日本株続落、米緩和縮小懸念し素材中心売り-中国波乱影響も

東京株式相場は続落。雇用情勢の改 善を受け、米国の金融緩和策縮小による影響が懸念された。非鉄金属や 鉄鋼、パルプ・紙など素材関連株が業種別下落率の上位に並び、保険な ど金融、機械など輸出関連株も安い。

TOPIXの終値は前日比9.17ポイント(0.8%)安の1142.65、日 経平均株価は102円83銭(0.7%)安の1万3650円11銭。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「きのう発 表された米国の製造業活動は弱く、米供給管理協会(ISM)製造業景 況指数の発表に向けてネガティブ」と指摘。米景気の回復は緩やかにな っており、「量的緩和を縮小するなら、景気の足取りは強いものであっ てほしい」と話した。

米労働省によると、先週の新規失業保険申請件数は前週から1 万5000件減少し、32万件と前回リセッション(景気後退)入り直前 の2007年10月以来の低水準となった。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は33万5000件だった。

雇用情勢の改善で来月にも金融当局による債券購入規模が縮小され るとみられ、きのうの米10年債利回りは2年ぶりの高水準となる2.82% まで上昇(債券価格は下落)。金利高が警戒され、米S&P500種株価 指数は6月20日以来の下落率を記録するなど大幅続落。米国株に対する 投資家の不安心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は、15 日に13%高の14.73と急伸した。

雇用、製造業活動の米統計に温度差

みずほ証券投資情報部の倉持靖彦副部長によると、「労働指標堅調 を受けて米当局による債券購入規模の縮小幅が想定以上に大きくなるの ではとの観測がある」と言う。投資のベンチマーク金利となる「米10年 債利回りが直近高値を抜いてきたことから、リスク資産は短期的にボラ ティリティに対する懸念が出ている」としていた。

ただ、雇用指標が良かった半面、フィラデルフィア連銀とニューヨ ーク連銀の管轄区における8月の製造業活動は予想を下回るペースでの 拡大にとどまった。三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテ ジストは、「米量的緩和縮小で支えがなくなり、業績がどれだけ耐えら れるかの自信の問題だ」と指摘。米国株安の流れの中で「本当に量的緩 和縮小ができるのか、疑問」と言う。

東証1部業種別33指数は、鉱業と証券・商品先物取引、サービスを 除く30業種が下落。下落率上位には紙パ、保険、非鉄、鉄鋼、電気・ガ ス、情報・通信、機械が並んだ。米金利高で金融マーケットが不安定に なる中、TOPIXの下落寄与度トップは銀行。瀬良氏は、「法人税の 引き下げで企業の投資意欲が変わるかもしれないという期待があった が、きのうの菅官房長官の否定ではしごを外された」と振り返る。

上海一時急伸、日経平均下げ渋り場面も

日経平均が心理的節目の1万3500円に接近した場面では、底堅さも 見られた。また、中国の上海総合指数が一時急伸した影響もあり、午後 は下げ渋り。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは、「米 長期金利上昇の背景には景気の良好さがある。世界景気、特に新興国景 気も戻ってきている」とし、1万3500円以下は「バリュエーション面で も相当割安感が強い」とも話した。

東証1部の売買高は概算で18億7447万株、売買代金は1兆6246億 円。値上がり銘柄数は426、値下がりは1184。

一方、新興市場は4連騰となった。きょう終値はジャスダック指数 が前日比0.3%高の86.08、マザーズ指数が0.6%高の693.58。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editor: 院去信太郎

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE