債券下落、米金利上昇が重し-20年債利回りは2週間ぶり高水準

債券相場は下落。米金利が量的緩和 (QE)の早期縮小を警戒して上昇したことが重しとなった。新発20年 国債利回りは8日以来の高水準を付けた。

この日は朝方から債券売りが優勢。前日公表された米連邦公開市場 委員会(FOMC)議事録で年内のQE縮小へ広範な支持が示されたこ とを受けて、米国債相場が反落した流れを引き継いだ。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「債券相場は高 値圏にあり、若干下押した展開となっている。海外金利の上昇もあり、 買いづらい状況」だったと説明した。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比10銭安の144円02銭で始 まった後、いったんは2銭安の144円10銭まで値を戻す場面があった。 しかしその後は、国内株価が下落幅を縮小したほか、アジア市場でも 米10年国債利回りが上昇し、2011年7月以来となる2.9%台乗せとなっ たことなどを受けて、売りが膨らんだ。一時は30銭安の143円82銭まで 下落し、20日以来の安値を付けた。結局、19銭安の143円93銭で引け た。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の329回債利回 りは同1ベーシスポイント(bp)高い0.74%で始まった後、徐々に水準 を切り上げ、一時2.5bp高い0.755%をつけた。午後3時過ぎは0.75%で 推移している。

中期債や超長期債も軟調だった。新発5年物国債113回債利回りは 一時2bp高い0.295%に上昇。新発20年国債の145回債利回りは一 時1.70%を付けた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは、「米長期金利の上昇は国内債にも悪影響を与えている。8月初め にかけて外債購入した投資家に含み損の可能性もある」と指摘。ただ、 「需給環境がなお良好であることがサポート要因」とも述べていた。

財務省がこの日実施した流動性供給の入札結果は、公社債店頭売買 参考平均値と比較した最大利回り較差がプラス0.010%、平均利回り較 差はプラス0.008%となった。発行額は3000億円程度。対象銘柄は10年 利付国債の299回債から327回債まで。また20年物利付国債の51回債か ら106回債までだった。ドイツ証の山下氏によると、朝方は、流動性供 給入札が重しとなったものの、「入札の結果は普通だった」と言う。

21日の米国債相場は下落。30年債利回りが2年ぶり高水準に押し上 げられた。米10年国債利回りは前日比8bp上昇の2.89%程度。また米国 株も下落。S&P500種株価指数は前日比0.6%安の1642.80と、7月8 日以来の安値。ダウ工業株30種平均は105.44ドル(0.7%)下げ て14897.55ドルだった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が21日公表した7月30、31日開催 のFOMC議事録によれば、ほぼ全参加者は景気が予想通り改善された 場合、債券購入のペースを年内に減速させるというバーナンキ議長の計 画を「おおむね支持」していることが分かった。2、3人は「近いうち 」に縮小開始が必要になる可能性を指摘した。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは、「米国で は、実質長期金利が短期間のうちに急激に上昇したが、金融政策の先行 き不透明感から上げ止まる気配がない。実質長期金利と米国株価の相関 を重視するのであれば、米国株価は、年末にかけ、それなりに大きな調 整圧力を受けるリスクがある」と分析した。

国内株式市場でTOPIXは3営業日続落。前日比2.18ポイント安 の1119.56で取引を終えた。

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