円が全面高、株安加速でリスク回避の動き広がる

東京外国為替市場の円は全面高。米 国の量的金融緩和策の早期縮小観測やアジア株の大幅な下落を受け、リ スク回避的な円買いの動きが優勢となった。

この日の相場は前日に引き続き株価や債券利回りの動向をにらんだ 展開に終始。TOPIXなどが下落幅を大きく縮小した午前の取引では 円売りが強まる場面があったが、午後からは株価が一段安となったのに 伴い、円買いが加速した。円は主要16通貨全てに対して上昇している。

東京株式相場では、インドやインドネシアを中心に新興国経済への 懸念が台頭。TOPIX、日経平均株価はともにおよそ2カ月ぶりの安 値を付けた。ドル・円相場は株安を受けて一時1ドル=97円18銭と、16 日以来の水準まで円高・ドル安が進んだ。

午前10時半にオーストラリア準備銀行(中央銀行)が公表した6日 の金融政策決定会合の議事録では、政策決定には為替相場の方向が重要 になると指摘されていたことや、豪ドルの水準について過去の基準では 依然として高いとみられていたことが明らかになった。

豪ドル・米ドル相場は一時1豪ドル=0.9036米ドルと、朝方に付け た高値0.9133米ドルから豪ドル安が進行。豪ドル・円相場も1豪ドル =89円23銭前後から87円86銭前後まで豪ドルが売られた。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長は、「米金利はもう下がりづ らくなっており、上昇は織り込む展開だが、米株安や新興国売りに伴う リスク回避もあって、ドル・円相場では相殺されている感じだ」と述べ ていた。

19日の米株式相場は下落し、S&P500種株価指数は今年初めて4 営業日続落となった。米国債相場も続落し、10年債利回りは2.9%程度 と2011年7月以来の高水準を付けた。ただ、この日のアジア時間の同債 利回りは一時2.82%まで低下している。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨ストラ テジストは、この日のドル・円相場について、「起点は米QE(量的緩 和)縮小観測の織り込み一服による米債利回りの低下。それでドル売り 主導の相場展開となり、ドル売りの対象として、アベノミクスの鮮度が かなり色あせた円が選ばれた」と指摘していた。

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