債券上昇、法人税下げめぐる発言で株安・円高-超長期債には売り圧力

債券相場は上昇。法人実効税率の引 き下げに否定的な要人発言が相次いだことを受けて株価が下落し、外国 為替市場で円高基調となったことが買い手掛かり。来週に40年債入札、 再来週に20年債入札を控えた売りを背景に超長期債は安い。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比13銭高の144円07銭で開 始し、午前の終了前に9銭高の144円03銭まで伸び悩んだ。午後に入る と株安・円高を背景に水準を切り上げ、一時は144円15銭まで上昇した が、取引終了にかけて上値が重くなり、結局は144円03銭で引けた。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、法 人税減税が簡単に決まるとはみていなかったため債券へのインパクトは 限定的としながらも、「反応した株安や円高が相場を支えている」と指 摘。「消費増税が決まれば法人税減税も検討される可能性があり、むし ろ消費増税に向けた流れができつつあるのではないか」とも話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の329回債利回 りは同1.5ベーシスポイント(bp)低下の0.735%で開始。13日に付けた3 カ月ぶり低水準の0.73%に接近した。いったんは0.745%まで低下幅を 縮めたが、午後の取引開始後に再び0.735%に低下。午後1時半すぎか らは0.74%で推移している。5年物の113回債利回りは0.5bp低 い0.275%に低下した。

超長期債は安い。20年物の145回債利回りは2bp高い1.68%、30年 物の39回債利回りは2bp高い1.80%と、ともに9日以来の高水準。松川 氏は、利回りは全体的にスティープ(傾斜)化していると指摘。ただ、 「超長期債の売りに押されて上げ幅が鈍っているが、10年セクターは需 給が締まっており、0.7%台前半でも意外に売られにくい。20日の40年 債入札までに国債オペが実施される可能性もあり、5-10年を売ってい く動きは見られない」と分析した。

菅義偉官房長官は15日、安倍晋三首相が法人実効税率の引き下げ検 討を指示したとの報道について「首相がそのような指示をした事実はな い」と述べた。麻生太郎財務相もこの日の閣議後の会見で、法人実効税 率の引き下げに重ねて慎重な姿勢を示した。

この日の東京株式相場は大幅反落。TOPIXは前日比1.7%安 の1151.82で引けた。東京外国為替市場で円は対ドルで上昇し、1ドル =97円台後半で取引されている。

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