8月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが1週間ぶり高値から下落-米資産価格下落に反応

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが1週間ぶり高値から下落。 金融当局が9月にも緩和策の縮小を始めるとの観測から、米ドル建て資 産の需要が落ち込んだ。

ドルは朝方上昇したが、その後株価下落や米国債利回りが2年ぶり 高水準を付けたことに反応し、ユーロと円に対して下げに転じた。ポン ドは対ドルで8週ぶり高値に上昇。英小売売上高が予想を上回る伸びと なったことを受けた。ブルームバーグ米ドル指数は、新規失業保険申請 件数がほぼ6年ぶりの低水準となったことを手掛かりに、一時上昇し た。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、リチャード・ギルフ ーリー氏は「株式相場の下落と債券利回り上昇で、ドル売りが続いてい る」とし、「きょうの指標改善は誤解を招く」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ米ドル指数は前日 比0.5%低下の1020.16。一時0.4%上昇の1028.72となった。

ドルは対ユーロで0.7%下落の1ユーロ=1.3347ドル。対円で は0.8%安の1ドル=97円37銭。円は対ユーロで0.1%高の1ユーロ =129円97銭。

米10年債利回りは2.77%。一時2.82%と、2011年8月以来の高水準 を付けた。S&P500種株価指数は1.4%安。

ポンドは対ドルで過去1カ月に3.6%上昇。サービス業景気指数や 住宅価格など好調な経済指標が手掛かりとなった。この日は対ドル で0.9%高の1ポンド=1.5644ドル。一時1.5652ドルと、6月19日以来 の高値を付けた。対ユーロでは0.2%上げて1ユーロ=85.33ペンス。一 時85.05ペンスと、7月3日以来の高値となった。

経済指標とドルの動き

米労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は前週から1万5000件減少して32万件と、前回リセッション(景 気後退)入り直前の2007年10月以来の低水準となった。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は33万5000件だっ た。これを手掛かりにドルは一時上昇した。

ただその後、7月の米鉱工業生産指数が前月比横ばいとなったこと を受けて上げを消した。エコノミスト予想は0.3%上昇だった。前月 は0.2%上昇(速報値0.3%上昇)に下方修正された。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「失業保険申請の統計が発表され た時点ではドルにプラスに影響したが、その後別のデータで米経済の弱 さが示唆された」と指摘。「製造業の分野ではなお厳しさが見られる」 と続けた。

米緩和縮小

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査によれば、65%が9月 の連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入の縮小が決定されると予 想している。8月9-13日にエコノミスト43人を対象に実施した調査の 中央値では、FOMCの最初のステップは小さく、100億ドル縮小の月 額750億ドルになると見込まれている。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「縮小規模が100億ドルという 小幅なものにとどまった場合、そしてバーナンキ議長が購入減速を続け る上で急がないシナリオを示した場合、実際のところドルは緩和縮小に よって下げ始める可能性もある」と指摘した。

原題:Dollar Declines From One-Week High on Fed-Tapering Speculation(抜粋)

◎米国株:下落、金融緩和縮小の観測が強まる-ダウ平均225ドル安

15日の米国株は下落。ネットワーク機器大手シスコシステムズと小 売り大手ウォルマート・ストアーズの発表した業績予想が投資家の失望 を誘った。また、金融緩和策縮小をめぐる観測がさらに広がり債券利回 りが上昇したことも、株の売りにつながった。

S&P500種株価指数の産業別10指数はいずれも下落。特にテクノ ロジー株や消費者サービス株が値下がりした。シスコとウォルマートは 決算内容が嫌気され、いずれも下落した。一方、住宅建設株は上昇し た。

S&P500種株価指数は1.4%下げて1661.32。これは6月20日以来 で最大の下げだった。ダウ工業株30種平均は225.47ドル(1.5%)下げ て15112.19ドルと、7月3日以来の安値。

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジス ト、ジム・ラッセル氏は「決算内容が振るわず、金利も上昇し、地政学 的な懸念もある環境では株のようなリスク資産はあまり好まれない」と 述べ、「失業保険申請件数が十分に力強い内容だったので、それを受け た緩和策の縮小観測がこの日の中心的な材料だ」と続けた。

失業保険申請件数が減少

先週の米失業保険申請件数は前週比で減少し、約6年ぶりの低水準 だった。また、7月の米消費者物価は3カ月連続プラスとなった。

7月の米鉱工業生産は前月比で横ばい。フィラデルフィア連銀とニ ューヨーク連銀の管轄区における8月の製造業活動は予想を下回るペー スでの拡大となった。

ブルームバーグが8月9-13日にエコノミストを対象に行った調査 によると、65%が9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会 合で月間850億ドルの債券購入の縮小が決定されると予想。前月の調査 では50%だった。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は13%上昇の14.73と、7月8日以来で最高だった。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は1.5%低下した。KBW銀行指数は1.2%下落。構成する24銘柄はいず れも下げた。シティグループは1.4%安、JPモルガン・チェース は1.6%下げた。

ウォルマート、シスコ

ウォルマートは2.6%安。同社は通期利益見通しを下方修正し た。2013年5-7月(第2四半期)は、消費者が生活必需品以外の購入 を手控えたことから売上高に影響が出た。

シスコは7.2%安。8-10月(第1四半期)売上高の同社見通し は122億-125億ドル。アナリスト予想平均は125億ドルだった。ジョ ン・チェンバース最高経営責任者(CEO)は電話会議で、4000人を削 減することを明らかにした。

ブルームバーグがまとめたデータによると、これまでに四半期決算 を発表したS&P500種構成企業463社のうち、利益がアナリスト予想を 上回ったのは72%となっている。売上高が予想を上回ったのは55%。

メディアのガネットは5.1%下落。著名投資家で資産家のウォーレ ン・バフェット氏が率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイ が第2四半期中に同社株を手放したことが売り材料となった。

この日のS&P住宅建設株価指数は4.4%上昇。米建設業者の景況 感を示す8月の住宅市場指数は前月から上昇し、2005年以来の高水準と なった。パルトグループは5.3%高、KBホームも5.3%上昇した。

原題:U.S. Stocks Decline as Economic Data Fuel Fed Stimus Concern(抜粋)

◎米国債:下落、2011年以来の高利回り-緩和縮小観測さらに広がる

米国債相場は下落。10年債と30年債の利回りはいずれも2011年8月 以来の水準に押し上げられた。米経済の成長加速で、来月にも金融当局 による債券購入規模が縮小されるとの見方が広がった。

個人や企業の借り入れ金利の指標となる10年債利回りは一時、2年 ぶりに2.8%を上抜けた。先週の新規失業保険申請件数がほぼ6年ぶり の水準に減少したほか、米建設業者の景況感を示す8月の住宅市場指数 が2005年以来の高水準となったことが背景にある。6月の対米中長期証 券投資は前月に続く売り越し。特に海外の民間投資家による米国債の売 り越しが過去最大だった。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「米金融当局が景気刺激措置を引き揚げ始めるとみ られており、市場にネガティブなのは確かだ」と指摘。「失業保険申請 件数は一番ウエートが高かった。リセッション前の水準にあるというこ とは、労働市場にとっては明るい兆しではあることは明らかだ」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇して2.77%。一時は2011年8月1日以来の最高とな る2.82%を付けた。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格 は14/32下げて97 21/32。

弱いファンダメンタルズと高い資産価格

30年債利回りは一時3.84%と、11年8月8日以来の水準に上昇。当 時は格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の格 付けを初めて最上級AAAから引き下げたことが相場に影響していた。

世界最大の債券ファンドを持つ米パシフィック・インベストメン ト・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任 者(CEO)は、ブルームバーグ・ラジオのインタビューで「米金融当 局は刺激策を引き揚げたがっているとの見方が市場で根強い。弱いファ ンダメンタルズと非常に高い資産価格の距離がこれ以上広がるのは望ん でいない」と発言。「このかい離への疑問が浮上し始めたことと、米当 局による支援がもはやかつての強さではないとの見方が広がっている事 実が重なり、広い範囲に及ぶ売り浴びせとなった。質への逃避はない」 と述べた。

米労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は前週から1万5000件減少して32万件。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想の中央値は33万5000件だった。前週は33 万5000件(速報値33万3000件)に修正された。

どの程度の縮小か

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「経済は明るい方に変わり始めた」 と指摘。「緩和縮小があるかどうかではなく、どの程度の縮小になるの かが市場にとっては問題だ」と続けた。

7月の米消費者物価は上昇し、これで3カ月連続プラスとなった。 米労働省が発表した7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は 前月比0.2%上昇した。伸びはブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト調査の予想中央値と一致した。

全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが15日 発表した8月の米住宅市場指数は59と、前月の56(速報値57)から上昇 した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値 は57。同指数で50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみ ていることを示す。

米財務省は22日に5年物インフレ連動債(TIPS)の入札160億 ドルを予定している。4月に行われた前回入札の規模は180億ドルだっ た。

原題:Treasury Yields Rise to Highest Since 2011 on Fed Policy Outlook(抜粋)

◎NY金:大幅続伸、8週間ぶり高値-世界的な株安で質への逃避

ニューヨーク金先物相場は続伸。8週間ぶりの高値となった。株式 市場の大幅下落を背景に、安全資産としての金に買いが入った。

MSCIオールカントリー世界指数は7週間ぶりの大幅安。業界団 体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の発表によると、4- 6月(第2四半期)の世界の宝飾品需要は37%増加の575.5トン。延べ 棒とコインを合わせた世界販売は前年同期比78%増の507.6トンと、過 去最高を記録した。インドと中国の購入が好調だった。

アーチャー・フィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、アダ ム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話取材で、「株式相場 の大幅な下げを受けて、金が質への逃避先として捉えられている」と指 摘。「現物買いも支えになっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比2.1%高の1オンス=1360.90ドルで終了。中心限月として は7月22日以来の大幅上昇となった。引け後には一時1369.60ドルと、 6月19日以来の高値をつけた。

原題:Gold Jumps to Eight-Week High as Equities Drop; Palladium Gains(抜粋)

◎NY原油:5営業日続伸、エジプトの暴力激化で供給不安

ニューヨーク原油先物相場は上昇。4月以来で最長の5営業日 続伸となった。エジプトの騒乱が流血の事態にエスカレートしたこ とを受け、中東の原油供給に対する不安が高まり、北海ブレント原 油は4カ月ぶり高値を付けた。

エジプト治安部隊は前日、デモ隊の強制排除に乗り出し、全国 で500人以上が死亡。政府は非常事態を宣言した。中東産原油を欧州と 北米にタンカーで輸送する要所であるスエズ運河は、エジプトが運営し ている。この日は米失業保険申請件数の減少で金融当局による緩和縮小 観測が再燃したために、株式相場が下落。これに伴い、原油相場も上値 を削らされた。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は「エジプトの暴力激化で原油相場は上昇し ている」と指摘。「一方で株価が打撃を受け、原油市場への下押し圧力 となった。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格 は板挟みになっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比48セント(0.45%)高の1バレル107.33ドルで終了。終値としては今 月1日以来の高値となった。

原題:WTI Oil Rises a Fifth Day as Egypt Unrest Boosts Supply Concern(抜粋)

◎欧州株:約5週ぶり大幅安、米緩和縮小の観測で-チューリッヒ安い

15日の欧州株式相場は約5週間ぶりの大幅安となった。先週の米失 業保険申請件数がエコノミスト予想を下回ったことを背景に、米金融当 局が年内に債券購入策を縮小するとの見方が広がった。

スイスの保険会社チューリッヒ・インシュアランス・グループ は3.6%安。第2四半期利益がアナリスト予想を下回った。スウェーデ ンの衣料品小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は7週間ぶ りの大幅安。売り上げが予想に届かなかったことが嫌気された。英エネ ルギー会社BGグループは2.4%下げた。同社の石油・ガス生産の20% 相当を賄うエジプトでは、治安当局と反体制派の衝突で500人を超える 死者が出ている。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%安の305.34で引けた。これは 7月5日以降で最もきつい下げ。前日には5月22日以来の高値を付け た。ユーロ圏経済が4-6月(第2四半期)に7四半期ぶりにプラス成 長に回復したことが背景だった。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントの欧州株責任者、ア ンドレア・ウィリアムズ氏は「欧州株は長期にわたり上昇していたほ か、決算シーズンも終わりにある。そうしたことから、この日はやや売 りが出た」と発言。「米当局が債券購入策の縮小をどうやっていくのか という懸念が幾分ある。エジプト情勢も原油価格上昇という心配を引き 起こしている」と語った。

ブルームバーグがまとめたデータによると、ストックス欧州600指 数の取引高は100日平均を31%下回った。

米労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数は32万件に 減少。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 は33万5000件だった。

15日の西欧市場では、取引のあった14カ国全てで主要株価指数が下 落。イタリアとギリシャ、オーストリア、キプロス、ルクセンブルクは 祝日のため休場だった。

原題:European Stocks Drop the Most in Five Weeks on Fed Speculation(抜粋)

◎欧州債:イタリア債など下落、米緩和策めぐる観測-ポルトガル債上昇

15日の欧州債市場ではイタリア国債を中心に各国の国債が下落し た。先週の米失業保険申請件数の減少や米消費者物価の上昇を手掛かり に米金融当局が緩和策を縮小するとの観測が高まり、安全とされる国債 の需要が後退した。

イタリア10年債利回りは2週間ぶりの高水準となった。ドイツとフ ランス、ベルギー、オーストリアの国債も売られた。ユーロ圏で景気回 復の兆候が高まる中、ドイツ10年債利回りは1年4カ月ぶりの高水準と なった。一方、ポルトガル国債は4日続伸。14日発表の統計で、同国経 済は2010年以来のプラス成長となった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)(ロンドン)の欧州金 利戦略責任者、ピーター・シャフリク氏は「国債が大きく売られてい る」とし、「これまで発表された各種経済データの内容は強い。利上げ の見方が出ている」と語った。

ロンドン時間午後4時27分現在、イタリア10年債利回りは前日比7 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ4.25%。一時は4.29% と、8月5日以来の高水準となった。同国債(表面利率4.5%、2023年 5月償還)価格はこの日、0.515下げ102.31。

同年限のオーストリア国債利回りは6bp上昇し2.26%。フランス の10年債利回りは7bp上げ2.41%、オランダ10年債利回りも7bp上 昇の2.25%となった。

米労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数は32万件に 減少した。7月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇した。 前月は0.5%上昇だった。

ドイツ10年債利回りは6bp上昇し1.88%。一時は2012年3月以来 の高水準となる1.91%まで上げた。

一方、ポルトガル10年債利回りは8bp低下の6.42%。一時 は6.37%と、2日以来の低水準となった。

英国債相場は下落し、10年債利回りは11年8月以来の高水準を付け た。比較的安全とされる同国債の需要が後退した。

10年債利回りは5bp上げ2.68%。11年8月9日以来の最高とな る2.71%まで上げる場面もあった。同国債(表面利率1.75%、2022年9 月償還)価格は0.345下げ92.535。

原題:Italy Leads European Bonds Lower as Data Fuel Fed Tapering Bets(抜粋) Pound Climbs to Eight-Week High as Retail Sales Rise; Gilts Fall(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE