8月15日の米国マーケットサマリー:株債券ドル下落、緩和縮小観測

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3358   1.3255
ドル/円             97.16    98.14
ユーロ/円          129.79   130.08


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       15,112.19     -225.47   -1.5%
S&P500種           1,661.31     -24.08    -1.4%
ナスダック総合指数    3,606.12     -63.16    -1.7%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .34%        +.02
米国債10年物     2.77%       +.06
米国債30年物     3.82%       +.07


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,360.90    +27.50   +2.06%
原油先物         (ドル/バレル)  107.22      +.37     +.35%

◎NY外為市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが1週間ぶり高値から下落。 金融当局が9月にも緩和策の縮小を始めるとの観測から、米ドル建て資 産の需要が落ち込んだ。

ブルームバーグ米ドル指数は一時上昇。新規失業保険申請件数がほ ぼ6年ぶりの低水準となったことが手掛かり。ただその後株価下落や、 米国債利回りが2年ぶり高水準を付けたことに反応し、ドルはユーロと 円に対して下げに転じた。ポンドは対ドルで8週ぶり高値に上昇。英小 売売上高が予想を上回る伸びとなったことを受けた。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、リチャード・ギルフ ーリー氏は「株式相場の下落と債券利回り上昇で、ドル売りが続いてい る」とし、「きょうの指標改善は誤解を招く」と続けた。

ニューヨーク時間午後2時17分現在、ブルームバーグ米ドル指数は 前日比0.4%低下の1020.87。一時0.4%上昇の1028.72となった。

ドルは対ユーロで0.6%下落の1ユーロ=1.3340ドル。対円で は0.8%安の1ドル=97円34銭。円は対ユーロで0.2%高の1ユーロ =129円85銭。

◎米国株式市場

15日の米国株は下落。ネットワーク機器大手シスコシステムズと小 売り大手ウォルマート・ストアーズの発表した予想が投資家の失望を誘 った。また、金融緩和策縮小をめぐる観測がさらに広がり債券利回りが 上昇したことも売りにつながった。

S&P500種株価指数の産業別10指数はいずれも下落。特にテクノ ロジー株や消費者サービス株が値下がりした。シスコとウォルマートは 決算内容が嫌気され、いずれも下落した。

午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数は1.4%下げ て1661.32。ダウ工業株30種平均は225.47ドル(1.5%)下げて15112.19 ドル。

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジス ト、ジム・ラッセル氏は、「決算内容が振るわず、金利も上昇し、地政 学的な懸念もある環境では株のようなリスク資産はあまり好まれない」 と述べ、「失業保険申請件数が十分に力強い内容だったので、それを受 けた緩和策の縮小観測がこの日の中心的な材料だ」と続けた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。10年債と30年債の利回りはいずれも2011年8月 以来の水準に押し上げられた。米経済の成長加速で、来月にも金融当局 による債券購入規模が縮小されるとの見方が広がった。

個人や企業の借り入れ金利の指標となる10年債利回りは一時、2年 ぶりに2.8%を上抜けた。先週の新規失業保険申請件数がほぼ6年ぶり の水準に減少したほか、米建設業者の景況感を示す8月の住宅市場指数 が2005年以来の高水準となったことが背景にある。6月の対米中長期証 券投資は前月に続く売り越し。特に海外の民間投資家による米国債の売 り越しが過去最大だった。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「米金融当局が景気刺激措置を引き揚げ始めるとみ られており、市場にネガティブなのは確かだ」と指摘。「失業保険申請 件数は一番ウエートが高かった。リセッション前の水準にあるというこ とは、労働市場にとっては明るい兆しではあることは明らかだ」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後3時45分現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇して2.77%。一時は2011年8月1日以来の最高とな る2.82%を付けた。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格 は15/32下げて97 21/32。

30年債利回りは一時3.84%と、11年8月8日以来の水準に上昇。当 時は格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の格 付けを初めて最上級AAAから引き下げたことが相場に影響していた。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。8週間ぶりの高値となった。株式 市場の大幅下落を背景に、安全資産としての金に買いが入った。

MSCIオールカントリー世界指数は7週間ぶりの大幅安。業界団 体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の発表によると、4- 6月(第2四半期)の世界の宝飾品需要は37%増加の575.5トン。延べ 棒とコインを合わせた世界販売は前年同期比78%増の507.6トンと、過 去最高を記録した。インドと中国の購入が好調だった。

アーチャー・フィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、アダ ム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話取材で、「株式相場 の大幅な下げを受けて、金が質への逃避先として捉えられている」と指 摘。「現物買いも支えになっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比2.1%高の1オンス=1360.90ドルで終了。中心限月として は7月22日以来の大幅上昇となった。引け後には一時1369.60ドルと、 6月19日以来の高値をつけた。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は上昇。4月以来で最長の5営業日続伸 となった。エジプトの騒乱が流血の事態にエスカレートしたことを受 け、中東の原油供給に対する不安が高まり、北海ブレント原油は4カ月 ぶり高値を付けた。

エジプト治安部隊は前日、デモ隊の強制排除に乗り出し、全国 で500人以上が死亡。政府は非常事態を宣言した。中東産原油を欧州と 北米にタンカーで輸送する要所であるスエズ運河は、エジプトが運営し ている。この日は米失業保険申請件数の減少で金融当局による緩和縮小 観測が再燃したために、株式相場が下落。これに伴い、原油相場も上値 を削らされた。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は「エジプトの暴力激化で原油相場は上昇し ている」と指摘。「一方で株価が打撃を受け、原油市場への下押し圧力 となった。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格 は板挟みになっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比48セント(0.45%)高の1バレル107.33ドルで終了。終値としては今 月1日以来の高値となった。

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