ドル・円は97円台、株価にらみ上下振れる-米緩和縮小を警戒

東京外国為替市場ではドル・円相場 は1ドル=97円台で推移。米量的緩和の縮小観測を背景に不安定な動き が続く株式相場をにらんで、狭いレンジの中で上下した。

97円台半ばで週明けの東京市場を迎えたドル・円は、米長期金利の 上昇による日米金利差拡大や予想を上回る日本の貿易赤字を手掛かり に、一時97円86銭までドル買い・円売りが進行。しかし、お盆休み明け で国内輸出企業のドル売りも意識される中、日本株のマイナス転換につ れて円買いが活発となり、午前10時すぎには97円36銭まで値を下げた。 その後は日本株が再びプラス圏に浮上したのを受けて円はじり安とな り、午後には97円70銭前後まで値を戻した。午後3時40分現在は97円75 銭前後。

シティバンク銀行個人金融部門の尾河眞樹シニアFXマーケットア ナリストは、「日米で金利差がこれだけ開いているということは、本来 ドル高・円安の話だが、リスク資産の下落を伴ってしまっているために 素直にドル高の方に反応できないでいる」と指摘。今週公表される米連 邦公開市場委員会(FOMC)議事録で9月の量的緩和縮小が示唆され た場合も「基本的にはドル高の話だが、株価の動きによっては素直にド ル高になるか微妙なところだ」と話した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=130円ちょうど前後から一時130円43銭 までユーロ買い・円売りが進んだ後、129円86銭まで円が反発し、同時 刻現在は130円19銭前後。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.33ドル台前 半で一進一退の展開が続いた。

米量的緩和縮小観測

米10年債利回りは先週、週間ベースで7月初め以来の大幅上昇。米 景気回復が強さを増す中、金融当局が9月に債券購入プログラムを縮小 するとの見方が広がった。16日には一時、2.86%と2011年7月以来の水 準まで上昇。ブルームバーグ・データによると、日本との利回り格差は 同5月以来の水準に拡大した。米国債相場は19日のアジア時間も続落 し、10年債利回りは一時2.87%に上昇した。

尾河氏は、「基調として米景気の回復は変わらないだろうが、足元 でさえない指標が出ている中で、米長期金利が2.8%台まで上昇してい るのを見て、量的緩和縮小が早過ぎるのではないかとか金利上昇が景気 の足かせになるのではないかという懸念が最近の米株の続落につながっ ていると思う」と話した。

16日の米国株は続落。同日発表された米経済指標では、7月の住宅 着工件数が前月比で増加したが、消費者マインド指数は低下した。一 方、週明けの東京株式相場は前週末終値を挟んでもみ合っていたが、引 けにかけて買いが強まり、3営業日ぶりに反発して引けた。

ブルームバーグが今月9-13日にエコノミストを対象に行った調査 によると、65%が9月17、18日のFOMC会合で債券購入の縮小が決定 されると予想。前月の調査では50%だった。

今週は21日に7月30、31日開催分のFOMC議事録が公表される。 経済指標では7月の中古及び新築住宅販売件数などが発表される予定。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「株価の重さ や米金利の上昇をみていると、やはり米量的緩和の縮小が意識されてい るようだ」とし、目先は「基本的には97円から98円ぐらいでもみ合う」 と予想。一方、来月に米国が量的緩和縮小を実施し、さらに日本の消費 増税が予定通り実施される方向となり、ドイツの選挙で与党が勝利する というメーンシナリオに沿った展開となれば、「リスクオンや日米の金 融政策の方向性の違いから円安が進んでいく」との見方を示した。

日本の7月の貿易収支は、事前予想を上回る1兆240億円の赤字と なった。赤字は13カ月連続で、7月としては過去最大となった。

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