日本株は3日ぶり反落、米政策や国内税制不透明-幅広く売り

東京株式相場は3日ぶりに反落。米 国の量的金融緩和策や国内税制に対する不透明感、直近の円安トレンド の一服を受け、電機やゴム製品など輸出関連株を中心に東証1部33業種 中、32業種が売られた。過去2日間の上げが目立っていた証券や不動 産、情報・通信株などの下げがきつい。

TOPIXの終値は前日比19.52ポイント(1.7%)安の1151.82、 日経平均株価は297円22銭(2.1%)安の1万3752円94銭。

三井住友アセットマネジメント株式運用グループの生永正則シニア ファンドマネジャーは、「法人税引き下げは消費税増税とセットで行わ れると市場は期待していた」と指摘。政府発言により、「消費増税への 不透明感が高まった上、法人税引き下げへの期待も剥落した」と言う。

欧州連合(EU)統計局が14日に発表した4-6月の域内総生産( GDP)速報値は前期比0.3%増と、ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の0.2%増をやや上回った。7四半期ぶりのプラス成長で、 過去最長のリセッション(景気後退)から抜け出した。同統計が世界的 な景気拡大を示す兆候とみられたきのうの米国市場では、量的緩和策の 縮小観測の広がりから株価指数が反落した。

ブルームバーグが13日までエコノミストを対象に行った調査によれ ば、9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で月間850億ド ルの債券購入の縮小が決定される確率は65%となっている。前月は50% だった。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「景気が良 好で米緩和策が縮小するなら、米国株への影響は少ないが、景気指標が ふらつく中での縮小なら、米国株安につながるかもしれない」と警戒感 を示唆。縮小時期が9月になる可能性について、「マーケットはまだ疑 問が残っている」と言う。

官房長官と財務相発言で午後一段安

米国株安の流れを受け、きょうの日本株は反落して取引を開始。午 前半ばにかけ下げ渋る場面もあったが、菅官房長官や麻生財務相が法人 実効税率下げについて、安倍首相が指示した事実はないと閣議後の会見 で発言したことが市場に伝わると、再度下げ足を速めた。実効税率引き 下げを検討するよう、安倍首相が関係府省に指示したことが分かった と13日付の日本経済新聞朝刊が報じたことを材料に、日本株は前日まで 連騰。その反動もあり、政策の不透明感から午後には一段安となった。

為替市場ではリスクオフの流れでドル売り・円買いが先行し、法人 税減税に関する官房長官発言が伝わると、再度円買いの動きが強まっ た。午後にはドル・円は一時1ドル=97円59銭と、きのうの東京株式市 場の終値時点98円37銭に比べ円高方向に振れた。

「財政赤字の大きさや税対応による企業活動への影響を考えて、マ ーケットは予定通り消費税を引き上げる方向となれば円安・株高で反応 していた」と、三井住友アセットの生永氏。それが不透明になれば、今 度は円高・株安の反応が起きやすいとし、「消費増税に対する不確定要 因は早めに解消した方が良い」としている。TOPIXと日経平均はこ の日、国内税制期待から上げた過去2日間の上げ幅の約半分を失った。

この日の日経平均は引き続き、先物動向に振らされる展開。丸三証 券の牛尾貴投資情報部長は、「売買代金が低水準な上、信用買い残と裁 定買い残がともに3兆円台と多い」と需給要因を指摘しており、売買代 金の増加と企業業績の一段の上振れがないと、「日経平均の1万4000円 台ではすぐ押し戻される」と見ている。

東証1部の業種別33指数ではゴム製品、証券・商品先物取引、不動 産、パルプ・紙、金属製品、情報・通信、化学、電機、食料品などが下 落率上位。売買代金上位ではソフトバンク、富士重工業、ファーストリ テイリング、野村ホールディングスなどが安い。

一方、海運株が唯一上昇。ばら積み船運賃市況のバルチック・ドラ イ指数が前日に5.3%高と大幅続伸したことが好感された。個別ではグ リーやディー・エヌ・エー、ニコン、川崎汽船、商船三井が高い。グリ ーは、前日発表の13年6月期営業利益は前の期から4割減益となった が、従来計画は5%強上回った。

東証1部の売買高は概算で20億4214万株、売買代金は1兆6887億 円。値上がり銘柄数は235、値下がりは1446。

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