日本株下落、米政策不透明とアジア安-景気敏感、東電に売り

東京株式相場は下落。前回の連邦公 開市場委員会(FOMC)議事録の内容を受け、米国の量的緩和策の縮 小懸念が残り、リスクオフの動きから鉄鋼株のほか、電機など輸出関 連、海運株など景気敏感業種が売られた。福島第1原子力発電所の汚染 水問題が深刻化している東京電力は連日安。

ただ、中国の製造業指標が市場予想を上回ったほか、ドル・円相場 が円安方向に振れた影響もあり、株価指数の下げは限定的だった。 TOPIXの終値は前日比2.18ポイント(0.2%)安の1119.56と3日続 落。日経平均株価は59円16銭(0.4%)安の1万3365円17銭と反落し た。

大和証券投資戦略部の塩村賢史シニアストラテジストは、「米国の 量的緩和縮小観測を受けたアジア市場からの資金流出や新興市場の景気 減速が強く意識されている」と指摘。ただ、中国の製造業指数が良かっ たことから、「リスクオフの動きが少し緩和された」と見ていた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が21日に公表したFOMC(7 月30-31日開催)の議事録によれば、景気が予想通り改善された場合、 債券購入のペースを年内に減速させるというバーナンキ議長の計画を会 合のほぼ全参加者がおおむね支持。また2、3人は、近いうちに縮小開 始が必要になる可能性を指摘した。

量的緩和縮小の時期に関する不透明感が強く、21日の米ダウ工業 株30種平均は0.7%安と1年1カ月ぶりに6営業日続落し、米10年国債 利回りが2.9%に接近するなど、長期金利は上昇。米市場動向を嫌気 し、きょうの日本株は売りが先行で始まった。

中国PMI、1週間ぶり円安が下支え

中国の製造業指数が市場予想を上回り、ドル・円相場が一時1ドル =98円34銭と1週間ぶりの円安に振れたことなどで日本株は下げ渋り、 TOPIX、日経平均とも一時上昇転換。英HSBCホールディングス とマークイット・エコノミクスがきょう発表した8月の中国製造業購買 担当者指数(PMI)速報値は50.1と前月の47.7から上昇し、ブルーム バーグがまとめたエコノミスト予想の48.2を上回った。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、アジア経済 全般に対する警戒感が高まっていただけに、「中国の製造業指数が改善 し、安心感が広がった」と言う。

テクニカル指標が目先の売られ過ぎ水準にあったことも下げ渋り要 因の1つ。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは21 日時点で79%と、2カ月ぶりの低水準。日経平均と投資家の短期的売買 コストを示す25日移動平均線の下方かい離率は4.4%と、売られ過ぎを 示す5%に接近していた。ただ、経済成長の鈍化が鮮明なインドネシ ア、タイなど東南アジア株がきょうの取引でも下げており、リスク資産 圧縮の継続が警戒され、日本株も結局マイナスで終えた。

ニッパツ急落、東洋水は堅調

東証1部業種別33指数は電気・ガス、鉄鋼、倉庫・運輸、海運、電 機、精密機器、機械など20業種が下落。電力では、福島第1原子力発電 所タンク付近の排水溝から、汚染水が外洋に流出した可能性が高いと共 同通信が報じた影響で、東京電力は続落。個別では、タイの自動車生産 減速を警戒するとし、JPモルガン証券が目標株価を下げたニッパツが 急落した。100億円を超す申告漏れの発覚が毎日新聞などで報じられた オリンパスも安い。

一方、保険、建設、医薬品、水産・農林、小売、卸売、化学など13 業種は上昇。個別では、株式公開買い付け(TOB)が成立し、27日付 で連結子会社化するとイオンが発表したダイエーが高い。東洋水産と日 清食品ホールディングスも上昇。北米の即席麺事業の利益予想を増額 し、SMBC日興証券が両社の投資判断を引き上げた。

東証1部の売買高は低調で、概算で19億3177万株と3日ぶりの20億 株割れ。売買代金は1兆6025億円、値上がり銘柄数は892、値下が り735。国内新興市場では、東証ジャスダック指数が0.7%安の84.51、 マザーズ指数が2.9%安の678.52とともに3日続落。

--取材協力:Yoshiaki Nohara. Editor: 院去信太郎

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