ケイマンの秘密主義崩壊か、消える資金逃避先-バミューダも

米政府の厳しい監視の目を逃れて、 資金を海外に隠しておきたい米国の富裕層にとって、ヘイブン(安全な 逃避先)と考えられてきたカリブ海に浮かぶ英領ケイマン諸島が、これ までのように人目につかない秘密の場所でなくなろうとしている。

米国では各国との協定の締結を経て、2010年に成立した外国口座税 務コンプライアンス法(FATCA)が施行される。外国の銀行は内国 歳入庁(IRS)に口座に関する報告が義務付けられる。そうしなけれ ば、30%の源泉課税が適用される場合もあるため、海外に資金を隠すこ とが一層難しくなる。

ブルームバーグBNAによれば、ケイマン諸島は、数十の銀行やフ ァンド、ウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)会社が事業拠点 を置く主要な金融センターであり、租税回避の防止を目指す協定の意味 は大きい。ケイマン諸島を拠点にビジネスを行う主要銀行には、カナダ のノバスコシア銀行やロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、英 銀HSBCホールディングス、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、ド イツ銀行、スイス最大の銀行UBS、CIBCファーストカリビーン・ インターナショナル・バンクが含まれる。

IRSで勤務した経験もあり、現在はブレーガー・タックス・ロ ー・グループ(ロサンゼルス)を率いているデニス・ブレーガー氏は 「ケイマン諸島もスイスと同じように秘密主義に貫かれた管轄区域だと 伝統的に考えられてきた」と指摘。「ひどく動揺して私のオフィスを訪 れる人々は、自分たちの銀行はあまりにも小さいとか、遠く離れた国で あるとか、情報が気付かれにくいと考えていたが、当局の手に情報が引 き渡される現実に直面せざるを得ない」と話す。

米国はFATCAの実施に向けて、今年2月にスイスとの間で政府 間協定を締結。ケイマン諸島との協定は、米国の納税者の口座が、多方 面から政府の監視にますますさらされることを意味する新たな兆候とい える。金融業の拠点となっている英領バミューダ諸島やバハマとの間で も、同様の協定の締結に向けた協議が行われている。

原題:Caymans Accord Makes It Tougher for Wealthy to Hide Money: Taxes(抜粋)

--取材協力:Richard Rubin、Doug Alexander. Editors: Robin Meszoly, Jodi Schneider

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