の製造業や米労働市場の改善が 示されたことが手掛かり。ナスダック市場ではコンピューターシステム の不具合から取引が3時間にわたり停止された。

S&P住宅建設株指数が高い。米連邦住宅金融局(FHFA)が発 表した6月の住宅価格指数(季節調整済み)は前年同月比で7.7%上昇 した。ヤフーも上昇。7月の同社ウェブサイト利用者がグーグルを上回 ったことが好感された。一方でヒューレット・パッカード(HP)は大 きく下落。同社が示した利益見通しは一部のアナリスト予想を下回っ た。カジュアル衣料のアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)も大幅 安。第2四半期決算が市場予想に届かなかったことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.9%高の1656.96。ダウ工業株30種 平均は7営業日ぶりに反発し、0.4%高の14963.74ドル。ナスダック総 合指数は1.1%上げて3638.71。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの株式戦略・調査責任 者、ポール・マンガス氏は「失業保険申請の統計は明るい内容で、緩慢 な雇用拡大が続いていることが示された」とした上で、「中国では安 定、欧州では改善の兆しがそれぞれ見られており、米国の多国籍企業に は長期的にプラスとなる可能性がある」と述べた。

ナスダックで取引停止

米株式市場はこの日もコンピューター障害に見舞われた。取引所間 でデータを共有するためのソフトウエアに不具合が生じ、ナスダック市 場は株式とオプションの取引を一時停止した。取引はニューヨーク時間 午後0時20分ごろに停止した後、同3時25分に再開された。

ナスダックでの取引停止で、アップルやインテル、フェイスブック など売買が活発な銘柄の多くで一時、事実上取引が行えない状態となっ た。株式市場では20日にもゴールドマン・サックス・グループがプログ ラミング上のミスからオプションを誤発注し、市場の混乱を招いてい た。

シーブリーズ・パートナーズ・マネジメントの創業者ダグラス・カ ス氏は「ナスダックにとっては大きな問題だが、影響は皆が考えるほど 深刻ではなかった」と述べた。

取引停止を受け、米証券取引所での出来高は祝日前の短縮取引を除 けば少なくともここ5年間で2番目に低い水準となった。この日の出来 高は約44億株で、3カ月平均を30%下回る。

失業保険申請、景気先行指数

米週間新規失業保険申請件数は、先週までの4週間平均値が約5年 ぶりの低水準となった。

米労働省の発表によると、4週移動平均は先週までに33万500件 と、2007年11月以来で最低だった。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した7月の米景気先 行指標総合指数(LEI)は前月比0.6%上昇した。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.5%上昇だった。

S&P500種の業種別10指数ではエネルギー株と素材株の上げが目 立った。

S&Pスーパーコンポジット住宅建設指数は1.9%上昇。構成す る11銘柄全てが上げた。

ヤフーは3.1%高の27.90ドル。コムスコアの21日の発表によると、 ヤフーのサイト利用者は7月に1億9600万人超となった。これはグーグ ルを430万人上回る。

HPは12%安の22.22ドル。ダウ平均で値下がり率トップとなっ た。アバクロは18%下げて38.53ドル。下落率は2011年11月以降で最 大。

原題:U.S. Stocks Rise on Global Data, Jobless Claims Amid Nasdaq Halt(抜粋)

◎米国債:利回りが一時2年ぶり高水準、統計で景気に強さと判断

22日の米国債利回りは2年ぶり高水準に上昇。経済統計で労働市場 の強さが示唆されたほか、米景気先行指数の伸びを背景に、市場では金 融当局が緩和策を縮小できるほど十分に米国経済は回復したとの見方が 広がった。

10年債の利回りはほぼ変わらず。前日に米連邦準備制度理事会 (FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC、7月30-31日開 催)の議事録では、政策当局者が債券購入のペースを減速させる計画を 「おおむね支持」していることが明らかになった。この日は午後に入っ て160億ドル相当の5年物インフレ連動債(TIPS、銘柄統合)入札 が行われた。最高落札利回りは2010年以降で最高だった。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏は「緩慢なペースながら経済成長が続いている」と述 べ、「米金融当局が年内に債券購入を減速した場合に備え、その影響は すでに織り込み済みだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)未満下げて2.89%。同年債価格(表面利率2.5%、償還期 限2023年8月)は2/32上げて96 21/32。

30年債利回りは5bp下げて3.87%。一時は3.94%と、2011年8月 以来の最高だった。

ブルームバーグ米国債指数によると、米国債のリターンは年初か ら3.9%のマイナスとなっている。

先走っている相場

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券ト レーディング担当シニアバイスプレジデント、マイケル・フランゼーセ 氏は、「市場は金融当局が緩和策を縮小するとみていることが分かる」 と述べ、「投資家は他人よりも一歩先に出ようとしている。それがこの 下落スパイラルを引き起こしている。相場が相当先走っている」と続け た。

米労働省の発表によると、4週移動平均は先週までに33万500件 と、2007年11月以来で最低だった。先週の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は前週比1万3000件増の33万6000件。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値33万件だった。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが22日発表した7月の米景 気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.6%上昇した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.5%上昇だった。

TIPS

米財務省が実施した5年物TIPSの結果によると、最高落札利回 りはマイナス0.127%。2010年4月以来の最高だった。前回入札(4 月18日)はマイナス1.311%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.18倍で、前回入札時と同 じ。過去10回の平均値は2.77倍だった。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率 は38.2%。2012年8月以来で最低だった。プライマリーディーラー以外 の直接入札者の落札全体に占める比率は8.1%。過去10回の平均値 は8.9%だった。

2年債入札

財務省は27日に2年債(340億ドル)入札を実施する。2010年10月 以降毎月、同国債の入札規模は350億ドルで推移してきたが今回初めて 減額されることになる。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は、「10億ドルは大きな違いではな いが債務は縮小している」と述べ、「資金調達需要は低下しつつある」 と続けた。

今月28日には5年債(350億ドル)、翌29日には7年債290億ドルの 入札が実施される。

原題:Treasury Yields Touch 2-Year Highs as U.S. Economy Strengthens(抜粋)

◎NY金:反発、アジアで宝飾品や延べ棒の需要が伸びるとの観測

ニューヨーク金先物相場は反発。中国に景気が上向く兆しが見られ る中、宝飾品や延べ棒の需要が増えるとの観測が強まった。中国は金輸 入で世界2位。

中国の製造業活動を示す民間の指数は8月に上昇に転じた。前月 は11カ月ぶりの低水準となっていた。業界団体のワールド・ゴールド・ カウンシル(WGC)は中国とインド両国での宝飾品やコイン、延べ棒 の販売が今年は最大1000トンに達するとの見通しを示している。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「アジア での需要拡大への期待が引き続き金の支えになっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.1%高の1オンス=1370.80ドル。一時は0.8%上昇する 場面もあった。

原題:Gold Rises on Bets Asian Demand for Jewelry, Bars Will Climb(抜粋)

◎NY原油:反発、失業保険申請の4週間移動平均が減少

ニューヨーク原油先物相場は4日ぶりに上昇した。米週間新規失 業保険申請件数の先週までの4週間平均値が約5年ぶりの低水準とな ったことを受け、燃料需要に弾みが付くとの期待が高まった。

米労働省の発表によると、4週移動平均は先週までに33万500件 と、2007年11月以来で最低だった。米民間調査機関コンファレンス・ボ ードが発表した7月の米気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.6% 上昇した。中国の製造業購入担当者指数(PMI)で景況拡大の再開が 示されたほか、欧州の製造業統計も上向いた。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏(フロリダ州ジュピター在勤)は「明るい内容の経済統計が出 て、需要拡大への期待を高めた」と指摘。「相場はじりじりと上昇する だろう。目先は荒れながらも上方向への展開になりそうだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日 比1.18ドル(1.14%)高の1バレル=105.03ドルで終了した。

原題:Crude Advances From Two-Week Low as U.S. Jobless Claims Fall(抜粋)

◎欧州株:3週ぶり大幅高、ドイツ経済指標を好感-アホルドに買い

22日の欧州株式相場は3週間ぶりの大幅高となった。ドイツで製 造業とサービス業の拡大ペースが予想を上回ったことが好感された。

オランダの小売り大手ロイヤル・アホルドは2009年5月以来の大幅 上昇。第2四半期の利益がアナリスト予想を上回ったことが買い材料。 産業用機器やサービスを手掛ける英IMIは少なくとも1988年以来の高 値を付けた。同社の調整済みベースの上期利益はアナリスト予想を上回 った。

ストックス欧州600指数は前日比1%高の303.55で終了。騰落比率 は約5対1だった。欧州中央銀行(ECB)が長期にわたり低金利を維 持する方針を示したことを背景に、年初来安値を付けた6月24日以降で は10%上げている。

PFAペンション(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、ウ ィトルド・バーク氏は電子メールで、「ユーロ圏経済の原動力は好調 だ」と述べ、「中国の製造業購入担当者指数(PMI)上昇で同国経済 のハードランディング懸念が和いだことも、欧州株を支えた要因だっ た。最も重要な輸出市場の一つである中国のマクロ経済に関するプラス 材料で域内の安定化が進んでいる」と続けた。

英マークイット・エコノミクスが発表した8月のドイツの製造業景 気指数(速報値)は52と、前月の50.7から上昇し、ブルームバーグがま とめたエコノミスト予想の中央値(51.1)も上回った。サービス業景気 指数は52.4%に達した。中央予想値は51.7だった。

原題:European Stocks Climb as German Manufacturing Exceeds Estimates(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債は続落、サービス業拡大で-英国債ほぼ変わらず

22日の欧州債市場ではドイツ国債が続落。ユーロ圏で8月のサ ービス業の経済活動が1年7カ月ぶりに拡大し、域内経済が低迷から 脱しつつある兆候が強まった。

ドイツ10年債利回りは2012年3月以来の高水準に達した。21日公表 された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で債券購入のペースを年 内に減速させるというバーナンキ議長の計画を「おおむね支持」されて いることが明らかになったことも背景にある。フランスとオランダ、オ ーストリアの国債も売られた。一方、イタリアとスペインの国債は上 昇。高利回り資産を求める動きが強まったためだ。

スミス・アンド・ウィリアムソン・インベストメント・マネジメン ト(ロンドン)の債券担当ディレクター、ロビン・マーシャル氏は、 「ユーロ圏が非常に抑制された水準から持ち直しつつある兆候が高まっ ている」とし、「信頼感の改善を反映したもので、利回り上昇につなが る公算が大きい。だが、ユーロ圏は数カ月以内に越えなくてはならない 障害を抱えていることから、国債利回りがどれだけ上昇するかは不透明 だ」と語った。

ロンドン時間午後4時27分現在、ドイツ10年利回りは前日比5ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.92%。21日は3bp上 昇していた。同国債(表面利率1.5%、2023年5月償還)価格はこの 日、0.43下げ96.30。

フランス10年債利回りは5bp上げ2.48%。同年限のオランダ国債 利回りは4bp上昇し2.32%、オーストリアの国債利回りは4bp上げ て2.34%。

英マークイット・エコノミクスが発表した8月のユーロ圏サービス 景気指数(速報値)は51.0と、前月の49.8から上昇。サービス業と製造 業を合わせた総合景気指数は51.7と、7月の50.5を上回った。これら指 数は50が活動拡大・縮小の分かれ目。

英国債相場は前日からほぼ変わらず。10年債利回りは前日比1bp 上昇の2.72%。一時は2.76%と、11年8月8日以来の高水準となった。 同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、0.08下 げ92.295。

原題:German Bonds Fall Second Day on Euro-Area Output, Fed Minutes(抜粋) Pound Falls Most in Three Weeks on Weale Comments, Fed Minutes (抜粋)

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