【今週の債券】長期金利0.8%乗せも、米金利上昇警戒-超長期債重い

今週の債券市場で長期金利は約2週 間ぶり高水準の0.8%台乗せを試す開が予想されている。日本銀行によ る長期国債買い入れオペで需給は良好だが、米国10年国債利回りが量的 緩和縮小の観測を背景に2年ぶり高水準に達しており、国内金利にも上 昇圧力が掛かりやすいためだ。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが16日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.69%-0.80%となった。予想レンジの上限0.80%を付ければ2 日以来の高水準となる。前週末終値は0.755%だった。

前週の長期金利は13日に0.73%と約3カ月ぶりの低水準を記録し た。日銀の長期国債買い入れオペで需給が改善する中、13日実施の5年 債入札で応札倍率が過去最高となるなど順調な結果となったことが買い 材料となった。もっとも、週末には米長期金利の上昇につれて、0.7% 台半ばに水準を切り上げた。

16日の米国債市場で米10年国債利回りは一時、2.86%と2011年7月 以来の高水準を付けた。早期の量的緩和策縮小観測の広がりが背景。ブ ルームバーグ・ニュースの調査によると、9月17、18日に開催される米 連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入プログラムの縮小を開始す る、と回答したエコノミストの65%が予想した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、良好な国債需給とグロ ーバルな景気回復との綱引きが続くが、9月初めにかけて後者が優位と なる材料が増えそうだと指摘。「5月には日本国債の金利が米国債に先 んじて上昇したが、今は出遅れ感がある」とも言う。

40年債入札

20日に40年利付国債(8月発行)の利回り競争入札が実施される。 前回の6回債と銘柄統合するリオープン発行で、表面利率(クーポン) は1.9%となる見込み。発行額は4000億円程度。新発40年債利回りは前 週末に1.9%付近で引けており、投資家から一定の需要があるとの見方 が出ている。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は9月物、10年国債利回りは329回債。

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長

先物9月物143円30銭-144円24銭

10年国債利回り=0.73%-0.80%

「3カ月続いた金利低下局面はそろそろ終わるのではないか。超長 期ゾーンを中心に上値が重い。海外金利が全般的に上昇基調にあること も警戒だ。日銀の国債買い入れが需給を支えているものの、最近の10年 金利は下がり過ぎとみており、超長期債の重さを見れば買いづらくな る。40年債の入札自体は無難と予想するが、日銀オペへの売却目的が多 いとみられ、オペで売却できなかった場合の売りには注意が必要だ」

◎SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジスト

先物9月物143円40銭-144円50銭

10年国債利回り=0.69%-0.80%

「国内外での重要なイベントは9月まで見当たらない。引き続き夏 枯れ相場の下、消去法的な国債投資が継続されよう。日銀による長期国 債買い入れオペは週2-3回のペースで予想され、良好な需給関係に変 化はなさそうだ。9-10月に予想される相場の転換点までは押し目を拾 う展開が続くとみている。40年債入札は6回債のリオープン発行とな り、クーポンは1.9%。下値には生命保険などの需要が見込めそうだ」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物9月物143円50銭-144円30銭

10年国債利回り=0.72%-0.80%

「米量的緩和縮小への流れの中で、新興国を含めて、世界の金融市 場の動向を見極めたい。米国債には緩和縮小に向けて多少売り圧力が出 るものの、どの段階で金利が落ち着くかが焦点になるとみている。緩和 縮小を織り込み過ぎて、米金利が低下に向かえば、日本国債にも買いが 入りやすい。40年債入札は、発行額が小さいため無難に消化されるとみ ている」

--取材協力:池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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