東電:相次ぐ汚染水トラブル、海洋流出の可能性浮上-株続落

東京電力の福島第一原発汚染水トラ ブルが深刻の度合いを強めている。相沢善吾副社長は21日夜の会見で、 タンクからの汚染水漏れについて謝罪するとともに、海に「絶対に流出 していないとは言い切れない」との見解を示した。これを材料に株価は 4日続落し一時、前日比6.3%安の522円まで下落した。

東電は漏えいしたタンクに近い排水溝内部で21日午後、毎時6ミリ シーベルトの放射線量を計測した。外洋につながるこの排水溝に汚染さ れた土砂が流れ込んだ可能性があることから、汚染水の流出の可能性が 強まっている。

タンクからの漏えい問題が浮上する前には、タービン建屋につなが るトレンチ(坑道)から汚染水が海洋に流出する問題が発生。相沢氏 は、相次ぐ汚染水問題への取り組みや廃炉に向けた体制を改善するため に「組織の抜本的な見直し強化を検討している」ことを明らかにした。 詳細が決まり次第、広瀬直己社長が公表する。

福島第一原発に相沢氏自身が常駐することも明らかにした上で、 「外国には廃炉の技術や経験がかなりある。世界の方々に支援してもら いながら進めたい。そういう仕事だと思っている」と強調した。

東電は事故後約2年間でストロンチウム90が最大10兆ベクレル、セ シウム137が最大20兆ベクレルが海に流出したとの試算を発表した。合 計30兆ベクレルの放射性物質流出量は、年間の放出管理目標値(2200億 ベクレル)を大きく上回っている。

「フランジ型」のタンク

漏えいの起きたタンクは鋼板の板をボルトで留め、接合部はパッキ ンで埋めた「フランジ型」と呼ばれる円筒型のタンク。東電は原子炉建 屋地下などに1日に約400トンの地下水が流入しているために増える汚 染水を保管するため、工期の短いこのタイプを約350基建造した。同社 によると、耐用年数は5年。

原子力規制委員会も21日夜に汚染水問題について検討する作業部会 の会合を開催した。この会合で更田豊志委員は、別なタンクでも漏えい が起きている可能性を強く指摘。フランジ型タンクに保管されている汚 染水の移送について検討するよう東電に求めた。

今回の漏えいは、タンクが設置されている堰(せき)に設けられた 排水弁が開放されていたために堰の外部に広がったと考えられている。 東電は、堰の内側に雨水が貯まると汚染水の漏えいが見つけにくくなる ことから、弁を常時開放した状態で運用していた。更田氏はこの運用方 法についても見直すよう求め、23日の福島第一原発訪問時に検討結果に ついて説明するよう指示した。

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