【クレジット市場】ムーディーズ警告も安倍首相の増税を信頼

債券市場は安倍晋三首相の消費税引 き上げ計画に信頼感を示しつつある。米格付け会社ムーディーズ・イン ベスターズ・サービスは、消費税増税が骨抜きとなれば日本の信用力に マイナスになると警告しているが、市場は気に掛けてはいないようだ。

CMAのデータによると、日本国債を5年間保証するクレジット・ デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは先週時点で59ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)と、5月15日以来の低水準。6月末 から18bp下げた。米国債に関する同様のCDSスプレッドは同期間に 6bp低下して21bp。日本の10年債利回りは先週末時点で0.755% と、世界最低水準だった。

ムーディーズは世界最大の債務国である日本について、財政規律の 緩みが影響し、財政に対する市場の信頼感が低下する恐れがあると指摘 したが、日本国債は上昇を維持した。安倍政権は来年4月に予定してい る消費税率引き上げ実施に関して、9月9日発表の4-6月期の実質国 内総生産(GDP)改定値を有力な判断材料として重視している。麻生 太郎財務相は先週、4-6月GDP速報値について、消費税増税の判断 に向けては良い影響を与えたと述べた。

メリルリンチ日本証券の藤田昇悟・チーフ債券ストラテジストは、 「日本国債市場はドメスティックな市場。総論として、消費税増税がな くなることを信じていない」とし、「3%を通すというのがコンセンサ ス。日本人は焦っていない」と述べた。

マグマ

CMAのデータによれば、日本国債のCDSスプレッドは2011年10 月には155bpに達していた。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリ ルリンチのデータによると、日本国債の6月末以降のリターンはプラ ス0.4%。一方、米国債のリターンはマイナス1.2%となっている。

SMBC日興証券のシニアマーケットエコノミスト、岩下真理氏 は、「人為的な金利低下がつくられている中で、2%物価安定の目標達 成に向けて、良い景気、良い物価上昇に伴う自然な金利上昇がいずれは 収まるタイミングを懸念しつつも、こわごわと押し目を拾っている」と 分析。その上で、「より投資妙味のあるものを探しているが見つからな いので悩んでいるのが実態。今動いていない分マグマがたまっているの で、動き出すとボラティリティがすごく上がるリスクは皆認識してい る」との見方を示した。

原題:Moody’s Ignored as Abe Tax Outlook Cuts Bond Risk: Japan

Credit(抜粋)

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