中国を読み解く鍵は豪州にあり-市場関係者は発言や統計注視

シティグループの主要10カ国 (G10)通貨戦略責任者、スティーブン・イングランダー氏はニューヨ ークのマンハッタンにある自身のオフィスで、中国経済を読み解く鍵を 北京ではなく、シドニーの政策担当者や企業幹部の発言から見いだそう としている。

イングランダー氏(58)は「景気と連動性が高い製品に対する中国 での需要に関して彼らは直接かつ直近の視点を備えているだけでなく、 綿密に調べ上げる動機が存在する。景気鈍化が長引くと彼らが感じてい るのなら、私はその見方を真剣に受け止める」と説明。「総合的な需要 に関する不明瞭な視点を得るよりも、限定的だが中国需要の重要な部分 について正確な視点を得る方が好ましい」と語った。

中国経済指標の信ぴょう性に対する疑念から、北京から3500マイル (約5600キロメートル)余り南に位置するオーストラリアで発表される 経済データや発言に注目が集まっている。中国は豪州の鉄鉱石の最大の 輸出先。中央銀行のオーストラリア準備銀行(RBA)は9日、中国の 成長が今後数四半期に「大きく改善する」可能性は低いとの見方を示 し、ラッド首相は中国の信用収縮リスクに警鐘を鳴らした。

中国政府は6月、統計の信ぴょう性改善に向けた取り組みの一環と して、企業が提出したデータの正確性を確実にするための調査に着手す ると発表。ウィキリークスが2010年に公開した情報によれば、中国首相 に今年就任した李克強氏は07年に国内総生産(GDP)統計は「人為 的」であり、「参考程度にするだけのものだ」と語っていた。

中国経済のヒントを得ようと豪州を注視しているのはイングランダ ー氏だけではない。HSBCホールディングスのアジア経済担当共同責 任者フレデリック・ノイマン氏(香港在勤)は、自身の率いるチームは 鉄鉱石の輸出データを分析していると説明。バンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチの豪州担当チーフエコノミスト、ソウル・エス レーク氏(メルボルン在勤)は鉱業企業幹部の発言を追うとともに、鉄 鉱石と石炭の出荷動向を調べていると語った。

7%成長

中国の経済成長率目標をめぐっては、楼継偉財政相が先月11日にワ シントンで記者団に対し、6.5%への低下を容認する可能性を示唆した ことで混乱が深まった。国営新華社通信はその後、英語記事を訂正、楼 財政相は今年の成長率目標7.5%を達成することができるのは間違いな いと発言したとした。李首相は先月、中国にとって7%が「最低ライ ン」との認識を示した。

それでもニューヨーク連銀と経済協力開発機構(OECD)でエコ ノミストとして働いた経歴を持つイングランダー氏は、ある期間に中国 の成長率が7%を割り込む何らかのリスクを想定。14年と15年について はいずれも7%成長を見込んでいる。

豪州と中国の関係はここ数年で一段と強まった。豪州の中国向け輸 出は5年間で約4倍になり、いまや最大の貿易相手国。豪中銀が海外に 3カ所置く支店の1つは北京にあり、ここは経済分析を専門とし通商機 能が柱のニューヨークやロンドンとは異なる。豪中銀には中国とインド に焦点を絞ったアナリスト約10人で構成する分析チームが置かれてい る。

原題:Whither China Seen in Australia as RBA Notes Slowdown: Economy(抜粋)

--取材協力:David Stringer、Brett Foley、Elisabeth Behrmann、Daniel Petrie、Joseph Ciolli. Editors: Malcolm Scott, 大久保義人

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