元JPモルガン行員2人を刑事訴追-巨額損失で米司法当局

米JPモルガン・チェースで昨年発 覚したデリバティブ(金融派生商品)取引による62億ドル(約6100億 円)の損失に関連し、米司法当局は損失隠蔽(いんぺい)を図った罪で 元行員2人の刑事訴追に踏み切った。

ニューヨーク市マンハッタンの連邦裁判所で14日開示された訴追請 求状によると、ロンドンのチーフ・インベストメント・オフィス (CIO)でトレーディング戦略を監督していた元幹部のハビエル・マ ルティンアルタホ容疑者(49)と、部下の元トレーダー、ジュリアン・ グルー容疑者(35)は、共謀、有線通信不正行為および虚偽報告の罪で 訴追請求された。米当局によれば、両氏は2012年3月から5月に有価証 券報告書の改ざんに関与した。最も重大な訴因で有罪となった場合、両 氏には最長20年の刑が言い渡される。

米捜査当局は、捜査を継続しているとした上で、両氏に「上からの 圧力」や指示があった可能性を提出した文書や14日の記者会見で示唆し た。

JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者 (CEO、57)は責任を問われ、2012年の報酬が半分に減った。また、 巨額損失を出したCIO部門の責任者だったイナ・ドルー氏を含む幹部 らは退職を余儀なくされた。同行は取引に関係した行員の報酬から1億 ドル余りを回収したとしている。

「ロンドンの鯨」は訴追免れる

米当局は14日、その取引ポジションの大きさから「ロンドンの鯨」 の異名を取り、巨額損失事件の中心人物であったフランス人のブルー ノ・イクシル氏を訴追しないことで6月に同氏と合意していたことを明 らかにした。同氏は合意に基づき捜査当局に協力することを約束した。

マンハッタン連邦地検のプリート・バラーラ検事正は14日の記者会 見で、「これはコップの中の嵐ではなく、個人の不正行為や内部統制の 不備が招いた大惨事だ」と述べ、「12年初めの段階で月を追うごとに膨 れ上がる巨額損失を隠すため、両容疑者は帳簿上の数十億ドルの資産の 適正価値について意図的かつ繰り返しうそをついていた」と指摘した。 検事正によれば、イクシル氏は「複数回にわたって」警告を発していた という。

バラーラ検事正はまた、国外に居住するマルティンアルタホ、グル ー両容疑者について、強制的な身柄引き渡しによってではなく、刑事責 任を問う手続きに進んで応じると「期待している」と語った。

両容疑者は帳簿と記録の改ざん、有線通信詐欺および証券報告書の 虚偽記載での共謀、帳簿と記録の改ざん、有線通信詐欺、米証券取引委 員会(SEC)への虚偽報告の罪に問われている。

JPモルガンの広報担当ジョゼフ・エバンジェリスティ氏は今回の 訴追に関してコメントを控えている。

原題:Ex-JPMorgan Traders First Charged in $6.2 Billion Loss Probe(抜粋)

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