米国債:下落、2011年以来の高利回り-緩和縮小観測広がる

米国債相場は下落。10年債と30年債 の利回りはいずれも2011年8月以来の水準に押し上げられた。米経済の 成長加速で、来月にも金融当局による債券購入規模が縮小されるとの見 方が広がった。

個人や企業の借り入れ金利の指標となる10年債利回りは一時、2年 ぶりに2.8%を上抜けた。先週の新規失業保険申請件数がほぼ6年ぶり の水準に減少したほか、米建設業者の景況感を示す8月の住宅市場指数 が2005年以来の高水準となったことが背景にある。6月の対米中長期証 券投資は前月に続く売り越し。特に海外の民間投資家による米国債の売 り越しが過去最大だった。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「米金融当局が景気刺激措置を引き揚げ始めるとみ られており、市場にネガティブなのは確かだ」と指摘。「失業保険申請 件数は一番ウエートが高かった。リセッション前の水準にあるというこ とは、労働市場にとっては明るい兆しではあることは明らかだ」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇して2.77%。一時は2011年8月1日以来の最高とな る2.82%を付けた。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格 は14/32下げて97 21/32。

弱いファンダメンタルズと高い資産価格

30年債利回りは一時3.84%と、11年8月8日以来の水準に上昇。当 時は格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の格 付けを初めて最上級AAAから引き下げたことが相場に影響していた。

世界最大の債券ファンドを持つ米パシフィック・インベストメン ト・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任 者(CEO)は、ブルームバーグ・ラジオのインタビューで「米金融当 局は刺激策を引き揚げたがっているとの見方が市場で根強い。弱いファ ンダメンタルズと非常に高い資産価格の距離がこれ以上広がるのは望ん でいない」と発言。「このかい離への疑問が浮上し始めたことと、米当 局による支援がもはやかつての強さではないとの見方が広がっている事 実が重なり、広い範囲に及ぶ売り浴びせとなった。質への逃避はない」 と述べた。

米労働省の発表によると、先週の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は前週から1万5000件減少して32万件。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想の中央値は33万5000件だった。前週は33 万5000件(速報値33万3000件)に修正された。

どの程度の縮小か

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「経済は明るい方に変わり始めた」 と指摘。「緩和縮小があるかどうかではなく、どの程度の縮小になるの かが市場にとっては問題だ」と続けた。

7月の米消費者物価は上昇し、これで3カ月連続プラスとなった。 米労働省が発表した7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は 前月比0.2%上昇した。伸びはブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト調査の予想中央値と一致した。

全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが15日 発表した8月の米住宅市場指数は59と、前月の56(速報値57)から上昇 した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値 は57。同指数で50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみ ていることを示す。

米財務省は22日に5年物インフレ連動債(TIPS)の入札160億 ドルを予定している。4月に行われた前回入札の規模は180億ドルだっ た。

原題:Treasury Yields Rise to Highest Since 2011 on Fed Policy Outlook(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger、David Goodman. Editors: Dave Liedtka, Greg Storey

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