ドルが対円で1週間ぶり高値、米緩和縮小観測-中国指標後押し

東京外国為替市場では、ドルが対円 で1週間ぶり高値へ上昇。米量的緩和の縮小観測を背景に、米長期金利 の上昇を意識したドル買いが優勢だった。

ドル・円相場は1ドル=97円台後半からじりじりと値を切り上げ、 午前10時半ごろには98円台を回復。中国の経済指標が市場予想を上回っ たことを手掛かりに、対オーストラリア・ドルなどクロス円(ドル以外 の通貨の対円相場)で円売りが加速したこともあり、同11時ごろには98 円34銭を付けた。その後も98円台前半でドルが底堅い展開が続き、午後 3時20分現在は98円24銭前後となっている。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、21日に公表された米 連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は新味に欠ける内容だったが、 早期の量的緩和縮小観測を「覆すほどハト派的な内容でもなかった」と 指摘。「ユーロ・ドルやドル・スイスなどを見ても、昨晩からドル買い が優勢となっており、明らかに9月のQE(量的緩和)縮小を意識した 動きになっている」と話した。

前日の東京市場で1ユーロ=1.34ドル台前半で取引されていたユー ロ・ドル相場は海外時間に1.33ドル台前半までユーロ売り・ドル買いが 進行。この日の東京市場では一時1.3332ドルを付け、その後はもみ合う 展開となった。

一方、ユーロ・円相場は1ユーロ=130円台半ばでもみ合っていた が、その後円売りが優勢となり、午前11時ごろには一時131円19銭と5 日以来のユーロ高・円安水準を付けた。同時刻現在は131円10銭前後。

緩和縮小計画に幅広い支持

米連邦準備制度理事会(FRB)が21日公表したFOMC議事録 (7月30、31日開催分)によれば、会合のほぼ全参加者が景気が予想通 り改善された場合、債券購入のペースを年内に減速させるというバーナ ンキ議長の計画を「おおむね支持」していることが分かった。一方で 2、3人は「近いうち」に縮小開始が必要になる可能性を指摘した。

議事録を受け、21日の米国債相場は下落(利回りは上昇)。22日の アジア市場では一段と下落し、10年債利回りは2011年7月以来とな る2.9%台に乗せた。

セント・ジョージ銀行のチーフエコノミスト、ハンス ・クネン氏 (シドニー在勤)は「米国経済はゆっくりと強さを増しており、タイミ ングがいつであれ、縮小開始は起こるだろう」と言い、こうしたことが 「ドルを支援する」と指摘した。

ブルームバーグ・データによると、ドルは主要16通貨中13通貨に対 して前日終値比で上昇。一方、円は全面安となっている。

石川氏は、ここからドル高がさらに鮮明となるかという点で、今後 発表される米国の雇用関連指標が重要だと指摘。今夜発表の新規失業保 険申請件数も含めて「強い内容となるなら、米金利に上昇圧力がかかる ことにより、ドル高がさらに鮮明となる。一方、下振れるようだと緩和 縮小観測が後退してドル売り基調が強まる可能性もある」と話した。

ブルームバーグの調査によれば、22日発表される新規失業保険申請 件数は増加が見込まれている。

一方、英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクス が発表した8月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は50.1と、11カ 月ぶりの低水準となった7月の47.7(改定値)から上昇するとともに、 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 (48.2)も上回った。同指数は50を超えると製造業活動の拡大を表す。

--取材協力:大塚美佳、Candice Zachariahs. Editors: 青木 勝, 崎浜 秀磨

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