8月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロやフランが上昇、新興市場からの資金引き揚げで

ニューヨーク外国為替市場ではユーロとスイス・フランが上昇。ア ジア株とアジア通貨の下落が新興市場からの資金引き揚げを示唆したこ とが買いを誘った。

ドルは主要通貨の過半数に対して下落。シカゴ地区連銀の全米活動 指数が予想を下回り、下げ足を速めた。円は対ドルで3日ぶりに上昇。 インド・ルピーは再び最安値を更新、インドネシア・ルピアは2009年4 月以来の安値となった。米金融当局が債券購入を縮小すれば、アジア市 場から資金が逃避するとの懸念が背景にある。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の マネジングディレクター、ブラッド・べクテル氏は電話インタビュー で、「日本以外のアジア通貨の動きから判断すると、全般的にポートフ ォリオ資金が新興市場からシフトしている」と指摘。「この日のユーロ の動きはバリアを崩そうとするものだ。オプション絡みで1.3450ドルが バリアになっていた。それを破ろうとする決定的な動きが見られ、それ が成功した」と語った。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.6%高 の1ユーロ=1.3417ドル。一時は1.3452ドルと、2月14日以来の高値を 付けた。対円では0.3%高の1ユーロ=130円51銭。円はドルに対 し0.3%高い1ドル=97円27銭。スイス・フランは対ドルで0.7%高の1 ドル=91.73サンチーム。対ユーロでは0.1%高。

MSCIアジア太平洋指数は1.7%下落。一方、S&P500種株価指 数は0.4%上昇した。

焦点は米金融当局に

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏(ロンドン在勤)は新興市場通貨と先進国通貨のパフォーマンスの違 いに世界的な注目が集まったことが、ユーロとポンドの支援材料になっ たと指摘。その上で、米金融当局に注目が集まるため、その強さは長続 きしないとの見方も示した。さらに、ユーロの上値は1.3460ドルで重く なる可能性が高いと述べた。

シカゴ連銀の全米活動指数は7月にマイナス0.15と、6月のマイナ ス0.23(改定値)から上向いた。ブルームバーグがまとめた予想はマイ ナス0.10だった。

連邦準備制度理事会(FRB)は21日に7月の連邦公開市場委員会 (FOMC)議事録を公表する。早ければ9月17-18日の会合で月850 億ドルの債券購入を縮小させ始めるかどうかをめぐり、議事録の内容に 注目が集まっている。

推測ゲーム

みずほフィナンシャルグループの法人外国為替セールスバイスプレ ジデント、ファビアン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「米金融 当局による緩和縮小をめぐる推測ゲームは続いているようだ。この数日 間、これといった経済指標が出ていない。ドルが売られている以外に、 特筆すべきことはない」と述べた。

ピアポント・セキュリティーズ・ホールディングス(コネティカッ ト州スタンフォード)のグローバルストラテジスト、ロバート・シンチ 氏は電話インタビューで、「一部アジア新興市場通貨の軟調と円の小幅 高は大規模なリスク回避の動きと一致している」と発言。ユーロとフラ ンについては「新興市場から資金を引き揚げている欧州の投資家がい る。かなりの規模のようだ」と語った。

インド・ルピーは0.2%安の1ドル=63.23ルピー。一時は64.12ル ピーまで下げ、最安値を記録した。

原題:Euro Rises With Franc on Emerging-Market Flows; Rupiah Tumbles(抜粋)

◎米国株:S&P500種反発、小売り決算好感-FOMC議事録に注目

米株式市場ではS&P500種株価指数が5営業日ぶりに反発。小売 り各社の決算が予想を上回ったことが手掛かり。ただ金融政策に関連し たイベントを控え、様子見姿勢も続いた。

ベスト・バイは大幅高。決算では売上高が市場予想を上回った。デ ィスカウントチェーンを展開するTJXも上昇。利益が予想を上回っ た。衣料・家庭用品小売りのアーバン・アウトフィッターズは、ウェド ブッシュ・セキュリティーズによる投資判断引き上げを手掛かりに買い 進まれた。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1652.35。ダウ工業株30種 平均は7.75ドル(0.1%)未満下げて15002.99ドル。一時0.4%高まで上 げる場面もあった。ダウ平均はこれで5営業日続落となった。

ノースコースト・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 フランク・インガーラ氏は電話取材で、「小売り決算はかなり良い内容 だった。消費者は購買意欲を失ってはおらず、良い方向に進んでいるこ とを示している」とし、「金融当局の緩和縮小には依然注目が集まって いる。当社は慎重ながらも強気な姿勢で、株式へのエクスポージャーを ほぼ最大にしている」と説明した。

緩和縮小観測などを手掛かりにS&P500種は前日までの4営業日 で2.9%下落した。

金融政策に注目

金融当局は21日に米連邦公開市場委員会(FOMC)会合(7月30 -31日開催)の議事録を公表する。市場参加者は資産購入の縮小に関す る手掛かりを求めており、政策当局者らの発言に注目している。今週は ワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー連銀主催の年次シ ンポジウムが開催される。ブルームバーグが今月9-13日に実施したエ コノミスト調査では、65%が9月のFOMCで債券購入の縮小が決定さ れると予想している。

ジョンソン・レッドブック・リサーチこの日の発表によると、米既 存店売上高は8月17日の週に前月比0.2%増となった。前年同週比で は3.4%増。

金融当局の緩和策を受け、S&P500種指数は09年の弱気相場の安 値から150%余り上昇している。8月2日には終値ベースで過去最高値 を更新した。それ以降、前日までに3.7%下げている。

キャボット・マネー・マネジメントのポートフォリオマネジャー、 クレイグ・ゴリル氏は「ここ数週間はかなり下げた」とし、「センチメ ントが一方向に若干行き過ぎた」と続けた。

ベスト・バイが高い

S&P500種の業種別10指数では8指数が上昇。公益株は0.8%高と なった。選択的消費株は0.9%上げた。

ベスト・バイは13%高の34.80ドルと、半年ぶり高値。同社の5- 7月(第2四半期)決算は、利益が四半期としてはここ2年余りで最高 となった。コスト削減が奏功した。

TJXは6.9%高の54.24ドル。第2四半期決算は利益と売上高がア ナリスト予想を上回った。同社は通期の利益予想を上方修正した。

アーバン・アウトフィッターズは8.2%高の43.19ドル。同社の第2 四半期決算は利益が1株当たり51セントと、アナリストの予想平均を3 セント上回った。

原題:U.S. Stocks Halt 4 Days of Losses Amid Retail Reports, Fed Bets(抜粋)

◎米国債:4日ぶりに上昇、安全逃避の買い-新興国市場の波乱で

米国債相場は反発。4日ぶりに上昇した。米金融当局による緩和策 縮小の打撃が弱い新興市場国経済に及ぶとの見方から、安全への逃避と して米国債が買われた。

10年債利回りは約2年ぶりの高水準から下落。テクニカル分析では 近く方向を転換する可能性が示唆されていた。新興市場国の株式相場は 6週間ぶりの大幅安。インドネシア株は連日の大幅下落。タイとインド では資本流出が加速するとの見方から、通貨が売りを浴びた。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「新興国ワールドに大きな衝撃が走った。緩和縮小 とその影響が心配されている」と指摘。「刺激引き揚げに備えたマネー の動きが見られる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて2.81%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還) 価格は18/32上げて97 9/32。利回りは前日、2.90%に上昇し、2011年7 月以来の高水準を付けていた。

ブルームバーグ米国債指数によると、今年の米国債のリターンは19 日の時点で3.8%のマイナス。昨年通年では2.2%のプラスだった。

カルバート・インベストメンツの運用担当者、マシュー・ドゥチ氏 (メリーランド州ベセスダ在勤)は「ここのところかなり売り込まれて いたので、バリュー狙いの買いが入ってきた」と指摘。「FOMC議事 録は市場に方向性を示す重要なものになるかもしれない」と述べた。

緩和縮小の第一歩

ブルームバーグが先週発表した調査では緩和縮小の第一歩は9月に 踏み出され、当初は月間の購入額を100億ドル減額して750億ドルになる と予想されている。

バーナンキ議長率いるFOMCは、米連邦準備制度理事会 (FRB)のバランスシートを過去最大の3兆5900億ドルに膨張させた 大規模債券購入をどのように終わらせるか検討している。ブルームバー グが9-13日にまとめたエコノミスト48人の調査では、2014年半ばには 購入プログラムを終了するというのが予想中央値となっている。

相場のモメンタムを測る指数に基づくと、米国債は売られ過ぎの状 態にある。10年債利回りの相対力指数(RSI、14日)は前日に70の節 目を超えていた。最後にこの水準を上回っていたのは7月5日。相場は その後2週間にわたって上昇局面を迎えた。

雇用者数で確認

ビアンコ・リサーチ(シカゴ)のジム・ビアンコ社長は「利回りの 低下は、FOMCが緩和縮小の数カ月先送りを明らかにした場合にのみ 可能になる。そういうことにはならないだろう」と述べた。

FOMCは7月会合後に発表した声明で、失業率が6.5%を上回 り、今後1ー2年のインフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限 り、政策金利をゼロ近辺にとどめる方針を維持した。

ソシエテのマーフィー氏は「緩和縮小が始まるのを雇用者数で確認 したいと大方が考えているのが現実だ」と語る。「20万人以上であれば 債券購入の縮小を始める余地は十分だということになる」と続けた。

原題:Treasuries Rise First Time in 4 Days Amid Emerging-Market Rout(抜粋)

◎NY金:反発、ドル下落で代替投資の買い-FOMC議事録に注目

ニューヨーク金先物相場は反発。ドルの下落を背景に、代替投資と して金が買われた。過去5営業日では4日目の上昇。

主要10通貨に対するブルームバーグ・ドル指数は一時0.4%安と、 3営業日ぶりに下落。ドルは今年に入って前日までに3.7%上昇、金は 同期間に19%下げている。21日には米連邦公開市場委員会(FOMC) の議事録(7月30-31日分)が公表される。緩和縮小時期についての手 掛かりを得ようと、投資家の注目が集まっている。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「ドルが 金相場を支えている」と指摘。「FOMC議事録では明確な示唆が期待 されている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.5%高の1オンス=1372.60ドルで終了。一時は1%値下 がりする場面もあった。

原題:Gold Rises as Weaker Dollar Boosts Demand for Alternative Asset(抜粋)

◎NY原油:続落、米緩和縮小観測で2カ月ぶりの大幅安

ニューヨーク原油先物相場は続落。米金融当局が9月に緩和縮小 に踏み切るとの観測が強まるなか、2カ月ぶりの大幅安となった。

21日に公表される7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録 に、月間850億ドルの債券購入プログラムを縮小する時期について、討 議の様子が記されるとして注目が集まっている。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の アナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「市場には何ら先 行きを示すモメンタムが見られない。緩和縮小の観測が上値を抑えてい る」と指摘。「限月交代に伴うポジション調整も相場下落につながった ようだ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比2.14ドル(2.00%)安の1バレル=104.96ドルで終了。6月20日以来 の大幅安。9月限はこの日が最終取引。事実上の中心限月である10月限 は1.75ドル(1.6%)下げて1バレル=105.11ドル。

原題:Crude Declines Most in Two Months on Fed Stimulus Speculation(抜粋)

◎欧州株:続落、米量的緩和縮小との観測で-BHPビリトンが安い

20日の欧州株式相場は下落。アジア株安の流れを引き継ぎ、指標 のストックス欧州600指数は続落となった。米金融当局が早ければ来 月にも債券購入策を縮小するとの観測が広がっている。

英豪系鉱山会社BHPビリトンは1.7%安。通期の純利益がアナリ スト予想に届かなかったことが売り材料。スイスの資源会社、グレンコ ア・エクストラータは1.6%下げた。上期の調整ベースの純利益が事前 予想を上回ったものの、統合後の新会社発足に伴うのれん代償却費用と して77億ドルが発生したことが嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%安の302.25で終了。米連邦準 備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が米景気が見通し通りに改善 すれば緩和縮小は可能だと示唆した5月22日以降、同指数は2.7%下げ ている。

クーツ(ロンドン)のグローバル株式戦略部門の責任者、ジェーム ズ・バターフィル氏は電話インタビューで、「市場では明らかに不安が 高まっている。米当局による金融緩和縮小が懸念されているようだ」と し、「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録があす発表される。縮 小決定はどちらかと言えば12月ではなく9月となる確率が高まっている が、その時期はなお流動的だと当社はみている」と語った。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、エコノミス トの65%は9月のFOMCで月間850億ドルの債券購入策の縮小が決定 されると予想している。調査は今月9-13日に行われた。

20日の西欧市場では18カ国中17カ国で主要株価指数が下落した。

原題:European Stocks Decline Amid Speculation Fed Will Pare Stimulus(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債上昇、英国債7日ぶり反発-FOMC議事録に注目

20日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇し、10年債利回りは前 日付けた約1年5カ月ぶりの高水準から低下した。21日公表される米 連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に、量的緩和の縮小に向けた 姿勢が示唆されるとの観測が強まっている。

オーストリアとオランダ、フランスの国債も買われた。欧州株安に 加え、7月のドイツ生産者物価が予想に反して下落したことから、比較 的安全な資産の需要が再び高まった。41億5000万ユーロ相当の証券を発 行したスペインでは、10年債が続落した。ギリシャ国債も大きく下げ た。欧州中央銀行(ECB)のアスムセン理事は21日にアテネを訪問す る。

DZ銀行のアナリスト、クリスチャン・ライシター氏(フランクフ ト在勤)は、「最近の利回りの動きが極めて大きかったことへの単なる 反動だ」とし、「米当局が債券購入の縮小方針を明らかにすると見られ ている。こうした見方はここ数日間で強まっている」と語った。

ロンドン時間午後4時23分現在、ドイツ10年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.84%。前日は1.92% と、3月27日以来の高水準を付けた。同国債(表面利率1.5%、2023年 5月償還)価格はこの日、0.52上げ97.02。

オーストリア国債の10年物利回りは4bp低下し2.27%、同年限の オランダ国債利回りは3bp下げ2.27%、フランス10年債利回りは4b p下げて2.40%となった。

英国債市場では、10年債が7営業日ぶりに上昇。世界的な株安で比 較的安全とされる英国債の需要が増えた。

英10年債利回りはロンドン時間午後4時37分現在、前日比8bp低 下の2.67%。19日には2.75%まで上げ、2011年8月8日以来の最高に達 した。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの 日、0.595上げて92.66。

原題:German Bond Yields Drop From 17-Month High on Fed Taper Concern(抜粋) U.K. Gilts Advance for First Time in Seven Days as Stocks Slide (抜粋)

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