米国債:4日ぶりに上昇、新興国市場の波乱で安全への逃避

米国債相場は反発。4日ぶりに上昇 した。米金融当局による緩和策縮小の打撃が弱い新興市場国経済に及ぶ との見方から、安全への逃避として米国債が買われた。

10年債利回りは約2年ぶりの高水準から下落。テクニカル分析では 近く方向を転換する可能性が示唆されていた。新興市場国の株式相場は 6週間ぶりの大幅安。インドネシア株は連日の大幅下落。タイとインド では資本流出が加速するとの見方から、通貨が売りを浴びた。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「新興国ワールドに大きな衝撃が走った。緩和縮小 とその影響が心配されている」と指摘。「刺激引き揚げに備えたマネー の動きが見られる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて2.81%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還) 価格は18/32上げて97 9/32。利回りは前日、2.90%に上昇し、2011年7 月以来の高水準を付けていた。

ブルームバーグ米国債指数によると、今年の米国債のリターンは19 日の時点で3.8%のマイナス。昨年通年では2.2%のプラスだった。

カルバート・インベストメンツの運用担当者、マシュー・ドゥチ氏 (メリーランド州ベセスダ在勤)は「ここのところかなり売り込まれて いたので、バリュー狙いの買いが入ってきた」と指摘。「FOMC議事 録は市場に方向性を示す重要なものになるかもしれない」と述べた。

緩和縮小の第一歩

ブルームバーグが先週発表した調査では緩和縮小の第一歩は9月に 踏み出され、当初は月間の購入額を100億ドル減額して750億ドルになる と予想されている。

バーナンキ議長率いるFOMCは、米連邦準備制度理事会 (FRB)のバランスシートを過去最大の3兆5900億ドルに膨張させた 大規模債券購入をどのように終わらせるか検討している。ブルームバー グが9-13日にまとめたエコノミスト48人の調査では、2014年半ばには 購入プログラムを終了するというのが予想中央値となっている。

相場のモメンタムを測る指数に基づくと、米国債は売られ過ぎの状 態にある。10年債利回りの相対力指数(RSI、14日)は前日に70の節 目を超えていた。最後にこの水準を上回っていたのは7月5日。相場は その後2週間にわたって上昇局面を迎えた。

雇用者数で確認

ビアンコ・リサーチ(シカゴ)のジム・ビアンコ社長は「利回りの 低下は、FOMCが緩和縮小の数カ月先送りを明らかにした場合にのみ 可能になる。そういうことにはならないだろう」と述べた。

FOMCは7月会合後に発表した声明で、失業率が6.5%を上回 り、今後1ー2年のインフレ率が2.5%以下にとどまると予想される限 り、政策金利をゼロ近辺にとどめる方針を維持した。

ソシエテのマーフィー氏は「緩和縮小が始まるのを雇用者数で確認 したいと大方が考えているのが現実だ」と語る。「20万人以上であれば 債券購入の縮小を始める余地は十分だということになる」と続けた。

原題:Treasuries Rise First Time in 4 Days Amid Emerging-Market Rout(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton. Editor: Dave Liedtka

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